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時間を削って頑張って得るものは何なのか、そして失うものは何なのか『時間とは生きるということそのもの そして人の命は心を住処としている__モモ』  

時間を削って頑張って得るものは何なのか、そして失うものは何なのか

子どもの頃・・夏休みの1日はとても長く
草っぱらを散歩したり
行列を作るアリを眺めていたり
道端のオシロイバナの種を集めて白粉遊びをしたり
ゆったりと時間が流れていたように思う

空き地の草むらに作った秘密基地で空を泣きながら空を眺めていたこともあった。

あの時は養父母が喧嘩していたから、ヒステリックに叱られたかで家をそっと抜け出して秘密基地に逃げ込んだんだと思う。靴も履かずに飛び出していて草で靴のようなものを編もうとしていたはずだが詳しいことは覚えていない。

ただ風にそよぐ背丈の高い草の間から見える空が綺麗だったことと、はやく大人になって自分で生きていけるようになりたいなって考えた事。

***

10年近く前に使っていたアイデア手帳の表紙に書き込んだ言葉
『時間とは生きるという事そのもの そして人の命は心を住みかとしている』

ミヒャエル・エンデの『モモ』の中の言葉だ

最近、すごく忙しく日々を過ごしている人と話をした。

仕事の関係で、寝る時間もほとんどない状態。湯船に浸かる時間やご飯を作る時間なども削ってしまっている状態。
イライラする事も多いようだ。

大切にするべきものって何なのか等、いろいろと私の中で感じた事、考えたことも多かったのもあり、いつも目にしているこのノートに書いた本の中の言葉が改めて目に留まったのかもしれない。

今日は夜からの講座だけなので、昼間は予定もない。

久しぶりに電子書籍版で『モモ』を読んでみる事にした。

改めて読んでみると
モモは人の話を聴くことが得意な子どもであること
そして人はただ聞いてもらうことで、自分の中の考えがまとまっていく(カウンセリングの傾聴の効果と一緒だな)



自然の音も聴くことができること。
昔読んだときにも印象に残ったところが今も変わらず心に響く。

まさにマインドフルネス 『今ここ』の目の前のことに向き合う事が大切

そして効率や時間の節約をする中で大切なものを見失っていく人たちと、見失ったことすら気づかない現状など・・・この本が出たのは1973年ではあるけれど、当時の時代への風刺は今にも通ずるものであり、多くの時間に追われてい疲れ切っている人たちに読んで欲しいなと感じる。

けれども忙しい人たちは文字を追う事も惜しんでしまうのだろう。

タブレットで画面暗めに文字を大きくして読んだので
読みやすかったけれど、最近は私も単行本などの文字を追うのは少し根気がいるような年代になってしまった。

ふと思い出す風景は、小さかった息子と手を繋いで歩いた秋の図書館近くの道や、池のほとりのベンチで時間を忘れて友達とお喋りしていた事など、ゆっくりとした時間の中のことが多い。

脳裏にしっかりと刻まれているのはキラキラとした笑顔や泣き顔や…目を見張るような自然の景色。

慌ただしく過ごしていた頃のことはあまり覚えていない。

忙しい時間の中でも、ほんのひととき空を見上げたり、自分を労る時間や五感を感じる時間を大切にしたいと改めて思った。


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