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Life Cinematic 2004-2010

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2004年から2010年にかけて書いていた映画エッセイをnoteにお引越し。 不定期更新。時間があるときにまとめて載せていきます。
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#旅行記

旅先での相談事-最後の恋のはじめ方-

「一秒ごとに表情が変わるね」 まじまじと顔を覗き込みながら言う。 だったら、その一秒ごと…

田中優子
3年前
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奈良散策-リトル・ブッダ-

奈良を訪れたのは3回目のことだ。 小学校の修学旅行が初めてのときで、それから5年ほど前だっ…

田中優子
3年前
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ツァツラル、ホーミー、サエンバイノウ-らくだの涙-

ウランバートルの駅は、首都にあるまじき閑散とした趣きだった。 数日ごとに訪れる国際列車を…

田中優子
3年前
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シベリア鉄道の夜明け-ラストエンペラー-

北京駅発シベリア鉄道の、その先の話。 この北京駅へたどり着く前には、こういう船旅やこうい…

田中優子
3年前
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始まりと終わり-菊次郎の夏-

中国へ渡る船旅の終着は、天津港。 陸に着くと入境審査と税関があって、彼らが一言たりとも英…

田中優子
3年前
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大陸が見えたとき-八十日間世界一周-

オフィスに立ち寄った際、少し前の記事にも書いた「以前に一度だけお会いしたことのあるうちの…

田中優子
3年前
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一つの部屋-神様のボート-

ふくらはぎが痛い。 普段ほとんど歩かない生活なので、ちょっと長い距離を歩くとすぐ筋肉痛。 日頃の運動不足を、激しく反省。 ヒールを脱いで、フラットなサンダルを履く休日。 繰り返し打ち寄せて引いていく、波の音。 果てしなくマイペースな父と母との旅は、こちらもマイペースを決め込むに限る。 下手に合わせようとせずに、一々干渉しない、好き勝手な旅の楽しみ方をする。 うちの親子は全員B型。 ちなみに、弟二人も。 子供の頃、私が一番好きだった時間は、土曜日の夜。 夕食の後、両親と

ありふれたことの幸せ-ローマの休日-

明日からお楽しみ、GW。 今年は結構長い連休がとれた。 6日は出社だし、休み中の宿題になる仕…

田中優子
3年前
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新婚旅行の鉄則-ジャスト・マリッジ-

その巨大な建築物はいかにも見晴らしの良い爽やかな場所に立っていて、ギリシア人たちがなぜこ…

田中優子
3年前
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アグリジェントにつくまで-西の魔女が死んだ-

Hotel Baglio Conca D'oroを発ったのは、Natale(イタリア語でクリスマス)の朝だった。 朝食…

田中優子
3年前
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シチリアの結婚式-ゴッドファーザー-

モンレアーレは、盆地の肌にはりつくように築かれた、小ぢんまりとした田舎町である。 この町…

田中優子
3年前
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マンジャーレ!-シェフとギャルソン、リストランテの夜-

午前中の散歩から帰って、キーボードを叩いた。 もう少し経ったらランチに行こう。 今日は街に…

田中優子
3年前
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含み笑いを介して-あのころ-

ここ数日、パレルモは冴えない天気が続いていたが、今日は朝からすこぶる機嫌のいい空の色だ。…

田中優子
3年前
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サバ読む年頃-25年目のキス-

どこのどんな街に行っても、必ず出くわすのが校外学習中の子どもたちだ。 数えると16カ国になったが、過去に行ったあらゆる国のあらゆる街で、この類の一行に出くわした。 今回もご多分に漏れず、である。 パレルモの旧市街に雄然と構えるカテドラルで、私は、この建築物にまつわる「歴史的説明」をガイドブックの記述に求めようとしていた。 音のよく響く、遥か高い天井の下で、さきほどから金切り声さえ混じった賑やかさを示すのは、やんちゃざかりの小学生たちである。 3、4年生くらいだろうか。 どう