天野 大輝

天野 大輝

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【🔍調べてみたら】なぜ「器」が将軍の“権威の象徴”になったのか?(後編)

 政治学を勉強する前に読むべき本BEST3に入るものに、『人殺しの花:政治空間における象徴的コミュニケーションの不透明性』がある。この本は、戦中期において“桜の花”が「生きることと死ぬこと」という両義的な意味合いを持つことに着目する。そのパラドキシカルな不和(=矛盾)が残るままに、桜の花が“美の象徴”として、そして“善い生き方”を示すコミュニケーションの手段として用いられたことを、象徴というワードをとことん分析しながら解明していくという一大プロジェクトだった。  長くなったが

    • 【🔍調べてみたら】なぜ「器」が将軍の“権威の象徴”になったのか?(前編)

       1ヵ月ほど前、瀬戸焼のまねき猫を買った。  “祭”という、あまり似つかわしくないワードを背負ったそのまねき猫は、すべて手作りで顔が描かれているという。  そのせいか、色々な表情のまねき猫があったが、漫面の笑みを浮かべつつ、しかしながらひと際眉間にしわの寄っている個体を選んだ。  それは、松下幸之助のこの言葉をいつでも思い出せるようにだ。  瀬戸焼は非常に古くから作られており、その製法は平安時代から現代まで脈々と受け継がれてきた。  他の焼き物、肥前焼や信楽焼などの各地の焼

      • 最善のプレゼントとは…?について考えていたら西野カナ先生が解を導き出してくれていた。

        イントロダクション:最善のプレゼントとは…?  年が明けた。本年もどうぞよろしくお願いいたします。  2023年の末、クリスマス前、錦通りを車で走っていると、助手席に座る友だちから不意に聞かれた。  友人A 「いつからクリスマス楽しめなくなった?」  問いに少し戸惑いつつ、「高校で最後かな」と答えた。その友だちも同じだった。  ・・・。  ・・・。 ・・・。  もちろんそもそも、クリスマスという行事が楽しくないわけではない。でも、たしかに高校生の時の、無邪気に

        • 自分自身に嘘をつかないこと

           高校時代、当時やりたいことが見つかっていなかった自分にとって、「総合入試」という入試方式を採用している北海道大学は、甚だ魅力的に感じられていた。パンフレットを見流すなかで、前身である「札幌農学校」の初代教頭を務めたクラーク博士の言葉が不意に目に留まった。  大志か。。。志。。。  当時、志と言われてもさっぱりだった。  自分はいま、会計事務所子会社で、経営計画・事業計画の作成に携わっている。特に経営計画では、経営者の志が“中期ビジョン”として語られることが多い。  事業

        【🔍調べてみたら】なぜ「器」が将軍の“権威の象徴”になったのか?(後編)