マガジンのカバー画像

Life Cinematic 2004-2010

275
2004年から2010年にかけて書いていた映画エッセイをnoteにお引越し。 不定期更新。時間があるときにまとめて載せていきます。
運営しているクリエイター

#映画

夢の間-さくらん-

どんなときでも笑顔を絶やさないというのは、長所だ。 でも、もしも、その笑顔には何もこもっ…

田中優子
1日前
4

Dive into-海を飛ぶ夢-

最初は遠くから眺めていただけだったけど、何人かの友人が飛び込むのを見ているうち、私もやっ…

田中優子
1日前
2

太陽と光合成-深呼吸の必要-

クリスピークリームドーナツの行列に並ぶなんて、自分ひとりでだったら、絶対にありえない。 …

田中優子
1日前
3

ずっと昔の話-グラン・ブルー-

梅雨の合間の陽射しは攻撃的だ。 分厚い雨雲に阻まれる鬱憤を、ここぞとばかり晴らそうとする…

田中優子
3か月前
3

落語の魅力-寝ずの番-

最近、落語にはまっている。 昨年の薪能、歌舞伎に大相撲という古典芸能熱がそのまま派生した…

田中優子
3か月前
1

9年の平等-カレンダー・ガールズ-

「美容院で髪を切るとき、いつもなんて言ってる?」 という友人の質問があまりに的を射ている…

田中優子
1年前

理想的な一日-ボンボン-

床暖房に寝そべってレシピ本などめくっていたら、うとうとと夢の世界に迷い込んだ。 ふと気づくと、約束の15時までほんの10分前。 あわてて起きて支度して、15時ちょうどに家を出た。 神楽坂上の交差点。 道路をはさんだ場所から相手を見つけたのは、私の方が先だった。 友だちは、何か音楽を聴きながら待っていた。 彼に会うのはいつもちょっと照れる。 私にとって男性は、異性を感じる人か感じない人かで大きく二分され、その違いはあまりに歴然としている。 だから、いつでも自分の態度に迷うこ

揺さぶり-WIZ/OUT-

10年ほど前は何かというと足を運んでいた気がするけれど、最近は、映画を観るときくらいしか渋…

田中優子
1年前
4

銀座の夜と彼岸花-岸辺のふたり-

高校野球を最高潮にして、この暑い夏もようやく落ち着きを取り戻した。 少しばかり過ごしやす…

田中優子
2年前

くされ縁-ハンニバル-

平日午後7時半から8時頃にかけて、銀座8丁目界隈は夢みたいな空気に包まれる。 蝶のように美し…

田中優子
2年前

富士山と愚問-もののけ姫-

「なぜ山に登るのか」と問われ、登山家ジョージ・マロリーが「そこに山があるからだ」と答えた…

田中優子
2年前
3

一期一会-おまけつき新婚生活-

考えてみれば、これまではいつも、若くてこざっぱりした人ばかりだった。 一貫していたのは、…

田中優子
2年前
1

視界の限り-約束の旅路-

気分のとどまりを、淀みのように思うのは、近頃のよくない傾向だ。 よくない傾向だが、それに…

田中優子
2年前

息吹の約束-卒業-

今年は桜の開花が早いらしい。 折からの暖冬のせい。 卒業式に桜が咲くというのは錯覚で、桜が咲くのは通常、入学式の頃だ。 昨年より一週間ほど早い今年の桜でさえ、満開を迎えるのは4月の頭。 今年の桜が楽しみで、三寒四温の透明な空を見上げる。 どんな桜、どんな新しい季節。 硬い殻がほろほろとこぼれ、新しい何かが姿を現す。 それが、春という季節。 果たされる、息吹の約束。 「卒業」という有名な映画がある。 40年も昔の映画だ。 ダスティン・ホフマンが大学生の役をやっている。