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唐揚げに「ほりにし」入れたらKFC風になった

あと一ヶ月もすればクリスマス。クリスマスの定番は色々あれど、おうちでケンタッキーのパーティーバーレルを召し上がるという方も多いのでは?

私自身はここ数年、クリスマスにケンタ食べることからは遠ざかってしまっているものの、あのチキンは大好き。たまに無性に食べたくなるんだよなー。


ところで私はつねづね、あのパリパリっとした皮までがっつり味ついてるチキンをおうちで再現できないもんかと思っていた。


あの独特の味については当然企業ひみつ、レシピの全容は分厚いヴェールの奥に秘されているようだけれど、いい時代になったもので、ネットをちょいとうろつけば、研究熱心な先駆者の方々によるKFC風チキンのレシピが惜しげもなく公開されている。私もそろそろ先駆者の恩恵にあやかり、うちの台所でKFC風チキンを作ってみようかしらん……なんて腰を上げかけていた、その矢先。

先日届いたこのニューフェイスをブロッコリーにぶっかけてモシャモシャしていた時、天啓のようにひらめいたのだ。


この『ほりにし』の味、なんかちょっとKFCぽくない?



善は急げだ。私はさっそく偉大なる大帝国ロピアまで早馬を飛ばし、国産鶏もも肉(100g69円・底値・1.2kgのメガパック販売)を仕入れてきた。忠実な再現を試みるならば骨付き肉をチョイスするのがベストなのだろうけれど、今回は食べやすさを優先。ついでにお弁当のおかず分も作っちまおうという魂胆である。

こいつとほりにしを使って、はたしてあのサンダース大佐の味が再現できるのか。

いざ尋常に、勝負ッ!(ドドン


鶏もも肉は大ぶりの一口大にカットしてボウルに入れ、まずはおろしにんにくと料理酒を適当にぶっこんで揉み込む。続いてマヨネーズとほりにしを投入し、これもよく揉み込む。さらに溶きたまご1個、牛乳半カップを入れ、汁気が少なくなるまでよく揉み込んだら、これを冷蔵庫にてしばらく休ませる。余裕があれば30分以上置いて、鶏ももに味を馴染ませられればベスト。

続いて衣用の粉末部隊を用意。片栗粉、小麦粉、コーンスターチを1:1:2の割合で乾いたボウルに入れる。……と言ってもそこはめんどく星人ゆえ、まーだいたいこんくらいかなー?くらいのざっくり加減。さらにほりにしをサラサラサラと、かなり思いきって投入。ケンタの衣ってかなり濃厚な味なので、粉を味見しつつ、「ペロ……これはほりにし!」って感じられるまで、味を調整する。

衣にコーンスターチを使うのは初めて。敬愛する日本の巴里在住の意識高い系OL兼やり手主婦殿のお宅で見かけて以来、ぜひ一度やってみたかった。

さて、そろそろ鶏ももがいい塩梅だ。こいつに粉末部隊をふりかけ、よくよく混ぜ合わせる。

深めのフライパンにサラダ油を熱し、まずは160℃くらいの低温で鶏ももを揚げてゆく。この「低温」とか「高温」ってよく見かけるフレーズなのだけれど、160℃って十二分に高温じゃなくて……?いや、そんなことを言いたいのではなかった。この熱さ加減の見極めって、みなさんどうなすってらっしゃるのかな。私は衣をポトンと落としてみて、ゆっくり浮き上がってきたら「低温」、落としてすぐヒャッハアアアアア!!って浮き上がってきたら「高温」ということにしている。実際の温度がどのくらいなのか、機会があればぜひ一度計ってみたいものだ。

今日は大ぶりの一口サイズなので、4~5分程度じっくり揚げる。この時点ではまだ、白っぽくて衣もねっとりしてる状態だけれど、構わずにいったん油から引き上げておく。この作業をひたすら繰り返します。火加減は弱めの中火程度をキープ。全ての鶏ももの低温揚げが終わったら、今度は火加減を強火にして、200℃程度の高温で、衣がきつね色になってパリっとするまで二度揚げする。うーん、実にスパイシーないい香りだ。これはかなり期待できるんではないの?

全ての二度揚げが終わったら、食べたい分だけお皿に盛ってできあがり。


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ヒュウ……我ながら欲望モロ出しの光景だな。

(良心の呵責に耐えかねて、つけあわせに茹でブロッコリーを添えました)


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粉末部隊、いい塩梅にパリっとしてらっしゃる。ちょっとめんどくさいけれど、二度揚げするとやっぱいい感じになるな。


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合わせるはハイボール。唐揚げにハイボールは末代まで伝えたい我が鉄の掟であります。

さて、そのお味やいかに?!(ドドン


揚げたてのあつあつを大口開けて頬張ると、パリッ、サクッ!と小気味よい音が鳴り、続けてほりにしに内蔵された各種スパイスの香りが口内でいっせいにファンファーレを吹き鳴らした。これは……これはおいしい!どちゃくそめちゃんこおーいしーい!衣ががっつり濃厚味だし、なんと言っても食感がサクサクゥ!いつも食べている、バリっと固くてしょうゆベースの唐揚げとは一味も二味も違う奥行きの深さ(あれはあれで深く愛しています)。はじっこの衣だけ食べてもがつんと濃厚な旨みをひしひしと感じる。このパンチ力抜群なサクサク衣の向こう側から、ぷりんぷりんジューシーに仕上がったお肉とたっぷりの肉ジルが飛び出してくるのもたまらない。たまらなくおいしい!あの……言ってもいいですか?これは、これはですねッ、かなりあの味に近い……!サンダース大佐のおわす、あのお店の味に近しいものを感じますぞ……!

もちろんシンクロ率100%の完全再現、とまではいかないけれど、ド素人が適当な分量で台所で作ったものとしては、我ながら上出来な仕上がり。スパイスが織りなす重厚な味わいに、にんにくの香りもばっちり効いてるし、お肉もしっとりやわらか。まさか初挑戦でここまで似たものを錬成できるなんて思ってもみなかったなあ。びっくり。間違いなく今夜の立役者はほりにし。可及的速やかに感謝と敬服の意を込めてお神酒を捧げねばなるまいな!ハッハッハァー!今宵は宴じゃー!


ということで、唐揚げ10個とハイボール3杯が胃袋に消えました。調子乗りすぎたわ……お腹がはつはつになってしまって、もうお酒しか入らない……。ごちそうさまでした。



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さすがに1.2kgの唐揚げをひとりで食べるのはコンプライアンス的にいかがなものかと思ったので、弟一家にもおすそ分け。揚げあがるタイミングを見計らって、仕事帰りの弟に取りに寄ってもらった。ひとつ味見した弟からも「うまいッ!」て煉獄さん印をいただいたので、ホッとひと安心。


これはきっと冷めてもおいしかろうと思うので、明日のお弁当も楽しみだ。いずれ骨付き肉でも試してみたいなー。

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