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伊藤潤二の”富江”的世界

世田谷文学館の「伊藤潤二」展に行ってきました。


 伊藤潤二さんのことは詳しくは知りませんが、解説によると、
歯科技工士をしていたころ、ホラー漫画誌「月刊ハロウィン」に投稿して、『富江』での「楳図賞」を受賞してデビューしたそうです。


 『富江』というのは、圧倒的な美貌と傲慢な性格で男たちをとりこにし、彼らに殺してでも自分のものしたいという欲望を抱かせるが、なんど殺されても生き返るらしいです。

 『富江』は世界中の読者をとりこにして、30カ国以上の国で出版され、世界で最も権威のある漫画賞であるアイズナー賞も受賞しているそうです。
 このほかにも、うずまきの呪いに囚われた黒渦町を舞台に人間がとぐろを巻いたりする怪奇現象を描いたた、「うずまき」などもありました。
 会場の最後に、ブースがあって自分の顔をうずまきにしてくれるというのでやってみました。


 また、辻占いの少年や人殺しの気球、血の実がなる「血玉樹」、悪魔に魅入られた「溶解教室」など怖い絵がいっぱいあるのですが、会場には個性的な若い女性がたくさん来ているのです。

 伊藤潤二さんは若いころ、少女向けホラー漫画に夢中になり、いつしか自分でも描くようになったというので、ある意味若い女性が大勢くるのは当然なのかもしれませんがちょっと不思議な気がしました。

 きっと、恐いけど見たい、という感じで若い女性はとても楽しそうに見ているのです。

 日本では神はいたるところに宿るという汎神論的世界観が支配的ですから、薄気味悪さや恐さ、怪奇とは宇宙や生命、人間などの不思議さ、不可思議さと、ある意味では生命のと尊さと表裏一体であると考えれば妙に納得できるような気がします。
 
 むしろ、一神教であるよりも多神教の方が安心できるかもしれません。旧約聖書には、同一民族内で「汝、殺すことなかれ!」とされていますが、異民族に対しては殺戮が許されるとの記述があるようです。

 伊藤潤二さんの漫画が世界から愛されていることはやはりすごいことです。引き続き、日常にひそむ怪奇、美しさと醜さの世界を描いていってほしいものです。

 


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