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小島一郎さんへ捧げる詩

そんなあなたが羨ましいのだった

あなたの見た 世界は
祭りのような
一種 熱に浮かされたような
そのような 赤い 爆裂した風だった
火の粉を避けて
走って
叫んだけど
ふと振り返ると
仲間はみな逝ってしまったんだね


原生林を
この生身を駆けてみて
深呼吸
国土に還っても
知る者はなし

あなたの北風に浮かぶ
潔い うろこ雲を見ると

まるで
こうなることを待っていたかのような
世界があなたを迎えていて
神はやはりあなたを見ていて

だからあなたはここへ還ってきたんだと

あなたはここにいるのだね

ふと父の手に似たような

母の眼差しに似たような

そんな一日だね



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