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【尿もれ③】どんな人が“腹圧性尿失禁”になりやすい?

こんにちは!
尿もれ担当のさっちゃんです🌼

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今回のテーマ 
【どんな人が腹圧性尿失禁になりやすいか】

今回は、前回の記事の内容を掘り下げて、
女性の人生イベント・年齢ごとに分けて、腹圧性尿失禁が発症しやすいのはどんな人なのか
お話ししていきたいと思います🌼

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前回の記事でもお話したように、
腹圧性性尿失禁は

・骨盤底筋群の力が弱くなること
・出産
・加齢
・閉経後の女性ホルモンの低下
・肥満や便秘
・骨盤内の手術
などが原因として引き起こされるとされています。

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🌼妊娠中の発症

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妊娠中は子宮が大きくなるため、妊娠中という長い期間をかけて、
骨盤底筋群は緩み続けます。
そのため、妊娠中でも腹圧性尿失禁を発症しやすくなります。

特に、赤ちゃんの成長と共に羊水が最大量となり、子宮の重量が増える妊娠8ヶ月頃に発症する事が多いです。
また、日常生活において、
重い物を持つ、長時間のしゃがみこみ、いきむ、など
過度に腹圧のかかる動作を繰り返す事でも骨盤底筋群が痛んでしまい、
発症する可能性を高めてしまいます。
(※腹圧については前回の記事を参考にしてください!)

妊娠中は、赤ちゃんが急激に大きくなる妊娠6ヶ月より前に
体調に気をつけながら骨盤底筋群の筋力トレーニングをすると良いです🌼


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🌼出産後

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出産後、腹圧性尿失禁を発症する可能性が高くなる事として、
・妊娠前・中に腹圧性尿失禁の経験がある
・出産時に骨盤底筋群に負荷のかかる産科医療を受けた
(例:吸引、会陰切開など)
・出産後の生活の仕方
が挙げられます。

特に、自分で意識して改善していける点も含め、出産後の生活の仕方が重要となります。
布団に横になっている生活から、少しずつ生活をいつものように動き始める産後3週間後頃を床上げと言います。
産後から床上げまではしっかりと身体を休める事が大切ですが、この期間が十分に取れず、産後の安静が保てない事で、自分自身の身体の回復が十分にできず、骨盤底筋群を痛める事にも繋がります。

また、出産後、すぐに腹帯を使用する事も注意したい点の1つです。
骨盤底筋群が1番緩んでいる時期に、さらしでキツく締め付ける事で
圧力がかかりすぎてしまい、骨盤底筋群をさらに痛みつけてしまう原因にもなります。

出産後は十分に骨盤底筋群を保護し、回復していく必要があります。
そのため、産後の生活の仕方の見直しや体重のコントロールなどを含め
長期的な予防を続けて行く必要があります。

ちなみに!
妊娠前後・妊娠中の腹圧性尿失禁の発症率としては

妊娠中:49.3%
妊娠直後:28.4%
妊娠前:3.7%

と妊娠中が一番多くなっています🤰

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🌼では妊娠時期以外は?

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腹圧性尿失禁は、出産・加齢・肥満で発症する可能性が高まるとされていますが、
出産経験のない若年女性の12〜30%近くが腹圧性尿失禁を発症するそうです!
若年女性の場合、発症の主な原因は骨盤底筋群の筋力低下とされています。
そのため、骨盤底筋群の筋力トレーニングで効果が出やすいです!

また妊娠時期に腹圧性失禁を発症した場合でも、
出産後に一時的に症状が改善する例もあります。
しかし、更年期以降の女性ホルモンの影響で腹圧性尿失禁を再発する可能性は高まります。

中高年女性においては、加齢に伴い
女性ホルモンの“エストロゲン”が減少し、
さらに全身の筋力低下、活動量が低下する事によって
尿失禁の症状が重症化しやすいと言われています。

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🌼腹圧性尿失禁が女性の人生に与える影響

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尿失禁を他の人に相談しない理由として多いものが、
・そのうち治ると考えている
・人に知られたくない
・恥ずかしい
などの意見が多いそうです。

腹圧性尿失禁は、生命に直結するものではありません。
しかし、尿失禁がある事で
・臭いが気になる
・外出先で尿失禁しないか心配になる、心配して活動的になれない
など、心理的・社会的負担となり生活の質に深刻な影響を与えます。

また、腹圧性尿失禁と関連して、骨盤底筋群の筋力が落ちる事によって
“骨盤臓器脱”という病気を発症する可能性もあります。
骨盤内に収まる子宮・直腸・膀胱が膣の方から出てきてしまい、
尿や便の出が悪くなるなど排泄に関わる症状が出てきます。

これらを踏まえると、
どんな世代の女性でも将来的な生活を考えると、
骨盤底筋群の筋力が落ちないようケアして行くことが重要と考えられます!
そのため、それぞれ身体の状態に合わせた
骨盤底筋群のトレーニングを行なって行く事が大切だと考えられます🌼

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ここまでご覧いただきありがとうございます😊
いかがでしたか?

次回は
どんな世代の女性にも必要!骨盤底筋群のセルフトレーニングについて
お話ししていきたいと思います🌼
お楽しみに…🌼

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ご質問やこんな事が知りたい!等リクエストがある方
どんどんコメントよろしくお願いします!

参考文献
1) 河内美江,出産後3年以内の女性の尿失禁と出産との関連性―尿失禁予防と改善に向けた助産師の役割―,日本看護研究学会雑誌Vol.32,No.1,2009
2) 生方瞳.他,中高年女性における腹圧性尿失禁症状とインナーユニット機能との関係性,理学療法学第44巻第5号345−356項,2017
3) 田尻后子.他,尿失禁を経験した中高年女性の意識調査,理学療法科学34(4):511-515,2019
4) 田尻后子.他,妊産褥婦の尿失禁に関する実態と関連要因についてー妊娠期から産後1ヶ月までの調査よりー,理学療法科学25(4):551-555,2010


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