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自然とともにあることは強い、と感じた春

こんにちは、岐阜の恵那市というところにUターンして半農半webで暮らしているあやみです。

今日は緊急事態宣言が出た4月から、それが明ける5月末までのコロナ禍における田舎の人々のメンタリティーについて、私が感じたことを備忘録として残しておきたいと思います。

我が家は岐阜県の恵那市・笠置町というところにございます。

ここ恵那市はコロナとは全然関係ないか…というとそうでもなく、感染者は数人出ましたし、近所の市ではそれなりにクラスターが発生していたりして、私自身は赤子がいることもあり、スーパーマーケット以外はほとんど家から出ていない状況でした。

日本では致死率の低い新型コロナウイルスでしたが、国によっては猛威を振るっていることもあり、実際に遺伝子研究ではヨーロッパ型の新型コロナウイルスも日本に入ってきているということもわかっていたので、あまり軽く見てはいけないな、とは思っていました。
引用 新型コロナウイルス ビッグデータで闘うhttps://www.nhk.or.jp/special/plus/articles/20200520/index.html

(ちなみに4月に予定していたオンラインサロンの「人生逃げ切りサロン」の合宿も、延期になりました。
苦渋の決断でしたが、お世話になっているサロンのイベントでクラスター発生をさせるのは避けたかったので、もう少し落ち着いてから開催することになりました。)

影響はそれなりに、なかなかに

ふつうに、未知のウイルスですから、致死率だの感染率だの理論ぬきにして怖いです。

それに、わたしのやっている通販サイトにも影響が出ました。

輸入物販なので、ヨーロッパからの輸入が止まった時期がありました。
1か月間、ストップしました。その後も輸入の流れはかなり遅かったです。

ヨーロッパからの返事も遅い。
ここで目先の利益を考えて「いや~全然輸入は普通だよ。納期問題ないよ」とウソを言って購入していただくと、あとで大変なことになってしまいます。誠実に対応するために、正直にトップページなどに「かなり遅れています、それでもOKな方だけご購入ください」という旨を赤字で書きました。
当然、お客さんはどんどん離脱します。
こちらもどうなるか分からないので、あえてずっとアラート情報をサイトに出して、購入者を減らしました。

これは2か月店を閉めたと同じような状況でした。

当然売り上げはだだ下がりです。

普段の半分以下。毎年売り上げは上がり続けていたので、この数字は久しぶりに見た数字でした(笑)。

そして、保育園は休園。我が家は5歳児(現在6歳)と0歳児がいるのですが、5歳児の長男くんだけ保育園に行っています。この子が2ヶ月超、家にいることになりました。ほったらかしにできる年齢でもないので、夫と二人で交代で散歩したりして長男と遊びました。

仕事は少なくなってましたが、それでも、
「コロナ明けのことを考えていろいろと準備をしたいし。これからお客さんの流入が減るから、集客をどうにかしないと。」

そんな焦りもありました。

でも、私の心はなぜか、余裕でした。

ほんとうに、楽観的でした。コロナは怖いけど、その先の未来の経済的なこととか、社会が混乱しないかとか、そういったことについては、余裕だったんです。

理由としては、シンプルで、自然が周りに多いからです。

周りは山と川だらけなので、いつでも一歩外に出れば自然です。
子供の遊び場に困ることはありません。
川で日向ぼっこをしたり、山の切株の上でおままごとをしたり、だれもいない場所で開放的に遊んでいました。

外に出てもいいから、気持ち的に余裕が生まれて、不安がなかったのかと言うと、それも大きいですが、さらにもうひとつ。

自然・季節は移り変わっていく、というのを直に感じた

田舎の、自然の中にいると、否応なしに季節が移り変わっていくのを感じますし、今年、コロナを機にうちは米作りをはじめました。
田舎暮らしは↓こんなかんじで動画で発信してます。

米作りは、近所の人も全員しています。コロナなんてなんのその、代掻きの日が来たら代掻きをせねばならん。田植えシーズンになれば田植えせねばならん。ということで、近所のみんな田んぼに出て悠々と仕事をしています。

毎年変わらない景色です。

そして毎年のように玄関にやってくるツバメさん。
我が家ではツバメのために支えの板を玄関に取り付けてあるので、毎年必ずやってきます。

今年も当たり前にツバメは来ました。

お茶刈りも、今年は涼しかったので収量はどうかなーと思いつつ、お茶の芽はわさわさ生えて、お茶刈りを終えることができました。

コロナで不安になっているのは、人間だけだ。
自然はいつもと同じく、進んでいる。
春風も吹いている。

そんな感じで、自粛期間は仕事が少なくなったのをいいことに、よもぎを摘んだり農作業にいそしんだり子供と散歩したりして、人生の春休み期間としてゆったりと過ごしました。(5月はちょっと忙しかったですが)

田舎の人は割とみんな同じことを思ってたみたい

私のSNSのつながりは、やはり地元の方が多いです。

Facebookをみていると、田舎の人には私と同じことを思っていた人が多いようで、

「今年も変わらず春が来た。定植の季節だ。」

とか、

「コロナを期に、食生活について改めて考えさせられ、うちでも畑をすることにした。自然と触れ合っていると、なにも変わっていないことに気づく」

とか、「自然はただそこにあるだけで、猛威をふるっているわけではない」という当たり前のことに気が付くのです。

田舎には庭があるので、バーベキューやDIYをして過ごす人も多く、かくいうわたしも自粛期間中3-4回くらい楽しくバーベキューをしました。

子供たちも、そのへんの竹を取ってきて、ティピーテントとかテーブルを自作してたりとか。面白かったです。

ここぞとばかりに田舎暮らしを謳歌しているんですよね。楽しそうでした。

都会のようすはもちろん実際に行って感じていないのでわかりませんが、ぜひみなさん教えてください!

家にこもっていたら、自然に行きたくなった、という声がよく聞かれましたし
お野菜のお取り寄せをするというライフスタイルが一気に浸透した感はあります。
都会のひとも自然を自分の体内に感じたのかもしれませんね。

自然の中へ還れ、という養老先生

私は生まれも育ちも山の中なので、都会で暮らしていた時は、都会の環境に対して違和感しかありませんでした。

「山が遠いよう。空が暗いよう。田んぼが無いよう。」と智恵子抄の智恵子のように山を思って泣いていました。

人間のすべてに自然が必要だ。

私はそう信じていましたが、都会には「自然はいらない」と胸を張って言う人たちもいたので、この考えは私が山生まれだからなのだろうか?とも思っていました。

が、コロナ禍において著名人たちが口をそろえて言うには、「自然回帰」だと。

この養老先生のインタビューでは、私がずっと信じてきたことが、学者先生の言葉を通じてとても明快に語られています。

つまりは、人間も自然の一部なのだから、たまには自然を感じないと、いろいろが狂ってしまう。ということでした。

そらそうだ。

人間も間違いなく自然だし、動物である。

私は2人子供を産みましたが、女は妊娠出産を経ると、人間が動物であるということに抗うことはできないと悟るといいますか、

スッと受け入れるようになるのです。

神の手を信じざるを得ない、妊娠出産のメカニズムの美しさ。
人間であることを忘れ、母になっていくということ。
(母熊が人を襲いたくなる気持ちがわかるようになる。
ツバメの親がせっせと餌をひなに運ぶのにシンパシーを感じる。)

まぎれもなく大いなる自然が自分の中にあるのです。

現代において、人間は自然の一部であることを忘れがちだ。
だから、たまには自然に還ろうじゃないか、というのが養老先生の意見です。

翻って、田舎の人のメンタリティーについてです。

田舎の人は、自然がいつも違っていて、移ろいやすいというのは常々わかっています。

うちには上水道が引いていなくて山の上の水源に頼っていますが(そんな家がこのへんには多い。びっくりでしょう)日照りが続くと水が少なくなる。
冬場も水が少なくなる。使いすぎるとタンクが空になってしまう。そんなことが起こります。

でも、しょうがないじゃないか。自然から借りているものだもの。

そんな精神です。

農業も、そんなことだらけ。雨が降らないから、収量が低い。でも、自然任せだから、ある程度はしょうがない。(そこを安定させるのが腕の見せ所でもあるのだろうけど)

水が少ない!太陽を訴えろ!なんてことにはならないわけで。

受け入れるしかないのです。

このコロナも、いろいろ意見はあると思いますが、大きく言うと自然な流れなのでしょう。

だから、しょうがない。起こってしまったことは、もうしょうがない。自然の流れに任せるしかない。

自然の流れに身を任せる、ワークショップをやりたいな

コロナ自粛中の想い出はたくさんあるのですが、雑感としてはこんな感じです。

20世紀前半にヨーロッパで自然回帰運動がおこったように、日本でもそういう流れが起こらないかな~と思っている今日この頃です。

みんながみんな田舎に住む必要はまったくありませんが、たまに来て自分の中の自然と、外部の自然のチャネルを合わせておくってことは、みんなに必要なのかなと思ってます。

例えば、焚火を知らない人や知ってる人と、みんなで見る。無言で見る。

その感想を、みんなで言い合う。受け止め合う。

それだけで、人生って変わったりします。

こないだ書いたみたいに、多様性を認め合うような機会にもなるんじゃないかと思っています。


そんなわけで、今年からはそういったことができる場づくりを、我が家でどんどんしていきたいなと。
いままでうちの野菜を使って菜食ヨガ合宿とか、庭でビブリオバトルとか、庭で映画鑑賞会とか、キムチ漬ける会とか、いろいろやってたんですが、ここ最近はECビジネスに集中するためにそういったことはいったんストップしていました。

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でも、そろそろECのほうも軌道に乗ったし、2人目も歩き始めたし、そろそろ動き出そうかなと。

またいろいろ庭を使ってイベントやる人になりたいと思います。ぜひみなさん参加してくださいね。



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