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ほたてと椎茸のバター醤油パスタ

今夜の晩ごはん、ほたてと椎茸のバター醤油パスタ。大帝国ロピアで買ってきた冷凍ほたては、食べたい分だけ小皿にでも取って自然解凍する(わりと早く解けました)。椎茸は石突きの固い部分を切り落とし、きのこ🍄型を生かすようにして、ちょっと厚めにスライス。にんにくは輪切りに、紫蘇は千切りにしておく。

ほたてがまあまあ解凍された頃合いを見計らって、フライパンにオリーブ油を敷き、にんにくと鷹の爪を入れて火にかけ、弱火でじっくり加熱する。いい香りが立ってきたところで、椎茸を投入。フライパンの底に押し付けるようにして焼いていく。しばらくすると「キュ…キュウウ」「キュウウ~ン!」等と椎茸たちから大変に哀愁を誘う断末魔が聴こえ始める。ものすごく胸の痛む瞬間である。だがしかし心を鬼にして、椎茸たちを存分にキュウキュウ啼かせつつ、解凍したほたてを、にじみ出てきたジルごと加える。さらに白ワインも追加して、水分が少し飛ぶ程度まで炒めておく。

パスタはアルデンテよりもやや固めに茹だったところで火を止めて、茹で汁少量と共にフライパンに移動させる。パスタにジルを絡ませるようにして全体を混ぜ合わせ、パスタがアルデンテになったらバターを思いきりよく!がつーん!と投入。醤油もひとたらし。溶けたバターがすみずみまで行きわたるようにぐるぐるしたら火から下ろし、お皿に盛り付ける。てっぺんに紫蘇の千切りを載せたらできあがり。


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ずっと作ってみたかった憧れパスタ!今夜の晩ごはんは、敬愛する凄腕料理人のお一人・ぽなちゃんの聖典を参考にさせていただきました。


ぽなちゃんのお宅にお邪魔させていただくようになったのは、このパスタの記事がきっかけだったと思う。最初のころはこの「QOL」って何のことか分からず、善玉コレステロール的なものかと思ってた。


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それにしてもこのほたての色っぽさといったら、なんとけしからんのだ。冷凍ものとは思えない柔肌ぶり。バターでてらてらになった椎茸も相まってエチエチが過ぎやしないか?可及的速やかに20禁指定すべき事案でしょこれ。

海の幸(ほたて)と山の幸(椎茸)が混ざりあった馥郁たる香りからしてたまらない……ああ、この世の終わりまでずっと吸引していたい……っと、そんなことしてるとパスタがのびちまうわね。いただきます!


最初の一口を味わった瞬間、フォークを握っていた左の手の甲にポタポタと雫が落ちた。


これは……涙?

私、泣いてるの?


(たとえ終劇を迎えようとも心の中心で未来永劫輝き続けるであろう俺の嫁こと綾波レイの声で再生希望)


ヤバい……なんなのこれ……大変にヤバすぎていらっしゃる……

どちゃくそめちゃんこおーいしーい!!!!!!


冷凍ものとは思えない柔肌ぶりのほたては、その容姿を裏切ることなくお味もすんばらしい!ほんのりとした甘みと、上品でたおやかな海の香り。そこに涙を呑んで蹂躙した椎茸たちが、これまた上品ながらも濃厚な山の香りを添えている。上品×上品、これだけでもすでに「お前はよくやった……立派だッ!」と肩をグワシと抱きしめたくなるほどの仕事ぶりなのだけれど、この上品コンボにバター醤油が組み合わさったことで、とんでもねぇ破壊神の爆誕へと繋がっている。

「バター醤油味?そりゃおいしいでしょうよ」と思われる方もいらっしゃいましょう。私もそうだった。のだけれど、なんというかこれはね、

バター醤油味の概念を根底から揺るがしてくる。


そもそもどう考えてみても、ほたてと椎茸なんて間違いなくおいしい組み合わせだ。しかしそこで思考停止せず、あえての前進、攻めの姿勢でバター醤油を投入してるってのが本当に素晴らしいと思う。これによって上品なお出汁にディープインパクトなパンチ力が追加されるわけだけれど、同時にバター醤油のいい意味で庶民派な味わいが気品と極上のまろやかをまとってしまう、ってわけ。上品かつ端麗なのにそこはかとないジャンク感も匂わせつつ、がっつり濃厚でクリーミーでも後口さっぱりなコクに溢れてて、おまけにほのかな香ばしさまで装備してるって全方位どこからどう見ても隙がなさすぎるよね?伝説の武器防具揃えてこれから魔王の城に殴り込む直前の勇者さまですか?(BGM:YAH YAH YAH)どうかおとどまりを!すでに世界は救われていますこのパスタによって!魔王も今ごろ一族郎党でこのパスタ食ってニッコニコーですって!


ジルのことばかり捲し立ててしまったけれど(そのくらい圧倒的美味。気を抜くとジルうめえのワンフレーズで脳内占拠不可避)、ぷりっぷりのほたての歯ごたえと、なめらかな喉ごしの椎茸の感触もたまらない。ジルをたっぷりと含んだアルデンテのパスタと共に口の中へと送り込むと、おかあさんやせんせいにいわれなくてもぜんぶよくかんでたべられます!一口30回?ヨユーヨユー。

聖典ではイタリアンパセリが添えられていたけれど、あいにく手に入らなかったので代打登板してもらった紫蘇、こいつも非常によき仕事ぶりだった。上品さとも濃厚さともケンカするどころか、爽やかな一陣の風を吹かせてくれた。いやーもうね、本当に涙出るくらいおいしかった!満足!ごちそうさまでした。

ぽなちゃん、こんなにも素晴らしきメニューの聖典を授けてくだすって、本当にありがとうございます!いつか私が一山当てて王国を築いたら、国の一等地にほたてと椎茸を掲げる貴女の像(純金製)を建てることをどうか御許しください。


ところで、椎茸が苦手な方って一定数いらっしゃるようで、私の周囲にも「他のきのこ🍄はいいんだけど椎茸だけは……」という人が何人かいる。このパスタは、そんな人でもおいしく召し上がれるんではないのかな?と思わせる味だったなあ。椎茸特有のクセがうまいこと和らいで、うまみだけが前面に出てくるというか。きっと椎茸を他のきのこ🍄に替えてもおいしくなりそうだけれど、もし、椎茸苦手だけど克服したい!って思ってる人がいたら、ぜひともおすすめしたい。バター醤油のみならず、おそらく椎茸の概念も塗り替えられるかと思う。


冷凍ほたての残りは冷凍庫の一等地に保管したので、近々また作って食べたいと思います!

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