カレーライスを、抱きしめて。
明日がじぶんの人生最後の日だとしたら、
いったい何を食べるだろうか?
そもそも、健康なまま、おいしいと感じながら、食べられるのであれば、それだけでいい。
細かいことは横に置いて、お寿司、ラーメン、焼肉と並んで、カレーライスは間違いなく、ランクインする。
ドイツに住んでいた時に、もちろん「ハウスバーモンドカレー」みたいなレトルトカレーは、なかなか手に入らない。
むしろ、「スパイスから作る方が当たり前」みたいな風潮があって、ネットで調べながら、スパイスカレーを作ってみたりした。
大人になって、外食する事が、好きだった。
学生の頃には行けないお店なんかに行ったりして、食べてみたかったものを色々と食べてみた。
それと同時に、外で食べる事を続けた時に、自炊して食べるご飯がいかに美味しいか。そんなことにも気づいたりもした。
カレーライスをスパイスから作るようになった時、料理は大きな過程のなかで作られていると思った。
スーパーにある野菜やお肉を選んで、下ごしらえをする。
スパイスを鶏肉に丁寧に揉み込んで、一日冷蔵庫で熟成させたり、じっくりと煮込んだり。
手順に従って、一つずつ完成に向けた工程をやっていく。
それが終わって、お皿に盛り付けたカレーライスは、レトルトカレーよりも胸にジンとくる。
チンすればいいものばかりの世の中だから、チンしないで、じっくりと作ることの愛おしさを忘れがち。
人生最後の日は、どこかの素晴らしい調理人による、外食も悪くない。
けれども、今の自分は、全ての工程を、一つずつ味わいながら、最後にできたカレーライスを食べることも悪くない。
そんなふうに思ったりもする。
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