ことば遊びとショートショート39『ストーリーミング』
眠い目を擦り暗闇を歩いていると、炎の揺らぎが見えた。
「やぁ、旅の方」
焚火の側には羽根冠を被った老人。インディアンのようだ。
「私は潜在意識の住眠、潜住眠のレム。さぁ、今宵も物語を話そう」
語られた物語はどれも現実離れしていた。歩く給油所、麺の街、人を癒す戦闘機。
『あなたが考えたんですか?よくこんなにネタが降ってくる』
作家志望の僕は尋ねた。
「物語のネタは降ってくるのではなく、そのタネは自分の中に眠っていて、何かの拍子に芽を出す」
炎の中で薪が