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400字ショートショート

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400字のショートショートまとめです。 400字という限られた字数内で、ワクワクする物語、ことばのリズム、ことば遊びを織りまぜた体感できる読書体験を目指しています。 どうか楽しん…
運営しているクリエイター

#音楽

クリエイターフェスでフェス!

クリエイターフェスでフェスをしよう! 10.1〜10.31まで、noteで開催されるクリエイターフェ…

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ことば遊びとショートショート44『タイムミシン』

 妻の運転する車に乗る夫。 「なぁ、下から変な音がきこえないか?」 「この車は、タイムミ…

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ことば遊びとショートショート43『Soretender』

 肌と髭のラブストーリー。  僕は毛穴を通り、その肌と出会った。  感情のない髭剃り。剃…

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ことば遊びとショートショート42『グラスホッパー』

 クリスタルの草原に風が吹く。  涼しげな音色。 「お待ち下さい~」 『捕まえてみぃ』 …

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ことば遊びとショートショート41『オーユ ヌードルズ ラブ』

 運命の3分間。  彼女はカップ麺を持ち、天井を見ていた。フーフーして、天井に具が飛んだ…

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ことば遊びとショートショート40『ハートワーカー』

 おや、あんた新入りだね?  よっしゃ、現場を案内してやろう。  皆、良い顔して働いてい…

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ことば遊びとショートショート39『ストーリーミング』

 眠い目を擦り暗闇を歩いていると、炎の揺らぎが見えた。 「やぁ、旅の方」  焚火の側には羽根冠を被った老人。インディアンのようだ。 「私は潜在意識の住眠、潜住眠のレム。さぁ、今宵も物語を話そう」  語られた物語はどれも現実離れしていた。歩く給油所、麺の街、人を癒す戦闘機。 『あなたが考えたんですか?よくこんなにネタが降ってくる』  作家志望の僕は尋ねた。 「物語のネタは降ってくるのではなく、そのタネは自分の中に眠っていて、何かの拍子に芽を出す」  炎の中で薪が

ことば遊びとショートショート38『炎交』

 最初はただの火遊びだった。  年上のライターの火村とはマッチングアプリで知り合った。体…

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ことば遊びとショートショート37『銭湯機』

 部屋でうとうとしていた私は飛行機の音を聴いた。  窓を開けると、機体の煙突から煙を吐く…

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ことば遊びとショートショート36『クリーンクリーン』

 ある日、ダチと二人で語り合ったのさ♪ 「もう汚いな、この部屋。北も南もわからんな」  …

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ことば遊びとショートショート35『去際ポタージュ』

 こちらは連続窃盗事件の捜査報告書です。  一連の犯行は、スープを啜る音も立てず、スープ…

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ことば遊びとショートショート34『メトロナポリタン』

 パスターミナルに降り立つと、湯気と活気で溢れていた。  ここは夢追い人が集まる大都市ス…

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ことば遊びとショートショート33『ガソリンスタンドバイミー』

 あれは十二歳の夏。  長い線路を僕は歩いていた。  この先に【したい】があると親が教え…

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ことば遊びとショートショート32『サヤ遠藤』

 サヤ遠藤は激怒した。  給食の時間のことだった。  煮物のサヤエンドウをクラス全員が残したのだ。  これは宣戦布告だった。  サヤ遠藤は人間とエンドウのハーフだ。転校生であり、肌は緑色だ。  それが理由なのかはわからない。  上履きにグリーンピースを入れられたり、机に『畑違い』と落書きもされた。体育のソフトボールではビーンボールを投げられた。 「薄っぺらい奴」  と罵られると、 『若さの証よ』  と反論した。  ある日、新たな転校生がやってきた。