『木曜日にはココアを』金曜日にはカレーを
わたし、疲れているのでしょうか。前回に引き続き、「すごくほっこりする!」というレビューに溢れる本を読んでしまいました(ええやん)。
今回のは、どこの本屋さんでもまだまだ面陳列(表示がドーンと見える向きに置いてあるやつ)が目立つ、大変ベストセラーっぽいベストセラー。だって寒いしほっこりしたいし、最近のベストセラーはどんなのかなとも思いまして。
『木曜日にはココアを』- 著者: 青山美智子さん
いつ誰に言われたかも思い出せないけど、「ずっと海原にいるため曜日感覚を忘れないよう、海上自衛隊の方々は金曜日に必ずカレーを食べている」という実しやかな噂を思い出します。ということはもしや、この本に出て来る人は陸上か航空自衛隊員なのだろうか。(違)
レビューを知っても知らずとも
手に取ってすぐ、本の薄さの割に章がかなり多いことに気付きます。それぞれの章の最初のページは少し紙色の濃い印刷になっているので、どこが章始め・終わりか、意識しなくてもすぐ分かるからです。
読んでみると、この本はどうやら短編集なのだけど、1章1章が予想以上に短いことに驚き。そして2〜3章まで読んだだけで誰でも「あー!なるほどそういう感じね!」と、この本の「お約束」が分かっちゃう。「安心感」も分かっちゃう。あ、良い意味で。これはきっと、「敢えて」だ!
ほっこりするしかない
明らかに均等なそれぞれの章の厚み、1話ずつ1人ずつ視座転換していく感じ、誰かの何かがほかの知ってる誰かにも、全く知らない誰かにも繋がっていく感じ。
文体からしても展開からしても、絶対に平和な読後感になるであろう、いや、なります!!なるから!!いいから安心しろ!!という感じがビジビシ伝わってきて、アンパンマンや水戸黄門を観るような安心感とお約束感で読み進めていく。こういうのもいいじゃない、だって疲れてるんだもん。
小説だと分かっているから、いやそこうまく繋がりすぎでしょ〜!まとまりすぎでしょ〜!とツッコミ出したら野暮だなと思いつつ、この敢えての計算し尽くされた「出来過ぎ」感が逆に清々しい。(注※褒めてます)
案外、事実は小説より奇なりかも
現実って、何十億もの人が存在していて、各々が日々何かを考えたり行動したりして生きてるわけで。それこそ人間には誰にも、この世に存在する全ての偶然に気付くことはできない。
でも、誰にも気付かれずに誰かの何かがふとした時に他に繋がって、幸せや元気を生み出してる可能性、無限大だよなと思います。
この本の登場人物みたいなスピリチュアルな話ではないけれど、住んでる国も言葉も違うのに、それでも私とあの子はソウルメイトだな、って言い合える友達は私にもいます。そういう出会いも、やっぱり誰かの何かに繋がった偶然から生まれたんだよなぁ。
風が吹けば桶屋が何とやら、ポジティブな意味合いでそういう人生の「あれっ!」を楽しんでみようかな、と、最後にココア飲んだのって何年前かなぁと思いながらほっこりしてみました。
…ちなみにググってみると、理由はともかく「海上自衛隊では金曜日にはカレー」はどうやら本当らしい。マジか。
今日の夕飯どうしようかな…もうカレーかな笑。
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