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恐縮ですが育児中! 〈16〉 年中行事


日本の美しい伝統
を守るためにも、決まった行事というものは、きちんと執り行わなくてはならぬ!

取り戻せ日本!


 ── とかそういった国粋主義的な義務感には全く無縁の我が家ですが、いわゆる年中行事は割とマメに行う方だと思います。

お正月はスーパーで買ってきた安物の鏡餅を飾り、「日本人たるもの、正月はお屠蘇と決まっておる!」と朝から酒を呑む。

桜の季節になれば「 日本人たるもの、春は花見と決まっておる!」と敷物を広げて昼間っから熱燗をキメる。

ハロウィンには「日本人たるもの、えーと……ドリンクorツイート……だっけ?」などと錯乱しながらワインを飲る。

クリスマスには「聖夜じゃあ!今夜ばかりは国籍など関係なし!無礼講で主も酒らしゅしゅしゅ!」などとわけのわからない事を叫びつつシャンパンを開ける

あの……それって行事というか、 酒を呑んでいるだけじゃないの? と訊かれたならハイそうですと答えるほかありませんが、一応は「子どもに四季折々の思い出を残す」という大義名分があるのです。

育児生活とは、平坦な戦場

経験者には同意していただけると思いますが、乳児期など、朝から晩まで哺乳食事の用意オムツの処理……と、ほぼ同じ事を毎日、延々と繰り返すわけです。

この「終わり無き日常」に、四季折々の行事という「祭り」によって何かしら変化をつけたいと願う親の心の叫びを、誰が責められましょう。

何であれ行事やイベントを待ちわびる念の強さ業の深さは、盆正月の休みやお伊勢参りというレジャーを指折り数えて楽しみにしていた江戸時代の奉公人に、勝るとも劣りません。(江戸時代を見てきたわけではありませんが)

何のことはない、口では「子どものため」と言いながら、実は自分がハメを外したいだけだったりするんですよね。

もちろん保育園・幼稚園・学校などに通うようになれば、そこの主催行事にも自ずと参加する事になるわけですが。それ以前の「無所属・新人」の期間は、自ら何であれイベント的なものを開催するほかありません。

近年は、クリスマスの時期に郊外のベッドタウンなどを歩いていると、玄関や庭先などを「何のお店ですかーッ!」とツッコミたくなるぐらい過剰にデコレーションした一軒家があったりします。

ああいった「家デコ」を見かけるたびに、「ああ、この家もまた "子どものため" と言い訳しながら、延々と続く日常への閉塞感を、こんな束の間のイベントで打破しようとしているのだな。うん……うん……。わかるわかる……。」と決めつけて、謎の連帯感を抱いてしまうのです。

心情まで決めつけて、勝手に仲間にしてしまって、

いやはや全く恐縮です。


明和電機ジャーナル 第19期 第5号 (2012年1月15日発行) 所収, に加筆訂正


ちなみに、サンタクロースについての息子氏の見解 はこちらに書きました。



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