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新年度の子どものグズグズはバッテリー20%を切った通知です

「もう! 早く着替えなよ」
「わかってる!!」

そう言ってまたゴロゴロ…
時間は刻一刻と過ぎていく

去年の4月

もう一つ大きくなったんだから
ちゃんとしてよ…

そう思ってまたこちらもイライラする
そんな日が続いていた



もうすぐ4月
入園・入学する子ども
進級して新しいクラスになって
新しい友達、先生になる子どもたち

大人も新生活に慣れるまで
バタバタする
そんな忙しい季節がやってきた


進級して一つ大きなクラスになった
子どもたちは
自信に満ちあふれ
「もう、oo組さんだもん!」
「自分でできるよ!」

と、はりきってお手伝いしたり
自分のことをやろうとする

その一方ですぐに
かんしゃくを起こしたり

今まで自分で着替えていたのに
ゴロゴロして全然着替えない

全然食べない
だらだらいつまでも食べている
食べさせて〜と言う

お風呂、ご飯、宿題……
ダラダラして
全然次の活動に行けない

「今までちゃんとやってたのに!」

「oo組さんになったんだから
 自分で着替えなよ!」

「小学生になったのに
 食べさせてもらうなんて
 恥ずかしいよ!」

こんなセリフが頭をよぎる

こちらも4月はバタバタしていて
余裕がない

人事異動や新人が増えて
新しい人間関係

せめて今までできていた
自分のことは
自分でやってくれ!

と思う


でも
あれ?
これって子どもも一緒かも……

ふとそんなことに気づいた


子どもたちは園や小学校で
新しいクラスになり
教室、ロッカー、靴箱の場所が
変わるという物理的な変化や

先生が変わったことによって
いつもの流れが変わったり
”今までと違う”が
かなり増えた

いつものルーティンが変わることは
子どもにとって
結構エネルギーを使う

大人でも異動になったり
新しい職場になると

新しい場所に慣れるまで
新しい人間関係に
”この人はどんな人だろう”と
意識しながら話したり
新しい仕事内容を覚えることで

最初の数日は結構消耗する

ようやく帰宅して
ご飯も作りたくない
なんなら食べるのめんどくさい
お風呂に入るのもめんどくさい
とにかくゴロゴロしたい
もう何もしたくない!!


そんな気持ちを経験したことは
ないだろうか?

子どもたちも同じなのかもしれない

それに気付いてからちょっと
子どもの見え方が変わった


やだやだ
ばかばか
グズグズ
イライラ

サボっている?
わざと怒らせようとしている?
そう思い込んでいたが
これは

完全にバッテリー切れを起こしているだけで

「バッテリー20%を切りました」
と言う通知
だと思うことにした

この時期は甘やかしに
罪悪感を感じない!

とことん甘やかして
たっぷり充電してあげる!

そんな方向に切り替えてみた


自分でバッテリー残量を把握する練習


去年の4月 小学1年生の彼女は
着替えずゴロゴロしていた
「もういい加減着替えなよ」
というと
「わかってる!!」
とプンスカしながら
またゴロゴロ……
なかなか着替え始められず
最終的にグズグズしたり
八つ当たりをしてきたりして
こっちもイライラすることが続いていた

甘やかす方向に決めたが
1年生だし、やっぱり
”自分のことは自分でしてほしい”
そんな気持ちがあった

でも、よく考えてみたら
彼女は自分のことは自分でできていた
今はできるだけの気力がないので
目標はそこではない

では何が必要なのだろう?
考えてみたところ

・自分でバッテリー残量を把握すること
・周りに察してもらうのではなく
 自分でして欲しいことを言える


この二つのスキルを身につけて欲しかったので
甘やかしにプラスしてこれを練習してみた



さて最初のステップとして
まずは
・自分のして欲しいことを言う
から始めた

着替えずゴロゴロしていても
「手伝って欲しいなら自分で言ってね」
と声をかけ、放っておき
「手伝って〜」
と言われたらすぐに手伝う
もしくは
「これが終わったらすぐ行くから
 ズボンだけ自分で履いといてー」
と一部だけ手伝うようにした

そして察してもらうではなく

「手伝って欲しい」という
要求が言えるようになってきたら
次のステップ

「手伝って〜」
「え〜、今、手が離せないから自分でやって欲しい」
「やだやだやだ! なんで手伝ってくれないの?」
「じゃあ、どうしたら
 私が手伝おうかなと思うか考えてみて」 

「えー? めんどくさいから手伝って」
「それはなんかやだ(笑)別のがいい」
「じゃあ、お菓子あげるから手伝って」
「別にお菓子は食べたくない」
「疲れたから手伝って」
「お! どうして疲れたのか理由が欲しいね!」
「小学校で今日頑張って疲れたから手伝って!!」
「オッケー! 今日小学校頑張ったから疲れたのね。
 いいよ! 手伝おっか」
「やったー!」

そんな感じで最終的には
「今日、友達と喧嘩して泣いちゃって
 元気がないから手伝って」

「今日は体育が2時間もあって
 疲れたから手伝って」

と自分がなぜバッテリー不足なのか
気づけるようになってきた


そしてしばらくすると
全然バッテリーの
余力もありそうなのに

”めんどくさいからやって欲しい”

そんな魂胆が見えるように
なってきたため
そこまで頭が回るほど
回復したんだなと思い
甘やかし期間は終了

「え〜」と文句を言いつつも
通常運転に戻り
自分で自分のことが
できるようになった



着替えを全部手伝うなら
脱いだものを片付けるのは
自分でやって欲しい

といった駆け引きは
必ず入れた

私自身のバッテリーに
余裕がある時は

わざと裏返しに着せようとして
「違う違う〜!」
「じゃあこっち?」
と違う人の服を着せようとして
「違うって!もう、自分でやるから!」
と、笑い転げながら自分で着た時もある

私が一曲踊り切るまでに着替え終わるか
勝負! とBTSをかけると
張り切って着替えた日もあった

そんなイヤイヤ期の子どもに使っていた
方法をやってみたら
案外楽しんで着替えていた

子どもも大人も疲れていて
そんな駆け引きする元気がない時は
1日やって欲しいことを言ったら
全部やってあげる
甘やかしチートデイにを作った




この自分のバッテリーを把握
する力は大人になってからも
ずっと必要なスキルだ

自分のキャパ以上のことをして
気付かないうちに
無理を続けて体を壊したり
することがないよう

自分のことを自分でよくわかる

その最初の一歩だと思っている



新年度は大人も子どもも
気付かないうちに
エネルギーを消耗しがち

人間もスマホと同じく
充電しないことには
動けない

自分が今どれくらいの
バッテリー残量か
把握して

日中頑張ったら
家ではのんびりリラックスできる
自分で自分を甘やかしながら
忙しい4,5月を
乗り切りたい


yakko



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