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テレワーク2年目に感じること

はじめに

こんにちは、ワーケーション研究部/matsuです。みなさん、新型コロナウイルスによって働き方はどのように変化しましたか?

仕事おいても、密を避ける対策が必要となり、特に緊急事態宣言下では多くの企業がテレワークを行いました。これを機にテレワークを導入した企業もあれば、宣言解除後は従来の出社体制へ戻ったという企業もあります。

テレワークについて話をした時の友人の言葉。

友人A:「(最初の緊急事態宣言の発令当時は)在宅勤務というか自宅待機。家じゃ何もできないから。今は以前と何も変わってないよ。」
友人B:「テレワークが進むと期待したんだけどなー・・・。もう、完全に元通り。電車も混んでるし。電車怖いけどしょうがない。」
友人C:うちは在宅勤務もできるみたいなんだけど・・・出社している人もいるから実際言いづらくて。子供もいるから大変だな。

友人Aはテレワーク制度はなく準備もまだできていない企業、友人Bはコロナ禍テレワークできるような環境を整えたが制度まで至っていない企業、友人Cはテレワーク制度はあるものの運用がされていない企業、でした。

テレワークという働き方自体は、コロナ以前から情報通信技術の進化により徐々に普及し始めていました。子育てや介護と仕事の両立の手段として、働き方改革の実現に向けて、取り組まれた企業様が多くいらっしゃると思います。

みなさんも感じておられるように、テレワークの活用は、コロナ禍に抱える問題の解決にもなります。現在、政府も企業のテレワークの推進をすべくポータルサイトを工夫したり、助成金制度を設けたりしています。

このコロナ禍の今は、働き方改革をする追い風が吹いている状況、とも言えます。

実際のところ、国土交通省の報道発表「令和2年度のテレワーク人口実態調査結果」によると、「テレワーク実施者の割合は昨年度から倍増」しているんだそうです。

雇用型就業者のうちテレワーク制度等に基づくテレワーカーの割合は、昨年度の9.8%から、19.7%と倍増。
(国土交通省 報道発表資料より)

働き方の自由度が尊重される時代背景もあり、そこにコロナが後押しとなり、これからどんどん新しい働き方を取り入れる企業が増えてくると思います。ワーケーションを考える前段階として、テレワークという働き方について、少し考えてみたいと思います。まず、私自身の経験をお話したいと思います。

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自宅テレワーク2年目 テレワークに思うことは?

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私の会社では、「コロナによる感染拡大防止のための対策」、そして「主力事業への影響」を背景に、テレワーク導入が加速しました。

「完全出社」 だったところから 「ほぼ在宅でのテレワーク」 を経験して、まる1年が経ちました。なお、テレワークの中でも「在宅勤務」という形態での勤務となります。

今現在思うこと・・・

・「働き方のひとつ」としてテレワークをどんどん推進すべき!
・テレワークの場所は「自宅」に限らずできることが望ましい

 このような考えに至るまでには、試行錯誤があり、時間とともに感じ方も変化していきました。今では、業務内容や状況によって、働き方のひとつとして、テレワークが選択できるような働き方が理想だと思っています。なぜなら、テレワークにもメリット・デメリットがあります。出社とテレワークを柔軟に選択できる体制ができれば、コロナ禍の活動にも、ご家庭の事情などの問題にも対応していける働き方が実現できると思います。

また、テレワーク=在宅勤務というイメージを持たれている方も多いと思います。しかし、テレワークとは「tele」 = 「離れた場所」と、「work」 =「働く」をあわせた造語であり、必ずしも場所は自宅に限られないのが基本概念です。自宅以外でも働けるよう、選択肢の範囲を広げて設定することも今後の働き方を考える上で重要です。

テレワークはやってみて初めて分かることも思いのほか多いです。特に在宅勤務初期は、テレワークによる業務の様々な変化へのストレスが大きかった・・・。少なからずみなさんぶつかる壁なのだと思います。業務量は変わらなかったのに、無駄な作業ややりとりが増え、「もう嫌だ。早く出社したい」と感じていました。具体的な体験談、お話ししていきます。

在宅勤務スタート!初期に感じた課題とは

在宅勤務がスタートして感じた課題は主に以下。

【在宅勤務 / 初期の課題】
 ・チームメンバーへ指示の出しづらさ・業務量の把握の難しさ
 ・チャットで五月雨にくる質問の嵐への対応
 ・仕事環境に同居家族がいることへのストレス
 ・パソコン作業に集中することが原因での頭痛や目まい

このような課題を、日々、ひとつずつ解決していきました。

「チームメンバーへ指示が出しづらさ・業務量の把握の難しさ」:以前はその場でコミュニケーションが取れたものが、互いに状況も見えず、誰が何をやっているかが見えにくくなりました。そのため必要を感じていませんでしたが、これを機にチームの案件の対応状況を視える化し、共有しました。Googleのスプレッドシート(他のユーザーと同時にオンライン上で共同作業ができるアプリ)を利用し、対応している案件の「メール件名(案件名)・依頼日時・担当者・対応状況」を入力するようにしました。これにより、未対応の依頼量や各自が対応している量も分かるようになりました。なお、業務量を把握したい理由は、負担が偏らないためであって、仕事をしているかどうかの管理をしたいわけでもなく、評価の基準にする前提ではありません。

そして最近では、同じくGoogleのツールで「Hangouts Chat」からビジネス向けに拡張された新しいアプリ「Google Chat」(メッセージングサービス)も活用しています。Google Chatでは、特定のメンバーでチャットルームを作成し、タスクの作成、割り当て、管理ができます。また、チャットルーム内にファイルを連携できるスペースもあり、大事な情報をすぐ取りに行くことができます。これらはGoogleドライブ・ドキュメント・ミート等とも連動しており、離れた場所で複数のチームで動く仕事の場合、このGoogle Chatを活用したコミュニケーションは非常に役立ちます。

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「チャットで五月雨にくる質問の嵐への対応」:チャット機能は一見便利のようで、仕事を止めてしまったり、効率が悪くなる原因になります。互いに気持ちよく仕事をするために、相手の状況を考える必要があります。相手の状況を理解する、という部分はオンラインで相互に予定の確認できる「Googleカレンダー」が活用できます。ミーティングや他のことができないような状況ではないか、まずはカレンダーで確認する癖をつけてもらいました。そして案外チャットでのやりとりは長引きます。私は、わりとすぐテレビ電話をするようになりました。他の仕事もしながら数時間チャットのやりとりを続けるより、10~15分ビデオ電話でショートミーティングしたほうが良い。顔が見れると相手の雰囲気も分かり、コミュニケーションも取れます!また、まだ業務に慣れていない人がいて、相手が希望した場合は、ビデオ電話(もしくは音声)を繋ぎっぱなしにし、オフィスで近くで仕事をするのと同じ環境を作ることを実践していた同僚もいます。

「仕事環境に同居家族がいることへのストレス」:家族構成や住居環境によって複数のパターンがありますが、同じ空間に家族がいることはストレスの原因になります。私の場合は、家族が同じ空間にいる時間帯がありました。部屋数はありますが、ほとんどが共有のスペースのような状態。ミーティング時や集中したい時は一人になりたいですよね。一方で家で休日を過ごしている家族に負担もかけたくない。実際にワークスペースを作ったり部屋のレイアウトを変えたりと工夫されてる方が多と思いますが、私はワークスペースをいくつか作りました。家族がいないときは、視界も開けて落ち着けるリビングで。昼食後、晴れた日は窓際のスタンディングのスペースで。太陽の光を感じると気分も明るくなり、座りっぱなし解消にもと思っています。そして、利用頻度が少ない倉庫のようになった部屋の机で。自宅の中でも試行錯誤しながら自分にあったスタイルを見つけるのがベストです。

「パソコン作業に集中することが原因での頭痛や目まい」:既にでてきた課題に紐づいた問題のため、同時に解決しました。チャットで五月雨にくる質問の嵐へ一生懸命に対応していたことで、パソコンの早打ちに集中しすぎたことが原因のひとつ。チャットが減ったことで解決しました。また、ワークスペースをいくつか作る、特に座りっぱなしをやめたことが特にプラスに作用しました。ストレッチをする時間を設けることや気分転換に立ち上がってコーヒーを淹れる時間を設けることも意識し、改善しています。

最後に、以上の4つの課題の解決策をまとめます。

【在宅勤務 / 初期の課題の解決方法】
 ・チームでの仕事/業務の視える化、アプリの活用
 ・共有できるカレンダー機能やビデオ電話の活用
 ・複数のワークスペースづくり
 ・ストレッチや立ち上がる時間を設ける

少しでも参考にしていただける部分があれば幸いです。そして、解決した課題もありますが、また別の課題が生まれました。仕事や状況が変われば、課題も変わっていくもの。10年以上オフィスに毎日出社していた私にとって、テレワークという働き方も、自宅で働くという環境も、まだ始まったばかりです。今後もどうやったら仕事がはかどるか、模索していきます。

テレワークはオフィス勤務と全く同じことはできない

テレワークでの課題と解決策、体験談をもとにお話ししましたが、自宅でのテレワークの課題は人それぞれだと思います。ひとつずつ紐解いて解決していくしかありません。仕事内容は変わらずとも、遠隔になることで違った仕事の進め方をする必要がでてきます。そして新しいやり方を取り入れることは、従来とは違った側面が見えてきます。面倒や手間を感じることがでてくるかもしれませんが、一方で、やり方の変化によって新しい発見やメリットが出てくることもあります。従来のものとは別ものだということを頭に入れ、自分のマインドややり方を変化させながら取り入れていくことが、ストレスを減らすコツかな、と思っています。

仕事のやり方とは別の部分でも在宅勤務ならではの出来事があります。例えば、在宅という特性上、ミーティング時に家族が映りこんでしまったり、宅急便などの訪問がある可能性があります。経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような時、みなさんどのように感じますか?良くないことだったと反省したりストレスに感じる方もおられると思います。もしくは逆に相手に同じ状況が起こった時は、こういうこともあるよね、とホッとすることもあるかもしれません。このようなことも理解し、かえって窮屈にならないよう双方の認識が必要だと思います。

企業によってはオフィスでの服装の自由化、就業中の飲食の自由化を進めた例もあります。以前では考えられなかったことも、一般的に普及していけば、普通のことになっていきます。

自宅でのテレワークという新しい働き方をうまく活用していくには、オフィス勤務とは違う側面受け入れて、自分の考え方ややり方も少しずつ変えながらやる必要があるのです。そしてそのような働き方が浸透して一般化されてくるものだ、と思います。

テレワークを勧めたい理由

さて、テレワークの課題にぶつかった話を先にしましたが、テレワークになってよかった点をお伝えしたいと思います!

【自宅でのテレワークしてよかった点
 ・密を避けることができる
 ・通勤時間がなくなった
 ・交通費や昼食代などコスト面で安くなった
 ・自宅の場合、体調が悪い場合も対応可能
 ・自由度の高い働き方ができる

「密を避けることができる」:コロナの感染拡大防止と経済の両立が目下の課題としてある今、国としても推進しているとおり、テレワークの一番の利点となっています。私たちとしても、満員電車に乗ったり、多くの人が集まる場所へ行くことで生まれる不安がなくなることは精神的にも大きなメリットです。

「通勤時間がなくなった」:みなさん、移動時間、どのくらいありますか?私はドアtoドアで約1時間でした。往復で2時間。乗り換えが2回あったため、集中して本を読んだりするには時間が足りないな、という感じでした。通勤があることで仕事モードに切り替わる方もいると聞いたことがありますが、テレワークになったらまた別の切り替えのためのルーティーンを作ればいい、と個人的には思います。移動の時間が減ったことで、時間的に余裕ができ、睡眠に充てたり、他のことに使う時間が増えました

「交通費や昼食代などコスト面で安くなった」:交通費は会社側のメリットですが、とても大きなコストなので、あげておきました。自宅でのテレワーク中、私は家で昼食を作って食べていますので、毎日外食していた頃に比べて食費が大幅に減りました。そして、昼食に関わる部分でもうひとつお伝えしたいメリットがあります。昼食1時間の使い方です。昼食を20~30分くらいで食べ終わるので、少し昼寝をして(しかも横になって!)チャージしています。昼寝は効率アップに効果があり、日本でも仮眠できる設備を取り入れている企業もあるようで、なんと海外では昼寝が主流な文化の国もあります。

「自宅の場合、体調が悪い場合も対応可能」:突然体調が悪くなること、ありませんか?もちろん、熱があったり休養が必要な場合はお休みする必要があります。ただ、少し横になれば治る、暖かくすれば和らぐ、もたれかかることができれば仕事はできる、など、場合によっては少しの工夫で楽に仕事ができる場合があります。特に女性の場合、生理痛による辛さを自宅であれば軽減できる可能性があり、その選択肢があることがありがたいと思います。

「自由度の高い働き方ができる」:オフィスに出社する以外、働く場所を選択できること、業務内容や自らの置かれた状況によって変えることができることは、私たちにとって非常にメリットのあることです。「働きやすい会社」という言葉には「風通しがよい」「福利厚生が整っている」など色々な要素が含まれますが、働き方が選べる=自由度の高い働き方ができることは、まさに働きやすいということです。ライフステージに合わせて、より良い環境で働き続けることができます。

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テレワークはいまの時代に合った、いまこそ一気に進めていくべき働き方だと思います。企業に属していれば、会社が制度を整えない限り個人で取り入れられるものではなく、制度があっても運用されていない場合もあるようです。緊急事態宣言の発令期間以外では、従来の働き方に戻る企業が多いようですが、コロナを機にテレワーク導入に踏み切る企業が増えていることも確かです。長時間労働の是正、有給休暇の義務化、育児休暇取得など・・働き方改革への取り組みが活発化している時代背景もあります。

コロナを乗り越えていくためにも、働き方改革が加速し、みなさんが安心して働ける世の中になればいいな。私自身も心も健康でありながら働き続けたい。そんなことを考えながら、新しい働き方とその可能性について模索していきます。