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ブラック保育園で もがいて ひねくれ苦しんだ先に見つけた自分のしたいことをとことんするということ

前回「目立つことが嫌い・人と違うと不安になる・自分で決めることに自信がない自分」で幼少期のお話をしました。
今回はフィンランドに行くまでの社会人編について書いてみます

新卒1年目

10代では目立つことが嫌いで、自分で何かを決めることが苦手でしたが、社会人になってもそれは同じでした。
短大を卒業後、郊外の幼稚園に就職しました。この就職先も大学の就職課に勧められるまま採用面接を受けてそのまま採用されたので他人に決めてもらいました。
その園は親族経営のお寺の幼稚園で運動会や発表会、作品展など行事にチカラを入れていて漢字教育や鍵盤ハーモニカ、鼓笛隊の指導などやることが毎日沢山ありました。

新卒1年目の私はそこでいきなり年長35人の1人担任となりました。

先輩に「わからないことがあったら聞いてね」と言われましたが、そもそも何をしたらいいのかわからない状態でとりあえずやってみても、優先順位が違うとか、やり方が違うなど「なんで聞かなかったの?」と怒られ「困ってるなら言わないとわからないでしょ」と言われても、ずっと困っている状況だったので”何に”困っているのか自分の状況がわかっていませんでした

とにかく毎日泣いていました

新学期が終わると夏祭りの練習
夏祭りが終わると運動会と鼓笛隊の練習
鼓笛隊が終わると作品展の準備
作品展が終わると発表会の練習
そして卒業式
入園式…

やらなければいけないことが常に大量にあって3年働きましたが私はほとんど子どもたちと遊んだことがありませんでした

持ち帰り仕事は当たり前で1月2日から発表会の準備のために無償で出勤。
お寺の檀家さんが集まる前は寺の掃除をしたり、園長が家をリフォームする時には部屋の片付けや壁紙を剥がしたりリフォーム作業をしたり、芋畑の草抜きをしたり…全て保育中に急に呼び出されてやっていました。
授業参観中に保護者がたくさんみている中で園長が雑巾を持って教室に入ってきて「汚い!全然掃除できていない」と怒られたこともありました。

今思えばおかしな事も新卒でそこに入った私は他の保育を知らなかったので私は幼稚園教諭に向いていないと思いやめようとしましたが、古いタイプの職場なので寿退社しか認められず3年そこで働きました

2年目のときに年中41人クラスの担当になり名ばかりの2人担任で41人1人で全てやることになりました。そのうち2人は配慮の必要な子どもで加配がつくこともありませんでした。

周りの先生たちは問題児扱いをするだけで、そこに専門的な目を入れるという考えはなく、相談できる人もいなかったので本を買って自分なりに調べた方法で対応していました。そこから発達障害や障害児保育についてちゃんと勉強したいと思うようになり退職届を3回書いてようやく退職しました。

大学編入

通信で大学に編入し、2年間特別支援教諭の勉強をしながら一般企業で経理の仕事をしました。
一度保育から離れて一般企業に努め驚いたのは全部自分でやらなくても頼っていいという事です

保育の世界は女社会なので力仕事も、雑務も全部自分でやっていました。
電球が切れた時「総務に行っておいで」と言われたので私は新しい電球をもらいに行くと「何課ですか?」と言われたのでなぜ電球が欲しいだけなのに場所を伝えるのか疑問ですぐ答えられずにいると「あとで交換しときますね」と言われ驚愕しました。
当然自分で付け替える予定だったので、人がやってくれるということに戸惑いました。
段ボールを運んでいても「あ、やりますよ」と当然のように男性社員が重たいものを運ぶ社会がそこにあり、お昼休憩が1時間ちゃんと取れるのもまるでドラマの世界にいるような気分で最初はとても楽しかったです。
しかし1年経つ頃には毎日同じ仕事の繰り返しで特に経理の仕事は何か目標に向かってすることもないので味気なく感じていました
そして大学を卒業し、特別支援教諭の資格をとると退職し心機一転新天地で働いてみようと関東で就職することを決めました

この頃から大学に編入したり、関東に引っ越したりと自分のしたいことをし始めましたがこれはやっと「機能不全家族」との縁が切れ、自分のしたいことが口に出して言えるようになったからです。
しかし、まだまだ自分で決めることには自信がないのでいろいろな人に意見を聞いて相談していました

関東へ引越し

関東では新設園のオープニングスタッフとして保育士の仕事を始めました
1歳児の担当で初めての乳児、新生活…しかし新設園はとてもハードでした。人間関係も悪くあちこちで陰口が聞こえ、サービス残業も当たり前、子どもが怪我をしたり噛みつきがあると園長は激怒するのでとにかく怪我をさせないように毎日ピリピリしていました
肌は吹き出物が大量発生し、何も食べたくない、毎日がツライ状況が続き病院で鬱症状が出ていると言われたので園長に診断書を見せると

「私は数年前に癌になって死にかけたの!そのことに比べたら、鬱なんてどーってことないよ。鬱なんかに負けないって気持ちで頑張れ」と言われ退職を決めました。
すると年度途中に辞めることやただでさえ職員の数が足りていないので退職まで1ヶ月間、職員や園長から嫌がらせを受けました

その後、職員関係も良く尊敬できる園長の元に就職できましたが関東で一人暮らしできるほどの給料が貰えず、貯金が尽きたところで転職

モンテッソーリ保育園に就職しましたが、名ばかりのモンテッソーリで自分が学びたかったものとは大きく違い3年で退職

退職する直前、私は突然謎の腹痛に襲われましたがその日は行事があり絶対に休めない日だったので無理して出勤しました。
痛みがどんどん酷くなり、午前中で行事が終わったのでそのまま早退させてもらい病院に行き入院しました。
急性のストレスが原因で発症しやすい病気になり、さらに検査で胃炎も見つかり自分では胃の調子が悪いとは思っていなかったのでびっくりしました

体はもう限界であることを示している

この時自分の将来について初めて考えました。
いろいろ頑張って踠いてみた20代でしたが、このまま30代も40代も定年になるまで保育士としてこの働き方でできるのか?

明るくていつも笑顔で元気な先生でもなく

保護者のかたと親身にお話をできる訳でもなく

保育に対しても何が正解かハッキリと分からず自信がない

だから私の担任した子どもはかわいそうで

保護者も私が担任でハズレだと思っているんだろうな

そもそも短大の時から思っていたけど、私は子どもが好きなのか分からない

保育の仕事が大好きだとも言えない

もう明日トラックがぶつかってこれば出勤しなくていいのに

最悪死んでもいいや

そんなことばかり考えていたので

一度地元に戻ってゆっくり今後について考えようと決め保育から離れることをにしました

初めての海外の保育

あと1年で地元に帰る。そう会社にも伝えた矢先に園長と社長が喧嘩をして園長が雲隠れ。保育歴が一番長かった私が園長代理として働くものの、新しい園長が見つからずそのまま退職まで園長をすることになりました。
園長職は当たり前ですが、大変でした。様々な保育感を持つ先生がいてそれぞれ大切に思っていることが違う。自分の保育にそもそも自信がない、こんな私が園長になってはいけないと思いながらも、私がやるしかない逃げられないなら退職までちゃんとやろうと決意しました

いろいろな園長の下でも働いていたので自分が嫌だったことは絶対にしないと決めました。
様々は保育に触れたことで自分の好きな保育と嫌いな保育がハッキリとしていたので私が好きな保育について先生たちと共有しそれを一緒に作り上げていく作業は楽しかったです。

そんな中、デンマークの保育視察にいく機会があり初めて海外の保育に触れることとなりました
初めていく海外
初めてみる海外の幼稚園
初めて触れる海外の保育感

全てがキラキラして見えて毎日何かに興奮したり感動したりこれほど心が踊るという言葉が当てはまる経験はありませんでした

ツアー同行者は保育関係者が多く、様々な経験を持つツアー同行者の皆さんと保育についてご飯を食べながら話したり、ホテルの部屋で語ったりできたことも良い経験でした。
今まで私の周りにいた人たちとはまた違った価値観を持つ方達で、デンマークまでお金と時間をかけて保育園をみにいこうという保育に熱い方達に大きな刺激を受けた1週間でした

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自分のしたいこと

デンマークから戻ってからも海外の保育により興味を持つようになり、本やインターネットで調べたり研修に行ったりして情報を集めるていると
フィンランドの教育が世界一だという記事をたくさんみるようになりました調べれば調べるほど魅力的でしたがひねくれ者の私は素直にそれが受け止められず

「こんな夢のような国があるはずない」

と疑ってかかりました(笑)
いろいろな園を転々とする中で
外観や設備が綺麗で
ホームページをみても魅力的な園の方針が書かれていて
面接に行ってみると園長先生の方針も魅力的で共感できるところがあり
就職する

実際に中に入ってみると、設備は豪華でも子どものおもちゃにはお金をかけていないため先生たちが手作りしたり自腹でおもちゃを買っていたり、魅力的な園の方針は誰にも理解されておらず実行できていない、園長の方針は実は理想論のように職員が迷惑そうにしているなど様々な問題がありました

フィンランドの教育もその外側から見える情報ばかりで中には何か抱えているものがあるのではないか?

そう考え、視察ではなく実際に中に入ってみたい
外側ではなく内側の
本当のフィンランドの教育の姿をみてみたい

と思うようになりました

こうして1年の約束を果たし退職、地元に戻り
フィンランドに行くために準備を始めました

全くできなかった英語の勉強を始めたり短期で語学留学をしてみたり語学の準備や
自分のことについて時間がたくさんあったのでじっくり考えていました
あと、毎日とにかく寝ていました

ある手術をすることになり、そのために睡眠の検査をすることになったためその時に睡眠専門の先生に毎日とにかく寝てばっかりいるが大丈夫なのか気になったので聞くと

睡眠不足や体や心に負担のある生活をずっと続けていたなら
体がそれを回復させようと頑張っているところだから
寝れるだけ寝ていいよ
そのうち落ち着くから

と言われました。溜まりに溜まった借金を今、ようやく返済し始めたところだから返済頑張りなさい!と働かずに寝てばっかりいることに罪悪感を感じていた私は思う存分寝ていいという安心感でいっぱいになりました

本当は眠いのに
寝てばっかりでだらしないからダメだ
という勝手な思い込みで本当にしたいことを無視していた

もう、自分のしたいことをとことんやってみよう

そう思い、今まで行ってみたかったところ、やってみたかったことをリストアップしてとにかくやってみました

旅先の大分でずっと自分のやりたいことをし続けているおばあちゃんに出会いました

「結婚したら自分のやりたいことを我慢するなんて私はできなかったから子どもが小学生だったけど何年か海外で働いたよ。旦那には定年まで待って言われたけど10年20年先にはどうなってるか分からない。我慢の10年を過ごすより失敗してもやりたいことをした10年を過ごしたい。だってこれは私の人生で家族の人生ではないもの」
フィンランドに行きたいと思ってもまだ勇気がなく行動に移せていなかった私の背中を押してもらいました

屋久島で口の悪いおじさんにも会いました

いつもこれを言ったら相手に嫌われるかもしれないと思っていた私はこの口の悪いおじさんと話して考えすぎだったことに気付きました

熊本で1玉500円の特大スイカを買って
小さい頃から夢だった1人で大好きなスイカを丸々1個食べるという夢も叶いました

山梨の温泉で出会った失恋したばっかりの女の子
福岡で再会した高校の同級生
鹿児島で出会ったイギリス人…ちょうどその時イギリスで大規模な火事があり拙い英語でニュースみたよと話しかけると「友達の友達がこの火事で亡くなった。彼はこんな人だった」と今までだったらただの海外のニュースで終わっていたものが現実味がある話になりました

行きたかった場所でいろいろな人と出会って
いろいろな価値観に触れて
美味しい食べ物を食べて

自分のしたいことをとことんする

それがどれだけ自分の人生を豊かにするのか気付きました

社会で生きていくためには我慢をしなければいけない
みんな嫌だけど我慢して働いている
楽しいばかりが人生じゃない

確かに、時には我慢も必要です

でも私の人生は仕事の中にはない

人生の中に仕事がある

我慢に我慢を重ね生きていく人生を

私は手放すことにしました

フィンランドへ行くのはもっと英語が話せるようになってからと思っていたけど、今私は行きたい。
話せるようになるのはいつか分からない
明日また病気が見つかって今度は治らないかもしれない

こうしてフィンランド行きを決断し、渡航日を決めました

フィンランドではまた新たな壁が立ちはだかるのですが
長くなりましたのでまた別の機会に書きます

ここまで読んでいただきありがとうございました

yakko

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ワークショップのご案内

家族 コラージュFacebookイベントカバー (1)

フィンランドの教育現場が考える”みんな違ってみんないい”
〜自分と自分の気持ちを大切にする教育〜
2020.6.21 sun 20:00-21:30 @zoom

「みんな違ってみんないい」

これは幼少期みんなと同じでないと嫌だった私がフィンランドの保育園で働いてこの教育を受けている子どもたちが羨ましいと思いました
日本でも今この言葉がいろいろな場所で聞かれるようになり改めて皆さんとこの言葉の意味を考えてみたいと思い今回のテーマにしました

フィンランドでは幼少期から自分の気持ちを表現することを大切にしています
自分の気持ちを表現することで
相手にも気持ちがあること
そしてそれは必ずしも一緒ではないこと
みんなそれぞれ違うことを学びます

フィンランドの教育が大切にしていること
日本でいう学校教育法や保育所保育指針で求められている子どもの姿や
フィンランドの教育現場で実際にやっている感情を表現する方法
フィンランドの現場で起きている不登校、うつや精神疾患の現状
休校中の遠隔ケアの様子についてお話しする予定です

お申し込み、詳細はこちらからお願いします
http://ptix.at/71g5oI

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3人のフィンランド人が語る"教えるということ"
【全4回でも単発でも参加可能】


フィンランドで出会った教育や保育のスペシャリストたちが日本語でお話します
私が知りたかった内側からみるフィンランドについてフィンランド滞在中たくさん教えてもらいました
「フィンランドの教育が世界一と言われているけどどう思う?」という質問をヘリさんにした時、現役高校教師の目線からヘリさんは「学力は年々落ちている」と教えてくれました。その理由は学生たちが本を読まなくなったことだそうです。詳しい内容などはこのイベントの中でお話してもらう予定です

お申し込みはこちらから→https://peatix.com/event/1514162/view

▼開催日時
・6月14日(日) 【プレイベント】無料
  日本時間20:00-21:00

・6月27日(土) 【初日】基礎知識編 
  日本時間19:00-21:00

・6月28日(日) 【2日目】幼児保育・マックス先生
  日本時間19:00-21:00

・7月4日(土) 【3日目】教育専門家・起業家パパ・ニーロ先生
  日本時間19:00-21:00

・7月5日(日)  【最終日】現役高校教師・ヘリ先生
  日本時間19:00-21:00


▼開催場所
オンライン、Zoom
※ZOOMのリンクはイベントが近くなったらお送りします。




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