ニュースが見てられない

私の部屋にはテレビがない。

居間にはテレビがある。

夕飯どきに、居間に行くと、
テレビがついている。

夕方5時～6時は、大体ニュース番組。

はっきり言って、見てられない。

銃を乱射する人、不倫する人、強盗する人、、、

この病気になる前は、そんなことなかったのに、

今は、見てられない。

自分の精神疾患だけじゃなく、
この世には、いろんな精神疾患があることを知った。

だから、分かるのである。

銃を乱射する人の病名が、

不倫する人の病名が、

強盗する人の病名が。

生い立ちや境遇も、
なんとなく想像できてしまう。

「精神疾患の世界」を勉強しすぎた結果である。

昔の私や、多くの健常者は、こう思う。

銃を乱射するような人間は、死ねばいいし、
不倫するような人間は、気持ち悪いし、
強盗するような人間は、全員刑務所に入っとけ。

今の私は、こう思う。
「あぁ、運がよかった。」
「この人たちは、なんて運がなかったんだ、かわいそうに。」
「次は、私の番かもしれない。」

他人に優しくなった、といえば聞こえはいいが、

「異常者」に寄り添えるようになっただけ。

そんな自分が、まじでこわい。

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人生は、まじで「運」である。

どんな親のもとに生まれるか、

どんな能力を持って生まれるか、

そして、人との出会い。

自分で選んでいるようで、選んでなんかいない。

自分がしてきた努力なんて、気のせい。

努力できる環境、能力、出会いがあっただけである。

「自分の努力の結果だ」
「自分が選んだ道だ」
なんて、自惚れてはいけない。

けれど、この世の中、

社会的弱者に寄り添える、謙虚な人間なんかより、

自惚れている、無知な健常者のほうが、

きっと楽に生きられる。

だから、

「満足な豚より、不満足なソクラテス」

というのは、間違っていると思う。

満足な豚なんて、
とっても恵まれている。

不満足なソクラテスは、
そんな豚に、
ただ嫉妬しているだけである。