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働く環境を自分スタイルに整える。


ワーケーション研究部のY.Mです。
未来に向けた「変化する働き方のヒントを見つける場所」として皆さんと考え・つくり上げる場がほしいと思い、ワーケーションについて研究を進めています。

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最近【整う】という言葉を色々なシーンで聞きます。
「サウナで体感が整う」
「瞑想をして心を整える」
「心を整える朝掃除」
これらで一貫して感じる言葉の使い方が、物質的であったり視覚的に物が整うことではなく、最終的に「心が整う」といった内面的な変化を示しているのではないでしょうか。

2020年4月、初めての緊急事態宣言から私の勤め先では在宅ワークが始まりました。この働き方で求められたのは「仕事場を整える」こと。そして、整えることで気持ちよく働けるようなってきたと思うのですが、ここにワーケーションにつながるヒントがあったのでお話したいと思います。


ボーダーレスとなった労働と余暇

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私が新入社員の時なんかは「オン・オフを上手く切り替えるように」と言われましたが、この言葉が示すようにオン(仕事)・オフ(余暇)は相反するものとして考えられてきました。

私たちが日々考えている『Workation(ワーケーション)』は、Work(労働)×Vacation(休暇)を組み合わせた造語であることは、多くの人が知るようになりましたが、このオンオフ問題から考えると「休暇中に仕事するなんて社畜じゃん!ありえない!」なんて思う人も多いですよね。

当たり前のように言われてきた、この”仕事と余暇の関係”が在宅ワークを通して大きく変化しました。

さっきまで新規事業立ち上げの社内プレゼンをしていた卓上が、1時間後には家族団欒のディナーテーブルとなる。在宅ワークが強制的に進んだことで「家」というプライベート空間が突如として職場化したわけで、仕事とプライベートの境が曖昧になりました。
”通勤時間”という「オンオフを切り替える時間」もなくなり、仕事と余暇がボーダーレスになったのです。

外出自粛で外食するわけにもいかないので3食自炊。食材が無くなれば、太陽の光が気持ちいい昼間に川沿いを歩いて近所のスーパーへ。コロナの影響で健康に気を使って仕事前にヨガや瞑想なんて始めてみたりして。

ランチ時間という短い間でも、このボーダレスな労働環境で自由に仕事とプライベートを行き来しています。


仕事”も”快適にできる家へ整える。

ただ、慣れるまではボーダーレス環境に苦労したという人は私だけではないはず。大事なビデオ会議に家族が入りこんでしまったり、つい夜遅くまで仕事をしてしまったり、同僚とコミュニケーションが取りづらいと感じたり…

私は一番辛かったのは「肩こり」
慣れない環境下での長時間労働は、頭痛がするほどの肩こりが頻繁に発症しました。

そこで、まずはオフィス環境を整えました。
大学を卒業してから使っていなかった古いデスクを実家から引っ張り出して、リメイクシートで今のインテリアにも合うように一新。
「身体への投資だ」と思い、椅子は人間工学に基づいた良いオフィスチェア を奮発して購入。
ノートパソコンは目線が下がるので、Bluetoothのキーボードとマウスを購入して、パソコンは台に乗せる。

自分だけの、自分のためのお気に入りオフィスが完成!これが肩こりに効果的でした。何より、自宅オフィス環境が心地いい。仕事を始めるためにお気に入りの椅子に座るのが嬉しい毎日です。

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仕事をより快適な場所でするために。

それでも環境を改善するには限界があるんですよね。
正直、私の勤めている業界はコロナの影響が大打撃で減給もあり…ここ数年は昇給どころかボーナスさえ望めないし、この不安定な時代に快適な家に引っ越すなんて無理なんです。

そして、人間には「慣れ」という習性があるらしいです。
目新しかった環境も段々と「慣れ」が生じ始めるだけでなく、人間は「楽」な方法を見つけたらそっちの方へ惹かれてしまうという嫌な習性もある。

そこでやってみたのが「ワーケーション」
緊急事態宣言が終わったタイミングで、まず地元のホテルへ1泊。
選ぶポイントは「ちゃんとしたデスクとチェアがあること」
正直、仕事をしに行っているので、自宅環境よりも著しく環境が悪くなるところへワーケーション へ行く事は考えませんでした。

感想は、めちゃくちゃ楽しい、またやりたい。

15時チェックイン。まずは一仕事。
夜は、ホテル内で久々の外食。人に作ってもらった食事がまた美味しい。
自宅よりも広いバスタブでゆっくりした後、ふかふかのベットにいつもより早い時間に潜り込む。

仕事メインで滞在先ホテルは決めたものの、仕事と余暇のボーダレス化で合間々々に入ってくる余暇が豊かになるのです。ワーケーション先の空間には「慣れ」が無いからこそ、携帯から目を離す時間も増えて、ゆっくりと考え事をしたり、自分に耳を傾ける時間が出来ました。これが仕事での新しいアイディア出しに集中ができる点!プライベートでもゆっくりと自分の時間を楽しむことができ、双方でプラスに転じていると実感しました。

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(天気は悪かったのですが…開放的な窓側が全てテーブルになったホテルの客室はとても良かったです。)


なぜワーケーションが良かったのか。

冒頭で触れた「オンオフ問題」
休暇中に仕事をするなんて嫌!という考えをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、私がワーケーションをしたきっかけはあくまで「より良い労働環境を求めた結果」でした。そして、その先には「オンオフ充実」となったのです。

この「労働環境を自ら改善する行動」には人それぞれ目的があります。私の場合「新しいアイディアの創出する」ことが目的だったため「慣れからの脱出」が効果的でした。
ホテルという環境は、ゲストが快適に過ごせるようプロフェッショナルの方々が考え抜いた環境下です。ホテル滞在により日常の慌ただしさから離れることで、精神的に心が整い、落ち着いて考える時間を作ることができたのだと思います。

一言で「仕事」と言っても業務内容は様々です。今回の私の場合は、目的とその達成方法としてワーケーションが合っていたのだと感じました。
ワーケーション を導入する企業は「業務の効率化にはなるのか」といった話が出てくるのだと思いますが、ワーケーションはあくまで方法であり、大切なのは目的であると感じています。


次回は、長野県松本市へ行ってきたので体験したコワーキングスペースの話をしたいと思います。


Y.M.