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あなたの家にぴったりの断熱材を選ぶ方法

みなさんこんにちは!
北陸での家づくり満足度を120%にするための研究所、ウッドリンク・ラボです。

さて今日は家の外の熱を遮断する材料、断熱材の選び方についてお話します。

この記事の内容は動画でも紹介しています。よければご覧ください。


夏涼しく、冬暖かい家にするために、断熱材は必要不可欠です。あなたの暮らしに合った断熱材を選ぶことで、1年中快適に過ごすことができます。
しかし、ひとくちに断熱材と言っても種類や性能は様々で、結局どれが一番いいのかわからないという方は多いと思います。せっかく家を建てるなら、性能が良くて、長持ちする断熱材を選びたいですよね。


今回の記事を読んでいただくと、あなたにとって最適な断熱材の選び方が分かります!また、長年の研究結果から導き出した、北陸の気候風土に最適な断熱材もご紹介します。

断熱材は素材の特徴によって「繊維系」「発泡プラスチック系」にわけられます。今回は代表的な6つをご紹介します。

1.燃えにくいグラスウール

図4 グラスウール

こちらはグラスウールです。原料がガラス繊維のため、燃えにくく吸音性能が高いのが特徴です。

しかしグラスウールはきちんと施工されないと性能を100%発揮することができません。グラスウールは、このようにきちんと隙間なく施工されている場合、断熱性能を100%発揮します。ですが、どんなに丁寧に施工されていても細かい隙間ができる可能性があります。

図5 グラスウールの施工

また、筋かいという耐震の木材やコンセントBOXのところで押しつぶされて、必要な厚みが施工できない箇所が必ず出てきます。比較的安価で多くの住宅に使用されていますが、施工する「人」によって断熱性能にムラができやすいのが弱点です。さらに湿気を吸いやすいため、きちんと対策をしないと湿気を吸った重みでずり落ちてしまったり、カビが発生したりというリスクもあります。

2.環境に優しいロックウール

図7 ロックウール

こちらはロックウールです。グラスウールと形状・施工方法が似ていますが、こちらは鉱物を繊維状にしています。燃えにくく、シロアリの被害を受けにくいのが特徴です。またリサイクルが可能なので、環境にも優しい断熱材です。しかしグラスウール同様、完璧に施工するのは難しいですし、重みによってずり落ちやすいです。そのため断熱性能が長続きしないという点ではあまりオススメできません。

3.シロアリ予防!セルロースファイバー

図9 セルロースファイバー

こちらはセルロースファイバーです。新聞古紙を原料としており、環境に優しい断熱材です。セルロースファイバーは湿気を吸ったり吐いたりするので、壁の中での結露が起きにくいのが最大のメリットです。またホウ酸を含んでいて、防虫作用もあるので、シロアリ対策という点でも安心できます。
しかし専門業者が工事をするため価格が高く、コストパフォーマンスという点では、あまり良くないと言えます。さらに、こちらもしっかり施工されないと、重みで押しつぶされて、上部で隙間が空いたりしてしまいます。

4.気密性アップ!吹付硬質ウレタンフォーム

続いて発泡プラスチック系の断熱材です。

図12 ウレタンフォーム


こちらは吹付硬質ウレタンフォームです。現場で壁に吹きつけると、「もこもこ」と泡が膨らんで固まります。壁に直接吹き付けることで高い気密性が得られます。また強度が高く衝撃に強いのも特徴です。一方で施工面に弱点がありま

この断熱材は吹き付けてから膨らむので、壁の厚みからはみ出すことがあります。はみ出した余分な部分は現場でカットされます。するとスポンジのような湿気を通しやすい層が表面に現れ、壁の中の見えない部分で結露やカビが発生してしまう可能性があります。

5.湿気を防ぐ ポリスチレンフォーム

図15 ポリスチレンフォーム

こちらはポリスチレンフォームです。ポリスチレン樹脂を原料としています。ボード状なので切断がしやすく施工性が高いです。また防湿性も高いので結露やカビのリスクは低いです。
しかし熱に弱く、炎を当てると黒い煙を上げながら溶けてしまいます。その際に一酸化炭素などの有害なガスを出すため、万が一火事が起きた時の事を考えるとリスクが高いと言えます。また、このあとご紹介するフェノールフォームと比べて、性能面でやや劣ります。

6.圧倒的性能を誇る フェノールフォーム

図17 フェノールフォーム

こちらはフェノールフォームです。こちらもボード状ですが、フェノール樹種が原料となっています。ウッドリンク・ラボでの研究の結果、北陸の家にはこのフェノールフォームが一番適しているということがわかりました。その理由をご紹介します。

まず断熱性能の高さです。実はフライパンの取っ手や飛行機の機体にもフェノール樹脂が使われていて、高い断熱性を持っています。今までご紹介した他の断熱材と比べても、その性能は圧倒的です。熱の伝わりやすさを数値化すると、このようになります。

図18 熱伝導率比較


この数値が小さいほど熱が伝わりにくい、つまり断熱性能が高いということを示しています。フェノールフォームの高い断熱性能があれば、北陸の過酷な気象条件でも一年中快適に過ごすことができます。

また、フェノールフォームは湿気を通しにくい断熱材です。試しにフェノールフォームを水槽に入れてみたところ、1週間経っても浮いたままでした。

図20 水槽

湿度の高さが日本一にもなる富山県や北陸では、いかに湿気を壁の中に入れないかが重要になってきます。湿気を通さない断熱材を使えば、壁の中で、結露やカビが発生せず、湿気が好きなシロアリをシャットアウトできます。また木材腐朽も防げるので、結果として長持ちする家を作ることができます。

さらにフェノールフォームは、性能が長続きします。極端な言い方ですが、どんな断熱材を選んでも家を建ててしばらくの間は快適に過ごせます。しかし多くの方はご存知ないと思いますが、断熱材は時間の経過と共に少しずつ劣化していきます。新築の時は暖かくても、2、3年経つともう寒いということも実際に起きています。新築時の暖かさを長く保つためにも、劣化のスピードは無視できないポイントです。フェノールフォームはこの劣化のしにくさという点でも非常に優れています。

図23 グラフ


こちらは断熱材の経年劣化のグラフです。約3年経過した時点での劣化の度合いを見ても、フェノールフォームは劣化がかなり少なく、劣化のスピードも非常に緩やかです。つまり、フェノールフォームの家は新築時の快適さが長続きするということです。

これだけいいことばかりだと、何か欠点はないのかと思いますよね。フェノールフォームは本当に性能が良いので、性能面でのデメリットは見当たりません。強いて言うなら他の断熱材に比べて少し価格が高めです。ですが圧倒的な性能で、快適な暮らしが長続きすることを考えると、長いスパンではむしろお釣りが来るぐらいお得です。

以上の理由から、北陸で家を建てる際にはフェノールフォームを使うことをオススメします。もちろん、北陸以外の地域でも、高性能な断熱材を使えば快適さが長続きしますので、ぜひ検討してみてください。

まとめ

繊維系と発泡プラスチック系の6種類の断熱材についてお話しました。高性能で性能が長続きするフェノールフォームを選べば、過酷な気候条件の北陸でも1年中快適に暮らすことができます。


フェノールフォームが北陸の家に最適な理由は、
1、 高い断熱性で夏も冬も快適に過ごせる。
フライパンの取っ手や飛行機の機体にも使われる高い断熱性で、北陸の過酷な気象条件でも一年中快適に暮らせます。

2、 日本一湿気が高い北陸でも、結露やカビを発生させない。
湿気を壁の中に入れないので、壁の中の結露やカビ、木材腐朽のリスクを防ぎます!

3、 劣化しにくく断熱性能が長持ち。
劣化しにくくそのスピードも遅いので、新築時の快適さがいつまでも続きます!

一生に一度と言われる大きな買い物であり、一大イベントである家づくり。
デザイン性や防災性だけでなく、日々の暮らしが豊かになる快適な家づくりをお勧めします!

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