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イカの日に寄せて───イカとオクラの明太子スパ

※本記事は昨日11/10に公開予定でしたが、のっぴきならないやむを得ないあーそりゃ仕方ねえわな事情(寝落ち)のため、本日公開とさせていただきました。一部不適切な表現などございますが、あらかじめご了承ください


全世界のイカをこよなく愛する紳士淑女のみなさま、ごきげんよう。イカの日お慶び申し上げます。


『毎月10日はイカの日』



この街(note)に居を構えてから私が得た様々な学びのひとつ。はぢめて祝杯をあげたイカの日以来、ウキウキ!忙殺☆キャンペーンのせいでこの善き日を祝う一皿を作れずにいたけれど、今月こそ……今月こそは!と意気込んでいた。

しかしながら、生まれついてのめんどく星人にとってはド平日にイカを一匹丸ごとさばくのってハードルが高い。濃いめのソース仕立てにして冷凍の作りおきにしとけばいいんだけど、ほらぁ、あたしって~、イカの濃いめソースっていうとトマトソース味一択になっちゃうじゃないですかぁ~(発言者の口いっぱいに甘食を突っ込みたくなる物申し方)。それだと前回と同じ感じでつまんないナーなんて思っていた。今月はこう、ちょっと和風仕立てのパスタとかにしてみたい。一度で食べきりサイズのイカソーメンなんて売ってないかしらねえ。


そんなことをつらつら考えながら仕事帰りに立ち寄ったお店で、こんなものを発見。


たこわさならぬ、いかわさ。

分量的にもちょうどよいサイズ。すみやかにこれを買い物かごにぶちこみ、意気揚々と帰宅して台所に立った。


ということでイカの日の晩ごはん、イカとオクラの明太子スパ。フライパンにオリーブ油と刻みにんにくを入れて弱火にかけ、にんにくの香りが立ってきたところでイカわさを投入。さらに料理酒を注ぎ、ごく弱火で煮込んでゆく。この間にオクラを生のまま薄切りに(めんどく星人は毛の処理なぞいたしません)、紫蘇は千切りに、明太子は皮を脱がせておく。パスタも茹で始める。

イカにやや火が通ったところでオクラを投入し、千切り紫蘇の半量もぶちこむ。パスタがアルデンテ一歩前になったらフライパンに投入、全体を混ぜ合わせる。ソースがよく絡んでいい塩梅になったら火を止めて、2/3量程度の明太子を絡めてお皿にホイ。黒こしょうを振り、残しておいた紫蘇と明太子をトッピングしたらできあがり。



うむ……相変わらず後載せ部隊が「エッッッこれトッピングなの?ぶっこぼしたんでなくて???」感極まりないけれど、よいよい。これでよいのだよ私は。何つーのかな……最近ちょっと吹っ切れたつーか振り切れたつーかね?そりゃ盛りつけは美麗であることにこしたことはないよ?ないけれども!さ!!

こういうまるで映え感のない盛りつけつーのもね、世の中には必要なんじゃないかナ、って思うのね。私がこうして恥をしのんで映えない盛りつけを発信することでさ、「こいつに比べたら俺(アタシ)はまだまだ大丈夫だ」って勇気を得る人だって居るかもしれないじゃない?祝祭プレートと称してこんな映え感皆無の簡単メシを堂々と発信することでさ、「そっか……こんなんでいいんだ」って心慰められる人だって居るかもしれないじゃない??それってサ…………最高、じゃない…………???(曇りなき眼)


こういうパスタには白ワインが王道なのだろうけれど、秋になってから赤ばっか呑んでるせいで今我が家に白はない。あるのは赤ワイン、料理酒、仏壇前のビールとウイスキーと焼酎だけなんすわ。ということで今夜も赤ワインです。


盛りつけが相も変わらず残念無念であるものの、味はカンペキ!火を通されてプリンとしたイカの歯ごたえと甘み。かすかに残るわさび漬けの清々しさと、明太子の香り高さ。さわやかで清涼感あふれる紫蘇と、黒こしょうのぴりりとした刺激。オクラの粘り気がそれらをまとめあげ、なんとも絶妙な小宇宙コスモを形成している……どちゃくそめちゃんこおーいしーい!和風パスタならではの一歩引いたうまみながらも、海の香りがグンバツにゆき届いているし、にんにくのパンチも効いていて、こりゃあワインがすすむくんですわ。

そしてなんといっても、オクラの粘り気が実にいい仕事ぶり。パスタのすみずみまでとろりとしたソースを絡みつけて、めくるめく官能のひとときを演出してくれている。種のプチプチ感も楽しい。ありがとうオクラくん……君は本当に良い男ぶりだね。だからどうかメンズ脱毛に通おうだなんて考えはすぐに───否、すぐに忘れてなんてのは私のわがままだね。でも少しずつでいいから、別の視点を持つことへの一歩を恐れずに踏み出してみてくれないかな。だって君の毛はムダ毛なんかじゃない……粋毛いきげなのだから───(曇りなき眼)




なんか『イカの日』っていうより『オクラの日』みたいな語りをしてしまいましたが、イカとオクラって相性がグンバツにいいよなー。味はもちろん、色合い的にもうつくしいし。もう二人付き合っちゃえばいいんじゃないかな。

ということで、大満足のイカの日ごはんとなりました。ごちそうさまでした。


来月こそは当日に記事を公開したい。



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