笑ってはいけない場面で読んではいけない
価値観を揺さぶられたり、物事を深く考えさせられたり、知見の広がる読書や映画は大好き。書きたいも読みたいも溢れかえっているのに、なかなか時間が追いつかない日々。
でも、目まぐるしい日々の中で、油断するとついつい眉間に皺が寄っちゃいそうになることもしばしば。世の中のニュースなんて深刻の嵐。
だからこそ、敢えてな〜んも考えずに読めるものも、それはそれで好き。
ということで新年一発目は、ぼや〜っと読めるけど静かな公共の場でひとりで読むのは決してオススメできない本とコンテンツ(?)をご紹介。といっても、どちらも有名だと思うので今更!?って思う人はどうぞスルーして頂いて。
ちなみに私は、どちらも「笑っちゃうから気をつけて」という触れ込みを知りつつ敢えて静かな公共の場でひとりで読むというチャレンジングなことを試みたところ、、、
ぶふっ(噴き出す)→ぐっえへんっ(不自然な咳払い)→げほっげほげほっ(不自然な咳払いをさらに隠すための咳も不自然になり、不審者感的にもご時世的にもアウト)
というように案の定敢えなく撃沈したという、チョロい人間です。
では心してどうぞ。
1. 『時をかけるゆとり』- 著者:朝井リョウさん
これは、「本当に『正欲』を書いた人と同じ人が書いたの!?」というレビューを随所で見かけたのだけれど、私も全くもって同じ感想を持たざるを得ない一冊でした。
もう10年近く前に書かれた本で、著者の朝井さんがまだ大学在学中のエピソードをまとめたエッセイなんだけれども、最初から最後まで、本気で読者を笑かせようとしている意図がガシガシと伝わってくる。真面目な小説でも存分に表現されている、時には技巧的とも言える独特の例えもふんだんに使われていて、朝井氏の著作体験2冊目にしてなるほどこれが彼の本分か、なーんてちょっと上から目線で耐え抜いてやろうと臨んでみたものの。。。
…撃沈!!
特に、おかんのエピソードの件でもう間違いなく不審者決定になりそうだったので、慌てて閉じて必死で意識を周囲の景色に向ける始末でした。恐るべし、作家。チョロいぜ、私。悔しい。
ちなみに関連のnoteはこちら。
2.福井県立図書館ホームページ 『覚え違いタイトル集』
その名の通り、福井県の県立図書館の公式ホームページ。なのですが。
図書館のカウンターで司書さんが受けた本の問い合わせのうち、覚え違いで似て非なるタイトルに、物によっては原形すら留めないぐらい変わっていった本たちと、司書さんたちのプロ根性に震撼するスマートな回答一覧が載っているのです。
左側に、実際にあった覚え違いの問い合わせ内容。右側に、司書さんが「これじゃね?」と颯爽と提示した回答。
これ、数個読んでん〜別に?と思ったとしても、何となく進んでいくと…たぶん大抵の人はそれぞれにツボる何かがある。はず。
このホームページは久々に見たので新顔が多かったけれど、例えばパッと見て私がツボったものは。。。
誤:「少女よ、同志を撃て」→正:『同志少女よ、敵を撃て』
いや惜しいけど!同志撃っちゃダメだから!!
誤:「100万回死んだワニ」→正:『100日後に死ぬワニ』
誤:「崖っぷちのニモ」→正:『崖の上のポニョ』
気持ちはすごくわかる…!けどなんか混ざってる…!
誤:「普通のまま発狂したい」→正:『平熱のまま、この世界に熱狂したい』
誤:「家康、家を建てる」→正:『家康、江戸を建てる』
…笑笑笑笑笑!!!
これ、ちょっと見ないうちにものすごいバックナンバーが増えていて、どうやら永遠に楽しめるようですね。しかも、ちゃんとした県立の公立図書館で、全年齢層の利用者さんが真面目な顔して質問してきて、司書さんは笑いを噛み殺しながら淡々と一緒に調べて回答してるんだろうか、とか想像するだけでシュールで笑える…。
どうでしょうか。私は特に、図書館の方は相当ツボるページでした。
皆様の笑門来福の一助に少しでもなれれば幸いです。
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