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「なぜ?」を科学する


先日「行動心理学」の視点からヒューマンエラーを考えるという内容の講演を聴く機会がありました。行動心理学というのは「人の行動からその心理を読み解く」学問だそうな。よくある恋愛テク本とかの元ネタになってることも多いらしいです。私はその手の本を読んだことがないんですが、今までの経験から得た教訓と、講演の内容があまりにも合致していたことに驚いてやっぱ科学ってすげぇとなりましたのでここに残しておこうかと思います。ちょっと長いです。



人付き合い、こと恋愛において誰もが1度は経験したことがあるであろう「何で?」という気持ち。もちろん私にもそういうことがありました。この「何で?」にまつわる恋愛トークネタで結構多いかなと思うのが…


LINEの返事がこない


ですね。これほんとあるあるじゃないですか?明らかに脈ナシってわかってる場合は別として、脈なくはないはずor付き合っている状態でのLINEスルーに心乱されたことある人は少なくないはずです。そしてこの時のド定番の理由付けは


きっと忙しいんだ


ですよね。自分の場合もとりあえずはそう思ってたし、友達のことをそんなふうに慰めた経験、みなさんもあるんじゃないでしょうか。

まあ確かに忙しいときは誰にでもあるし、四六時中即レスされるのも逆に恐いなというのはあるんですが、LINEを見て返事するのってほんの数秒ですよね。すんごい深刻ネタ以外はとりあえずスタンプだけでも送ってりゃいい気もするけど、それすらない。


そして考えればこの状況ってそもそも

①読んだけど今忙しいからあとで返事しようと思っている

②読んだけどあえて返信していない

の2つの場合があると思うんですが、人はだいたい①を取ります。ものすごくナチュラルに①を想定します。そしてもう仕事終わってる時間なのに「何で?」まだ返事こないんだろう…と深みにはまっていくわけです。

なぜ②を想定しないのか。これこそ行動心理学で証明されている思考パターンだそうです。それは


人は見たいものだけを見る


ということ。人は何かを考えるとき「相手との関係性や過去の経験、今の状況等から総合的に判断して心象風景をつくり、それをもとに判断する」ということを無意識にやっているそうです。多すぎる情報、多すぎる選択肢を無意識に絞っているんでしょうかね。一見賢そうですが、このときに思い描いている心象風景が、現実に則したものではなく自分の見たい景色に脚色されてしまっているんだそうな。だから上記の場合、相手があえて返事をしないなんて考えたくもないしそもそも想定していないので、無意識に②の可能性をどんどん下げて①であると思い込んでいくわけですね。


私は過去に、2日前までものすごくラブラブな内容のLINEを送りあっていた人に突然ふられたことがあります。ふられた直後、それはそれは「何で?」の嵐だったわけですが、よくよくふりかえってみると私の心象風景も脚色されていました。痛い…

その人とは3か月ほどのお付き合いでしたが、思えば最初の1回以降、向こうから連絡がくることはほぼありませんでした。デートのお誘いも、好きだよのラリーも全部私から。でもスルーされたことはないし、いつも好きだよと返してくれていたので「自分からは連絡しない人なんだろうな」と思ってさらっと流していました。そして極め付はふられる3週間くらい前、「ちょっと仕事が忙しくなるからしばらくあえない」って言われたんです。遠距離ならまだしもお互い23区内、会えますよね普通。笑 今ならそう思えるけど、そのときの私が描いていた心象風景は1日中忙しく駆けずり回っている彼の姿だったのでしょう。オッケー!仕事頑張ってね!って素直に3週間待っちゃいました。かわいい。そして健気。そんなこんなで、やっと会えるね!楽しみ!って仲良く言いあった2日後にふられました。

今なら連絡来ない時点でまず私にそんな興味ないってわかるんだけどなぁ。「連絡しない主義」や「電車で20分の距離でも会えないほど忙しい」ってのも全部私の心象風景という名の希望的妄想だったんですよね…。当時はかなり頭に来たし傷ついたけど、今となれば気づけよって感じですね。なんか逆にごめんな…。でもこういうことが起こっちゃうんです人って。そういう脳の作りになってるんです。この失恋から得た私の学びはただ一つ


男は行動だけを見よ


です。そしてこの言葉が先日の講演の中にもありました。講師の先生曰くヒューマンエラーを防ぐためには「耳をふさいで行動だけを見よ」が鉄則だそうです。純粋に行動だけに着目し、なぜその行動をとったのかの理由を科学的に検証して対策を立てることでヒューマンエラーはかなり減らせるそうです。


「何で?」はエラーのサイン


相手の行動に「?」が生まれたとき、それは自分の思い込みをただすいい機会なのかもしれませんね。







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