見出し画像

ワライカフェvol.1 西見公宏さん

こんにちは、ワライラボメンバーの後藤武寿です。8/10(水)にワライカフェvol.1を富士吉田市のドットワークPlusで開催しました。

西見さんの紹介

今回ゲスト店長としてお呼びした西見公宏さんは、株式会社ソニックガーデン取締役執行役員としてご活躍されています。西見さんは、大学を卒業後大手システムインテグレータに新卒で入社。その会社で大手企業の業務基幹システム開発や海外でのサービス開発を経た後、2011年に株式会社ソニックガーデンに入社し、ソフトウェア受託開発のビジネスモデルを大きく変えた「納品のない受託開発」のサービス提供に関わっていらっしゃいます。数々の新規事業の立ち上げ支援ならびに新規Webサービス開発に、プログラマーかつプロジェクトファシリテーターとして参画し、年間100件以上の新規相談を受け付けながらプロジェクトの立ち上げを支援されてきました。富士吉田市には、2021年に移住してこられたそうです。ちなみに最近の休日は小さめのショベルカーに乗って富士吉田の自宅の庭いじりをされているそうです(笑)

株式会社ソニックガーデンは2011年7月に創業され、その当時からリモートワークが行われていたそうです。コロナ禍でリモートワークへの切り替えを余儀なくされた企業が多い中で、ソニックガーデンがそれよりも10年早くリモートワークを取り入れていらっしゃったのは驚きですね!ソニックガーデンがすごいのはそれだけではなく、「世界一受けたい授業」でも取り上げられたことがあります。「ソニックガーデンが思い切って廃止したものは何でしょう」という問題にもなったんです!

さて、「ソニックガーデンが思い切って廃止したもの」とは何でしょうか?いろいろ考えられますね、社長??上司??

正解は、オフィスです!創業から5年後の2016年に会社のオフィスをなくしたんです!リモートワークが普及してきた現在でもオフィスはあるという企業が多いのに、2016年の時点でオフィスまで廃止してしまったことはこれもまた驚きです。ここまで早くリモートワークにシフトしていったのにはあるきっかけがあったそうなのですが、それはまた後半で…。

これまでの働き方

西見さんは、中学時代に同人ゲームの製作を行っていたそうです。この経験が働くことの原体験になります。この同人ゲームの製作の際には、北は北海道、南は九州まで幅広い地域・年齢の人と集まってゲームを開発していたそうです。25年前にネット上で作られた関係なので、中学生であった西見さんは当然メンバーと会うことはできません。中学生の西見さんが「ネット上の仕事仲間に会いに北海道行ってくるね」と言おうものなら周りの人みんなに止められること間違いなしでしょう(笑)

したがって、ゲーム開発のチームでの連絡はチャットでとっていたそうです。25年前からある意味フルリモートワークの働き方だったんですね。当時はネット上で画像を送り合うこともできなかったので、チームはテキストだけのチャットで意思疎通をとり、ゲーム開発を進めていきました。西見さんたちは、そんな中でもテストプレイを繰り返し、洗練させ続けることでゲームを完成させることに成功しました。(すごい)
プログラミングコードを書くことが好きだった西見さんは、その後高校を卒業せずにWebデザイナーの道を歩み始めます。当時で時給2000~3000円と待遇としてはなかなかよかったものの、業務環境としては過酷で、朝9時に出勤して夜23時に退社するような日々が続き、最終的には身体を壊してリタイアしてしまいます。

その後、西見さんは「会社で働けないなら自分で作ればいいじゃない」という考えにたどり着きます。Web制作とプログラミングの経験を活かして、簡単にホームページを作れる仕組みを開発しました。しかし、これまでの経験から商品を作ることができても、それを売ることに苦労したそうです。営業の仕方が分からず、商品を持って行っても9割方門前払いになるという経験をし、西見さんは19歳の夏に人生が頓挫したと感じてしまいます。そこから、いったん人生をリセットするという思いもあり、西見さんは大学に入学します。就職活動中は、いろんな会社の人がチヤホヤしてくれたため、大学入学前に自ら開発した商品を持って行った時との対応の差に衝撃を覚えたそうです。これまで一人で開発することが多かった西見さんは、大人数での開発に魅力を感じ、大手システムインテグレータに入社します。当然ですが、この当時の企業は原則出社なので毎日通勤していました。

その企業で基幹業務システム開発や海外でのサービス開発に尽力していたところ、2011年に東日本大震災が発生します。東京では揺れはそれほど大きくなかったものの、電車などの交通網がマヒし通勤や帰宅が困難になる人が大勢発生しました。西見さんは出社してしなければできない業務がほとんどなかったため、交通網がマヒしているなら家から仕事をすればいいじゃないかと考えます。しかしながら、実際にはほとんどすべての人は、交通網がマヒしている中でも気合の出社。西見さんはこの光景を見て、今後リモートでできる仕事はリモートに完全に切り替わっていくと確信したそうです。そう確信してから、すぐにソニックガーデンに転職します。もともとソニックガーデンは元いた会社の一部署だったそうで、転属願を出したつもりが転職になってしまったそうです(笑)

ソニックガーデンは当時からいつでもリモートで働いていい会社だったそうですが、オフィスとリモートがあるとどうしてもリモートで働いているときに距離感を感じてしまうため、晴れの日はオフィスにいって雨の日はリモートワークといった使い方をしていたそうです。世間では雨の日にも頑張って出社するのが普通だった中で、雨の日のソニックガーデンのオフィスは閑散としているのはなんだか面白いですね。

オフィスとリモートがあると、リモートのときに距離感を感じてしまうのは現在でも感じられる課題だと思います。そこでソニックガーデンはリモートワーク側が疎外感を感じないために、オフィスをなくしてしまいます。本当の意味でのフルリモートワークが実現したわけですね。そして2020年、新型コロナウィルスの感染拡大によって多くの企業がリモートワークを導入しないと事業の継続が不可能になってしまいます。西見さんが2011年に感じた未来予測は当たってしまったということです。何度も何度もこれで収まるといいながら、ずるずると第7波になってしまいました。この先どうなっていくんでしょうか?

新しい働き方とは??

西見さんは「働く=成果を出すこと」と考えていらっしゃるそうです。つまり、「働き方=最大の成果を出すための手段」ということです。「今の状況・環境の中でより成果を出すためにはどのような働き方をするのがいいか」を考えていくのが自分の働き方を考えていくうえで大切で、働き方が目的になってしまわないようにすることが必要だというお話はとても考えさせられるものでした。

西見さんも中学時代のゲーム制作では、中学生で知らない人に会うのは危険だから、ネット越しの安全なチャットでの連絡を選択してパフォーマンスを向上させています。東日本大震災時の混乱の際には出社する・出社させることが目的になっている企業が多かったために働き方を変えることをせず、パフォーマンスが低下してしまいました。ソニックガーデンとしての考え方は、優秀なプログラマーのリソースはとても大切なため、通勤時間をなくしてコードを書く時間に充ててもらうほうが成果をあげることができるため、フルリモートの働き方を選択しているそうです。

これから働く大学生側に、新しい働き方が目的になってしまうような思考があると、自宅で勤務できるという部分だけに魅力を感じる就職希望者が増えることも考えられます。出社しているときと同様の仕事量が求められることを知らずに入社して、会社とのミスマッチが起こってしまうことも、新しい働き方が普及していくうえでの課題として挙げられているので新しい働き方を広める際にはこのことにも留意する必要があると感じました。       

西見さん流「個人が働き方を考えるうえでの指針」

西見さんが考えるパフォーマンスの公式はこのようになっています。


西見さん式パフォーマンスの公式

フィジカル、知恵、仕事力がかけ合わさることで成果につながるという考え方ですね。たしかに、どこかが0になると成果を出すことはできないのでその通りだと感じます。そのうえで西見さんは、どんなときに身体的なパフォーマンスが落ちるのかを理解すること、学び続けること、仕事力を磨いて人とのコラボレーションを可能にすることの3つを考え続けることが重要だと話されました。そして、そのためには「ふりかえり」が大切になります。


振り返りのやり方

まず、やったこと、起こったことや見えたものなどの事実や経験を書き出します。次に、その時の感情、いつも繰り返しているパターンやメンタルモデルからそれらを分析します。そして、パターンを変えるアクションやプロセスの改善を行うことで今後の行動をよくしていくことができるということですね。

①自分が成果をあげていた状況を振り返って、その状況がどのような構造から生まれていたのかを分析し言語化する

②それを現在の状況に適用するとどうなるか、適用できないならどのようなアレンジができるか考える

つまり、働き方とは会社から与えられるものではなく、①②のような自身への内省を通じて最もパフォーマンスを出せる状況を作り出し続けることであると考えていらっしゃるそうです。

お話を聞いた感想

西見さんは、今の仕事に満足されていて充実な生活を送ってらっしゃるのがとても伝わってきて、聞いていてワクワクしました。やる気がないときは寝ていらっしゃったり、お子さんと楽しく土地開拓をしたり、仕事以外の時間もこのようなイベントで話してくださって、とても親近感を覚えました。
これからの人生、いろんな経験をして振り返りをしながら自分がより幸せで充実した生活を送れるよう、セルフマネジメントしていこうと思いました。

実際にリモートワークを行っている方のお話を聞くのは、やはり新鮮な気持ちでいっぱいで、一般にリモートワーカーと言っても様々な方がいらっしゃるため、西見さん目線でのお話から学んだことや発見が多く、とてもわくわくした時間でした。個人的には、働くとは=成果を出すこと、という考え方が印象に残りました。私自身、収入を得るためや生きるためという考え方が多くを占めていたからです。プログラマーにとってリモートワークが1番成果を出しやすい働き方であるという様に、成果に注目して働き方を考えるという点が興味深く、新たな発見でした。また、これからの人生を歩んでいく中で、ふりかえりの重要性についても学ぶことが出来ました。

2011年の時点でリモートワークへの移行を自然なことだと考えていらっしゃった点や、ソニックガーデンのビジネスモデルのお話、オフィスがあるからリモートワークに対して距離感を感じてしまうというお話を聞いて、物事の本質から考えるから無駄なものや新しいことが見えてくるのではないかと考えながらお話を聞いていました。また、今後私たちが働き方について考える際に、成果を出しやすくするという考え方は忘れてはいけない考え方だと感じました。働き方は、自分の成果を最大化するための手段であるという視点を忘れず、新しい働き方で働くこと自体が目的にならないようにといった視点は今後持ち続けていこうと思いました。

西見さんご自身の「働く」ということについての定義づけが明確にあり、そのための効率的かつ個人を尊重する働き方の手段として「リモートワーク」があるというお話が、私の中でとても印象的でした。「フィジカル×知恵×仕事力=成果」の方程式や「タスクばらし」についても、非常にロジカルで、仕事を円滑に進めていくためには、オフィスの有無にかかわらず、自分を理解し他者とのコミュニケーションが非常に重要であることも改めて実感しました。また、今後は、物事を分析し言語化することに意識的に取り組んでいきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?