【エンジニアのひとりごと】目のつけどころ #21
こんにちは!
ワークスアイディ株式会社 キャンスタ編集部
RPAエンジニアの、りっさんです!
ITに関連する話題や、支援で訪問するお客様先で思うことをつらつらと、
ひとりごと的に行なう21回目。
今回は、「目のつけどころ」です。
ケース1.Excelの活用方法を変える
例えば「紙を見ながら入力している」、「Excelでデータ管理をしているが、前任者から引き継いだまま、必要なデータを入力する目的のみで使用している」、「前回のデータをコピーして使い回している」等、どれもExcelならではの使い方ではありますが、これらは「人の操作で使いやすい方法」であって、「RPAにとって使いやすい方法」ではない場合があります。
人は目で見て考えて対処することができますが、RPAは見て考えて対処することはできませんので、同じ方法が良い訳ではない可能性があります。
もし、RPAに作業させる場合、「作業に手間がかかる、あるいは指示の仕方がわからない」ということがあれば、「Excelの活用方法自体を変える」方が良い場合もあります。
上記例の場合、まず「紙をデータに変換する」方法を考えてみます。最も思いつきやすいことは、PC備え付けの「Excel」を使用してみる方法です。
FAXのように紙でしかデータがない場合は、OCR等のデータ変換できるアプリを使用する方法や、そもそものフローを「基幹システムを導入」して解決する方法もあります。
Excelは「Excelの入力フォーマットを原本ファイルとして作成」し、「原本ファイルにデータを入力、作業ファイルとして別名保存する」といったフローに変更することで、「次の作業の際に原本ファイルはデータが未入力の状態」となっているため、最初に「前回のデータを削除する」必要がなくなります。
もちろん、「前回の作業データを見ながら次の作業を行う」場合や「以前作成したデータを参考に作成したい」場合もありますが、「前回データがあることで既に入力されている、と錯覚して修正を忘れてしまう」場合もあり得るため、「極力人の手で入力する手間を削減している状態」を理想として考えると、人的作業の際にデメリットとなったとしても、RPAにおいてメリットとなるのであれば、採用の価値はあるでしょう。
また、前回のデータを再利用したい場合は、「データベースを作成、参照する」ことがメリットになる場合もあります。
特に基幹システムを利用している場合は、システム側のルールに沿ったデータベースを作成しておくことで、基幹システムから作業データを利用する場合、あるいはその逆の場合でも、「Excelからも基幹システムからも、データベースを参照すればデータを照合できる」ようになります。
あとはVLOOKUP関数等をあらかじめシートに設定しておくことで、参照元のデータを差し替えるだけでデータを集約させることができ、毎回の手作業軽減が期待できます。
ケース2.運用ルールをすり合わせる
ケース1にも関連してくる内容ですが、そもそもの「運用ルールを見直してすり合わせる」ということも重要です。
アプリやツール、機能はオンラインアップデートが主流となっているため、日進月歩で進化しますが、それに伴う人的作業をアップデートせずにいると、緩やかに人的作業とアプリやツールの機能とが乖離していきます。
最初は気にならなかった些細な作業が、ツールのアップデートによって使いづらく感じてしまうことに繋がり、最終的には「これなら人が作業した方が早い」という考えに繋がる可能性が増えてきます。
万人に使い勝手の良いツールや機能は存在しないため、現状維持バイアスも相まって「新化」に億劫となってしまいがちですが、外的要因を変化させることは難しいため、変化が可能な自身を新しい機能に合わせてアップデートする方向にシフトして、お互いに良い環境となるように「運用ルールをすり合わせる」ことが肝要でしょう。
過去、「基幹システムの商品番号とお客様先で使用している商品番号が異なる」というお客様がいらっしゃって、受発注書の商品を自社の基幹システム内の商品データから検索して登録する、という作業を毎回されているケースがありました。
このようなお客様にご案内する対策は大体以下の2パターンが多く、1つは「変換用データベースをExcelで作成し、RPAを利用して登録する」、もう1つは「自分たちで変更できる基幹システム内の商品番号をお客様の商品番号に変換するためにRPAを利用する」というパターンです。
自社だけで変更可能な場合もあればそうでない場合もあるため、今後を見据えた新データベースに移行するまでの間は、Excelで変換して管理する方法を採用しておき、移行の際に統合する方法が望ましいでしょう。
ケース3.協力を惜しまない
RPAに限らず、新しい潮流を軌道に乗せるには、「周りの協力」が不可欠です。
特に、舵を切ることができる管理職以上の協力や主導がない限りは、推進して行くことが難しいと言えます。
まだまだRPAの歴史もそこまで長くはないため、すべてのお客様先で体制が万全であったことはなかったものの、この潮流を軌道に乗せている企業様は、少しずつ拡充していって事業拡大の方向にシフトされており、特に他部署展開からグループ会社に拡充していく等、協力態勢が見られます。
費用対効果と先の事業展開を鑑みて、協力体制を敷いて進めるようになる方向にシフトできるようにしていくためにも、守りのDXのみならず、攻めのDXを浸透していきたいものです。
今回はお客様先での事例から文章にしてみましたが、この先の潮流に少しでも追いつけるよう、まずは自分から行動を変化してみる。
簡単なようで難しいですが、きっかけになればと思う今日、この頃です。
以上、キャンスタ編集部 RPAエンジニア りっさんでした!