見出し画像

研修を受けてる新入社員さんへ

一応、最初に注意事項を並べておきます。

  • あくまで個人の見解です。ここに書いたことをやって講師などから怒られても責任は持てませんので悪しからず

  • 講師専門でも経験が長いわけでもないので、的外れな可能性もあります

なぜか新人研修の講師(補助)に

この春からなぜか縁があってとあるグループ企業の新人研修にサブ講師として参加しています。そことは全然関係ない会社でシステム開発の仕事を29年続けたし、その中ではツールの研修講師をしたこともあります。が、あくまでメインはシステム屋さん。新人研修含めて外部の研修の講師職も初めてなので、その道の人からすれば「こいつナニ言ってんだ」と思われることもあるかもですが、サブ講師の視点で「もっとこうすればよいのになぁ」と感じたことを書いておきます。

どんな研修?

コロナ禍も何となく終わった感が漂う世の中。すでに研修が対面に戻っている企業もあるかと思います。今回関わった企業グループさんも一部では集合研修を再開しているようです。通っている研修センターでも新人さんらしき方々が集まっているところもあります。が、担当しているところは新人さんはそれぞれ自宅からオンラインで参加。で、講師側は研修センターの会議室に集まるという方式です。
中には講師側もリモートのところもあるようです。それはそれでやりにくそうですが、関わっているところもあまり講師間の意識の擦り合わせ的なことをやらないので、実は大差ないかもしれません。
なお、関わっているのは技術系の研修だけ。ビジネス系の研修は関わってないため、そちらの方はよくわかりません。

講師をもっと使おう

全体的に感じるのは、もっと講師を使えばよいのに、ということ。

この辺、会社や講師の考え方も様々。最近は新人さんの自主性や協調性を重視することが多いです。そのため、いきなり何でも講師に聞くというのはよいことではないことが多いと思います。
まずは自分で考え、仲間内で議論し、それでも分からないことを講師に聞くという流れを踏むのが重要かと思います。それを期待して、グループディスカッションの時間を設けていることも多いかと思います。

その辺の塩梅もあるので難しいところもあるかと思いますが、もっと講師を活用すべきと思います。まだ研修が始まって1ヶ月経たないため、新人さんもどこまで聞いてよいか分からないというのもあるとは思います。極端なことを言えば、個人で考え、グループで討論したら、講師に「こう考えたけどどうですか?」と聞いてみてもよいと思います。
わからないから聞くというのも大切ですが、分かった上でセカンドオピニオンを聞くのも役に立ちます。

まあ、講師やサブ講師も経験内容や経験年数も様々。その点では当たり外れもあるかとは思います。その辺については、この後別の視点で説明します。

正解はひとつではない

講師が教えていることや、何か質問してもらった回答だけが正解ではありません。もちろん、彼らが間違ったことを言っているわけではありません。多くの場合、「正解」はひとつではないということです。
もちろん、こういうケースではこっちの方が良いというケースはよくあります。ただ、研修で講師が教えることは概ね一般的にはこうしておけば大きくは外れないだろう、というものになることが多いです。個別の特殊ケースにいちいち触れていてはキリがありませんし、初学の新人さんを混乱させてしまうこともあります。

また、上で書いたように講師の経験内容や年数も様々。ある講師と別の講師では答えが違うこともままあります。それは、講師間でも経験が違うのである程度は仕方ないことです。まあ、それはそれで初学者を混乱させるのである程度申し合わせをすることもあるでしょう(今回関わった研修ではそういうのがあまりないようですけど)。

ただ、この点に講師側としてもジレンマがあります。実際の現場に出ればケースバイケースです。講師が想定しているようなケースとは違うケースでは、講師の言っていたような考え方が合わないこともあり得ます。
そのため、以下は覚えておいてください。それもあるので講師、特に直接教えていないサブ講師に「こういう考え方はどうですか?」と聞いてみてください。その方の経験にもよりますが、違う考え方も教えてくれる、かも。

  • (他の世界でもそうですが)講師の言うことだけがすべてではない

  • 教えていることは最大公約数的なもの、ケースによっては別の考え方をした方が良いことも

  • そのため、引き出しは多く持っていた方が良い

  • 引き出しを多くするには、それだけ多くの意見を聞くべき(自分の考えだけでなく、同じグループの新人や講師陣など)

  • 人によっては違うことを言う場合もある、それはその人が思い浮かべる想定が違うからでどちらかが間違いとかではない

  • なのでどっちが正しいとか考えない、大切なのはそう考える理由

他の新人も活用しよう

会社の方針にもよるかと思いますが、グループ編成の考え方の一つに、レベルをなるべく偏らせないというものがあります。同じ会社の新人さんと言っても、当然レベルに差があります。自分はIT技術の研修担当なのでその方面で言えば、初めてプログラミングする人から、ある程度経験のある人まで様々です。

研修内のグループディスカッションとか見てると、経験者が積極的に教えているとこ、初学者が積極的に聞いているところもあれば、なんか寡黙なところも。寡黙なところはちょっともったいないかな、と感じます。
また、賑わっているのは良いのですが、研修内容と関係ない話をしているところも。それはそれでコミュニケーションをとること自体も大切なので、よほど内容が問題になるようなものでなければ特に介入はしません。しませんが、もっと他のメンバーや講師を使おうよと思ってしまいます。

経験者は積極的にフォローしよう

自分が会社に入った頃はまだまだプログラミング経験者が少ない時代。自分は情報系ですし、大学入学以前からプログラミング経験があるのでプログラミングの研修は正直暇でした。悪い生徒ですね。

ただ、腕に自信がある人こそ、初学者の考え方に触れてほしい。なぜならIT技術者が相手するお客さんはITの専門家ではないから。そういう人からやりたいところや本音を聞き出すための訓練にはぴったりです。
また、実際、経験者にはない発想からの気づきもあったりします。専門家同士のやり取りでは「そもそもなんでそうなってるの?」という部分をスルーしてしまうこともありがち。初学者に説明することで理解が深まることも。

未経験者は遠慮しない

未経験者の中には遠慮してしまう方もいるかもしれません。自分だけわからないことを聞いては、みんなの時間を奪ってしまうのではないかと。ただ、新人研修はそういう場なので、遠慮することはありません(もちろん、自分でも努力はする前提です)。
上に書いたように、(その人次第ですが)経験者でも未経験者から学ぶこともあります。

何を努力するかと言えば、自分が何がわからないのか整理すること。ま、そこが一番難しいというのも確か。ただ、研修が終わって現場に入れば、忙しい先輩に相談しなければならないことも出てきます。その場合、以下をまとめて伝えることは重要。その練習のためにも積極的に行動してください。

  • 自分が何をやりたいのか

  • そのために足りないものが何か(考え方なのか、具体的な方法なのか、もっとよい方法が知りたいのか、など)

  • そのことについて自分なりに考えたことがあれば、その内容

他にも色々あるが…とにかく色々な話を聞こう

今は多様性の時代。とにかく色々な引き出しを持つことが必要。未経験者ならば経験者の意見、考え方を知るのも大事。ただ、経験者も未経験者がどう考えるのかを知るのも重要。正解はひとつではないので、他の方(同じ新人やメイン、サブの講師陣)の考え方を聞くのも大切。
そうやって色々な意見、考え方を聞いた上で、そこから自分はどれを基本にするか考えましょう。

最近流行りの対話型AIのプロンプト・エンジニアリングにも通じますが、せっかくなので他のメンバや講師陣から情報を聞き出すテクニックを磨くのも大切。講師がこう言っていた。それを自分も理解した。それで何となく終わった感、理解した感が出てしまい、もういいかと思ってしまうのは理解できます。が、講師の言っていることなんて、所詮は氷山の一角です。

限られた研修時間ですべてを語ることは難しいので、どうしてもそうならざる得ません。初学者も居るから突っ込みすぎた内容は講師も話せないことも多いです。ただ、そこですべてを理解した気になって安心していると現場に入ってから苦労します。特に経験豊かな講師が居るようなら、個別にでも色々話を聞いてみると、即効性ではないかもですが遅効性で役に立ちます。

まとめ

  • 研修はブッフェやサブスクのようなもの、使い倒したほうが得

  • 講師の説明は氷山の一角、語られないことが水面下にたくさんある

  • 経験者、実力者こそ、他人に話を振る、話を聞く

  • テクニカルスキルを磨くのは当然、上はコミニュケーションスキルを見る

拙い記事でございますが、サポートしてもよいよという方はよろしくお願いします。著者のやる気アップにつながります。