【毎週ショートショートnote】クリスマスカラス
ある探偵社。
「次のニュースです。昨夜、相次いで強盗傷害事件が起こりました。被害者はバーレルのようなもので頭を殴打され、身につけた宝石を盗まれ…」
『バールではなく?面白い』
退屈していた私はソファから起き上がった。
調べてみると、凶器は被害者の頭部の傷と付着した油分からの推測とか。
私は宝石を身につけ、毛皮のコートに身を包み、現場周辺を歩くことに。
囮捜査だ。
すると、前方にフライドチキンの販売車が。
「チキンはいかがですか?」
黒髪で前髪の長い青年だ。
次の瞬間、青年は持っていたバーレルを振り上げた。
急いで、私は毛皮のコートを脱ぐ。
「グワー!」
コートの下に、鳥よけの目玉をペイントしといて助かった。
『でたな。クリスマスカラス』
カラスに変化し、飛び去ろうとする怪人に私はしがみついた。
盗まれた宝石を巣から取り返し、私が戻ってきた頃には、すべての罪がなかったように街は白く染まっていた。
(400字)
【副題】バーレルのようなもの
今週もギリギリとなりましたが、参加させていただきました。いつもありがとうございます!
さて、今週は12月のメインイベントでもあるクリスマスお題です。
先週、少しばかりフライング気味に「サンタクロース」を登場させてしまったので、「さて、どうしたものか?」と考えていました。
そんな時に、フォロワーさんがおすすめされていた立川志の輔師匠の落語『バールのようなもの』から着想をいただき、クリスマスのようなチキンと絡めた結果、このようなお話となりました。
どうか楽しんで読んでいただけますように!
落語『バールのようなもの』の構成やことば選びやたたみかける話術にも圧倒されて、とても笑える演目なのでもし気になりましたらぜひ!
今年も残りあと2週間となりましたが(早っ!って毎年いってる!)、来年は
・ショートショート集(長めの)を制作する
・文学フリマに出店して、作品を届ける
・新しいショートショートのアルバムを制作する
この辺りを目標に、日々創作活動に励んでいこうと思います。毎週ショートショートnote投稿も継続していければなと。
もちろん、年内も最後まで作品作りに励みたいと思います。
あと、年内に映画『SLAM DUNK』を観る!
だいぶ寒くなってまいりました。皆様もお体には充分にお気をつけてお過ごしを。
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