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Life Cinematic 2004-2010

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2004年から2010年にかけて書いていた映画エッセイをnoteにお引越し。 不定期更新。時間があるときにまとめて載せていきます。
運営しているクリエイター

#家族

鯨のすき焼き-家族の風景-

我が家では、すき焼きといえば、鯨肉のそれを指した。 中学に上がる頃まで、私は牛肉のすき焼…

田中優子
1年前
3

銀座の夜と彼岸花-岸辺のふたり-

高校野球を最高潮にして、この暑い夏もようやく落ち着きを取り戻した。 少しばかり過ごしやす…

田中優子
1年前

嫁にゆく-秋刀魚の味-

いまどき「お嫁にゆく」なんていう表現は古めかしすぎるかもしれない。 結婚は当人同士の問題…

田中優子
1年前

Tomorrow is another day-風と共に去りぬ-

私には弟が2人いるが、父方と母方に2人ずつのいとこもいる。 彼らはみんな私より年下なので、…

田中優子
3年前

1カットの魔法-エイプリルの七面鳥-

ただ一つのカットで、「あ」という具合に心を奪い去ってしまう映画というのがある。 その瞬間…

田中優子
3年前
5

おばあちゃんとエス-白い犬とワルツを-

先月のことになるけれど、今年も祖母に敬老の日の贈り物をした。 銀座へ出かけ、目抜き通りの…

田中優子
3年前
4

58の手習い-Shall We ダンス?-

父からメールが来た。 「明日からNOVAに行きます。がんばります」 そもそもメールを始めたのが、こないだの土曜日。 母から電話があって、父のアドレスにメールを送るように言われる。 受話器を受け取った父が言うには、自分の携帯にメール機能がないと母から吹き込まれていたのが、できることが分かったので、「メールを練習する」ことにしたらしい。 だいたい母親はめんどくさがって、当初「その携帯はメールなんかできない」と言ったに違いない。 できるなんて言ったが最後、父に使い方を教えろと

騙されたと思って-タイタニック-

「騙されたと思って」って、変な言葉だ。 人を説得するときに使うものだと思うけれど、騙され…

田中優子
3年前
5

今できること-The Living Years-

誕生日をさておいてでも、忘れてはならない日がある。 母の日と父の日。それから敬老の日。 …

田中優子
3年前
2

総論として幸せ-風になりたい-

一週間、相当に忙しい日々が続いて、ブログの更新がままならなかった。 最近、仕事でのプレッ…

田中優子
3年前
3

三つ子の魂-シカゴ-

久しぶりに会った両親に、旅行の間じゅう、「太った」と言われ続けた。 口の悪い親なので、滅…

田中優子
3年前
5

母の家出-アルプスの少女ハイジ-

普段あまり私から電話しないので、着信が家族のものであるときはいつも、一瞬ドキッとする。 …

田中優子
3年前
6

ひいおばあちゃんの思い出-むごう風のひど吹くね-

うちのひいおばあちゃんが96才で大往生したとき、私は19才だった。 仮面浪人生で実家を離れて…

田中優子
3年前
2

年賀ランチ-恋のトルティーヤ・スープ-

うちの父親はうるさい。 お正月、GW、お盆の帰省、父の日、母の日、敬老の日のプレゼント、そういったものを堂々と要求する。 それには彼なりの言い分があるのだが、その説明はまた別の機会にするとして、その要求に従って、私の中では毎年、年収の1%を両親に還元する、という決め事をしている。(それが多いか少ないかの判断は人によるだろうけど) というわけで、この年末年始の帰省の際、家族に食事を驕ることになった。 元々は母親が「お父さんにお年玉あげよ」というので、さすがにまだ現役バリバリで