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キラキラ✨ひかる 127_20240703

何もなかった日々の思い出

50年生きてきて、一番幸せだったなぁ~と思う時代をあげてください、と言われたら迷わず19歳のとき、というだろう。

18歳で高校を卒業し、進路を何も決めていなかった私は、実家からバイトに通っていた。
1年間で2か所のバイトをし、それでもまだ将来の見通しが経っていなかった。就職試験に受かっていなかったからだ。

19歳。3か所目のバイトは、美術館と児童館の掛け持ちだった。
平日は美術館。週末は児童館。水曜日が定休日だった。

たぶん就職ための試験勉強をしていたと思う。
児童館の仕事が楽しくなり、保育士になろうとして短大を受験するためにもう一度高校の勉強をやり直すか、と思った矢先に就職が決まった。
6月に決まったものだからもう勉強する必要もなくなり、ただただ何もしない日々を送っていた。

水曜日は決まって寺に行った。
3年前になくなった祖母の墓参りを毎週のようにしていた。
寺に行くとたくさんのお地蔵さんに挨拶をし、本堂にまで入って大きな仏像の前で手を合わせた。開山堂に行き、水を替えたり線香をたてたりした。
寺に行って亡くなった祖母の墓の前で、祖母に語りかけるように自分の話をすると心が落ち着いた。
私はおばあちゃんが大好きだったから。

街に出るとお金を使うので、だいたい家にいた。
窓の前に腰を掛けるスペースがあり、窓を開け、腰をかけて、おばあちゃんと一緒に散歩した道をながめながら、ハーモニカを片手に「夕焼け小焼け」を吹くのがお決まりだった。

なーんもない時間だったけど、今となってはあの時間が一番幸せだったように思う。

私はいつから仕事に追われ、毎日毎日「忙しい忙しい」と余裕のない人間になってしまったのだろうか。
昨年半年間、似たような環境に身を置いてみたが、なんかちょっと違ったんだよなー
早く元に戻らなくちゃ、みたいな焦りがあったように思うし。

一体どうすれば私の心は満たされ、幸せなのかわからないけれど、何もない日だってきっと幸せなんだと思うことが大切なのかもしれないな、と思う今日このごろ。

<1年前の”ほのぼの日記”> 
ふみおくんのものがたり、第二弾始まっています。
しろちゃんが大人気です。
おかのさん、あの時は楽しい時間を本当にありがとうございました。

<2年前の”つれづれ日記”> 
私が選挙で出会ったあの紳士な高齢者が、今の都知事選を見たらどう思うだろうか。
今の時代は私たちだけでつくっているのではない。過去からの継承だ。
民主化運動をしてくださり、戦争を体験して、国を再生してきてくださったご先祖さまたちの賜物だ。心して国民の権利を行使してもらいたいと思う。


タイトル画像は、はそやmさんの作品です。「キラキラ✨ひかる」シリーズのために、ボルダリングをするうぉんのすけ、子ども支援をするうぉんのすけをイメージして、オリジナルのものを提供してくださいました。はそやmさん、本当にありがとうございます💗


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