木になる

あの日。
君の前髪が眉の上まで達していた日。
信じられないくらいカレーが美味しかったんだ。〆の牛乳も。
それはもう本当に素晴らしかったよ。
君の前髪は関係無いよ。
眉が細かったね、意外だった。
優しかったあの子は、声が小さかった。
小さい声で、優しい言葉をいっぱい言ってた。
君はそれを聞き逃すまいといつも必死だった。
あの日もあの子は哀しむ君にこう言ってた。
「前髪なんてすぐ伸びるよ。」
君は聞いていなかった。その時に限って。
本当は落ち込んでいなかったのかな。
気になります。

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