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【エンジニアのひとりごと】温故創新 #22

こんにちは!
ワークスアイディ株式会社 キャンスタ編集部
RPAエンジニアの、りっさんです!

ITに関連する話題や、支援で訪問するお客様先で思うことをつらつらと、
ひとりごと的に行なう22回目。

今回は、「温故創新」です。

少し前、お客様先で気付いた「既に試しているであろう内容を選択肢から外すことで、回り道をしてしまった」ことについて、過去を振り返って知り、それを未来に活かす…ということを掘り下げてみました。

1.基本を除外してはならない

とあるお客様先でのRPAにまつわるお話です。

基幹システムを操作する際にプルダウン選択内から任意の対象を選択する、という作業を行う際、画像マッチングや輪郭マッチング、OCRマッチング等のマッチング処理を使用して選択されていました。

実行していくうちに、あるデータだけ似た別の項目を選択していることに気付いたため、そうならないように挙動改善するにはどうしたら良いか、というご相談でした。

「作成と実行環境が同一のPC」かつ、「基本的な対処法は既に実施済み」という事前情報から、基幹システムでの対処法としては「マッチング処理」や「エミュレーション操作」が一般的なため、以下の対策を提示しました。

①例外データのみ対応するように分岐処理でマッチング処理を分ける
②選択項目データをA列、B列に数字を配置した一覧表をExcelで作成、
 該当列から対象データを検索して一致した場合は該当の選択項目B列の
 数字を取得、その数字分だけプルダウン選択時に下へ移動する

思いついた基本的な対処法は実施済みで除外して考えている」こと、「基本的にはマッチング処理で対応できていること」を踏まえると、無難な解決方法と言えます。

ただしこの提案には問題がありました。
実は作業対象の選択項目データは更新頻度が高く、ほぼ毎月かなりの数を追加や削除をしており、WinActorを実行して失敗するたびにメンテナンスすると考えると修正頻度が高くなってしまうため、別の方法を検討せざるを得ませんでした。

2.故きを温ねて新しき選択を創る

そうは言っても「マッチング処理」や「エミュレーション操作」といった、基幹システム操作の基本的な対処法は実施済みのため、その他の方法は基本的にありません。

基本的には一旦この対策を採用していただきつつ、状況に合わせて別の手を模索していただくようにお伝えするのですが、今回はサポートの最終日だったこともあり、一旦前情報は聞いていなかったと仮定して対策を考えた結果、「自身が第1の選択肢として使用している方法」を試すことにしました。

第1の選択肢とは、「自動記録アクション関連」操作です。
自社の情シスが作成している基幹システムであれば、動作する可能性は十分あるものの、「事前情報として基本的な対策は実施済みである」という前提で考慮したため、「完全に除外して考えていた対処法」でした。
半分はダメ元で試してみた結果、きちんと動作して想定通りの挙動ができました!
お客様いわく、この3年ほど遡っても試してみたことはなかった方法とのことで、まさに「故きを温ねて新しきを創る」ことができました。

個人的にこの「自動記録アクション関連」を第1の選択肢として試している理由は「作業再現が最も簡単にできる」からですが、デメリットとして「対象のシステムがアップデート等により構成要素に手を加えられた場合、別の箇所を操作しようとしてしまう可能性があり、その場合に再設定が必要となる」ため、ひとまず最初に試してみて通るかどうかを確認し、アップデートによる変化の可能性をお客様に共有するまでを一連の流れとしています。

これも個人的にですが、自動記録アクション等の記録系機能は簡単で楽に作成できるものの使えない場合も体感6割以上はあるため、経験を積むと早い段階で成功可能性の高い別手段を検討するようになります。

今回は「初心を振り返ってみる」ことで「お客様が試したことのない操作を共有する」ことができ、「新しい選択肢を創り出す」結果になりました。

3.されど過去に縛られるべからず

過去の成功体験に基づいて選択すると良い結果に繋がりやすいことは語るまでもないことですが、問題は「無思考でその選択に頼ってしまうとアップデートする機会が失われ、徐々に先細りして行き詰まる」可能性を内包していることであり、「成功した過去があるが故に、行き詰まっていることに気付きにくく、気付いたときには取り戻せない」場合もあります。

過去の成功体験はあくまでも「目的に到達するための手段のひとつが上手く行った結果」であって、「その手段そのものが目的ではない」ハズです。

ポイントは、「過去の成功体験は最初に試す『いち手段』であり、あくまでも現在の問題を解決するための『ひとつの選択肢』としておく」ことです。

一度上手く行ったからと言って、何度も同じ方法で上手く行く保障はどこにもありません。何事もバランスが大事、ということを忘れないでいたいものですね。


せっかくの成功体験による最適な手段ですから、試さないのはもったいないですが、ずっと頼りっ放しも問題はある。
まさに「過去に縛られるべからず」、そんな今日、この頃です。

以上、キャンスタ編集部 RPAエンジニア りっさんでした!

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