マガジンのカバー画像

むかし書いた韓国コラム 食べ物編

208
「むかし書いた韓国コラム」から食べ物に関するものをピックアップしてみました。
運営しているクリエイター

記事一覧

むかし書いた韓国コラム #999

 飲食店での食事の際に出てくるパンチャン(おかず)。2~3皿しか出ない店も多く、5皿以上並ぶと感激の声が出たりもする。地方に行くと少量ながらも10種類近くの皿が並ぶ。実は好き嫌いの多い当方には少々心苦しかった。ほとんど手を付けられず、下げられたパンチャンは処分されるだけだからだ。「パンチャンはセルフサービスで」というお店はむしろありがたかった。食べられないものは取らなければよいから無駄にならない。  しかし最近は心を入れ替え、出されたパンチャンは極力食べるようにしている。た

むかし書いた韓国コラム #996

 韓国の農協では国産農産物の愛用運動のスローガンとして「身土不二」を掲げている。そのためか韓国では国産品を好む人が多いように思える。中国産食品の衛生問題や、海外でのBSE騒ぎも国産品志向に拍車をかけているようだ。同じ農産物でも中国産と韓国産なら韓国産を選びたいという消費者が多い。  しかし水を差すようで申し訳ないが、日本人から見た場合には中国産も韓国産も日本産にはかなわない。科学的根拠などではなく、自国のものをありがたがり、安心するのは自然な感情だろうか。とはいえ韓国での生

むかし書いた韓国コラム #987

 韓国を代表する即席めんの「辛ラーメン」は日本でも手頃な価格で入手可能だ。しかし韓国風にこれを調理して出す韓国料理店では数百円から1000円近い値段がつくという。調理の手間賃に玉子とネギの値段を足したとしても、韓国での小売価格を考えると強気な設定だ。韓国事情を知らない日本人ならその値段でもいいのかもしれないが、韓国での生活を経験した日本人には理解しがたい。「それでも飲んだ後につい食べたくなっちゃうんだよね。払えない値段じゃないし、本場の味に変わりはないからさ」とは韓国駐在経験

むかし書いた韓国コラム #983

 即席めんの動向ばかり追っていたが、最近はスナック菓子でも新しい味が相次いで登場しているようだ。最近のトレンドは韓国風の味だ。製菓大手のオリオンが出しているポテトチップには、焼きのり味、ヤンニョムチキン味、キムチチゲ味が登場した。ヘテ製菓からはごま油味、食品大手の農心からチャンポン味とチャジャンミョン味のポテトチップが出た。農心はいずれも自社の人気即席めんとのコラボだ。  日本ではわさび醤油味や梅しそ味、明太子味などの和風の味などがあるが、韓国ではこれまで韓国風の味の展開は

むかし書いた韓国コラム #978

 フルーツの風味を加えた焼酎が人気を呼んでいるが、焼酎業界にまた新たな新製品が登場する。宝海醸造が2日に発売する「ブラザー#ソーダ」で、焼酎に炭酸を加えソーダ味に仕立てたもの。アルコール度は3度だ。また、フルーツ風味焼酎が通常の焼酎と同様のグリーンのガラス瓶を使っているのに対し、「ブラザー#ソーダ」は750ミリリットル入りペットボトル容器での販売となる。同じく焼酎メーカーの舞鶴も9月中旬に炭酸焼酎製品を発売する予定で、フルーツ風味焼酎に続き炭酸焼酎でも激しい争いが起きそうだ。

むかし書いた韓国コラム #970

 フルーツ味の焼酎が人気だが、実はフルーツ味焼酎のカロリーは酒類では最も高いらしい。韓国消費者院が焼酎、ビール、リキュールなど市販の酒類25種類を分析したところ、フルーツ味焼酎などリキュールは348.9キロカロリー、焼酎が343.4キロカロリー、その他酒類が187キロカロリー、ビールが140キロカロリーとなった。ごはん1杯のカロリーが272キロカロリーである点を考慮すると、リキュールや焼酎は1本飲んだだけでごはんの1.3倍のカロリーを摂取することになる。チーズバーガーは平均3

むかし書いた韓国コラム #969

 日本ではごはんをかき混ぜて食べるのはマナー違反とされる。そのため韓国料理のビビンバを食べるときはなにかタブーを犯しているのではないかという居心地の悪さを感じたもの。混ぜずに食べるようなことはしなかったが、混ぜ具合が足りないと思われたのか、店のおばちゃんにスプーンを奪われしっかりと混ぜられたこともある。  時にビビンバを食べると、同じビビンバなのに「オレの混ぜたビビンバはうまいぞ」などという御仁がいる。とりあえず3分間一心不乱に黙って混ぜろ、混ぜるときも力を入れすぎてはだめ

むかし書いた韓国コラム #964

 市販のマッコリはだいたい750ミリリットル入りのボトルに入っている。焼酎やビールは小容量の製品があるのに、マッコリに限っては750ミリ入りが主流で、小型の製品はなかった。そこに目を付けたのがロッテスーパーで、18日から300ミリ入りのボトルを販売するという。1人で750ミリは多いが、300ミリなら手頃に楽しめる。2本買っても600ミリなので飲みたい量に合わせて買うことができる。  ついでに飲食店でももう少し小さいサイズを用意してほしい。「小」を頼んでも甕にいっぱい入ってる

むかし書いた韓国コラム #961

 韓国の中華料理屋で食べる餃子は焼き餃子ではなく揚げ餃子が主流。冷凍食品の餃子も揚げることを前提にしており、焼いて食べてもいまいち日本のラーメン屋で食べる餃子のようにはならない。  一計を案じてスーパーで買ってきたのは冷凍のムルマンドゥ(水餃子)。丸形ではなく日本の餃子を小振りにしたタイプがよい。本来はゆでるものだが、油を敷いたフライパンに並べて焼くことにした。強火にして水を入れふたをして蒸し焼きに。しばらくしてからふたを開ければ焼き餃子のできあがり。蒸し焼きの水に片栗粉を

むかし書いた韓国コラム #941

 秋夕も過ぎてやや肌寒くなってきた。コングクスもそろそろ食べ納めだが、これからの季節に温かいコングクスなんてないものだろうか。お店で聞けば多分笑われるだろうが、今年は大手食品メーカーから即席のコングクスが発売された。家にある在庫でチャレンジしてみた。  作り方は簡単。粉末スープを水ではなくお湯で溶くだけだ。水で溶くとさらさらなスープだが、意外なことにお湯で溶くと粘度が高まりどろっとしたスープになる。ちょっと失敗したかとも思ったが、構わず調理を続ける。ゆで上がっためんを入れれ

むかし書いた韓国コラム #933

 白いスープから汁なしめん、太めん、チャジャンミョン、チャンポンと目まぐるしく移りゆく即席めんのトレンド。いまは「プデチゲ」がトレンドになる兆しを見せている。業界最大手の農心はこのほど「プデチゲミョン」を発売した。同社はもともとプデチゲ風味の「チゲミョン」を販売していたが、5年ほど前に生産を終了している。今回は同製品をリニューアルして再発売したもので、ハムとチーズを入れコクを出した牛骨スープが絶品だそうだ。  一方、ライバルのオトゥギは「プデチゲラーメン」で真っ向勝負をかけ

むかし書いた韓国コラム #925

 同じ食材でありながら意外な使われ方をするケースがある。日本では見かけないと思ったのはロッテが発売しているトウモロコシアイスのモナカだ。日本の感覚だと違和感があるが、韓国では実は結構なロングセラー。恐る恐る食べてみたが、コーンの粒も入っていてトウモロコシのほのかな甘さが感じられ意外においしかった。東南アジアではかき氷の具にスイートコーンが入っていることも珍しくない。トウモロコシのスイーツ化に眉をひそめるのは日本人だけだろうか。  かき氷といえば韓国のかき氷は具だくさんでうれ

むかし書いた韓国コラム #922

 登場と同時に爆発的な人気を呼んだ農心の「辛ラーメンブラック」。話題になっているので食べてみたいと思ったものの、人気ゆえに品薄状態で、近所の店では入手できなかった。そうこうしているうちにわずか4カ月で生産が中止されることになってしまった。人気が下火になってから買おうと思って忘れていたが、このまま食べずに終わってしまいそうだ。  一方、最近人気の即席めんは韓国ヤクルトが販売する「ココミョン」だ。コメディアンのイ・ギョンギュがテレビ番組で紹介したものが商品化されたもの。「辛ラー

むかし書いた韓国コラム #918

 韓国のカレーは黄色いものと相場が決まっていた。だから日本に帰ると真っ先にカレー屋に駆け込んだものだった。ところがこの数年で韓国のカレー事情もだいぶ変わった。日本からいくつものカレーショップが進出しているほか、日本で修行したというマスターがいる個人店も増えている。いまや日本風のカレーは簡単に食べられるメニューになった。  日本だと黄色いカレーは一定年齢以上の人には郷愁を感じさせる味だ。韓国製の黄色いカレーのレトルトを日本の実家に持っていったところ、両親は「懐かしい味がする」