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【読書日記】アウトソーシングとSDGs

小さな仕事をつくる

「仕事」は社会とのつながりを得られる楽しいもので、本来は様々な人が仕事を通じて「社会に自分が必要とされている」という喜びを感じることができるはず。だから、人手が足りないといってフルタイム社員を雇うよりも、地域にシンプルかつ小さな仕事をアウトソースするということを考えてみようと著者は提言している。それが自分の仕事量を減らすことにもつながるし、地域に芽生えつつあるかもしれない貧困に歯止めをかけることに一役買うかもしれない。その際、安価でプロフェッショナルな外注先ではなく、たとえ割高だとしても仕事にやりがいや生きがいを持ってくれる人にアウトソースできれば、それは持続可能な仕事の創出だと言え、極めてSDGsなのかもしれない。

感想

「小さな仕事をつくる」というと経営者だけにしか当てはまらないようにも思えるが、実際には私たち一人一人もこの視点を持って適度に「人に頼る」ことができれば自分の余裕を生むことにもなるし、人との繋がりを増やすことにもつながるかもしれない。SDGsは一般的に世界規模のマクロな視点で述べられるものが多く、貧困というと発展途上国の極度な貧困を想起させる。貧困地域に寄付をするといった行為も素晴らしい行動であるが、一方的なやり取りという点では持続可能とは言えないのではないだろうか。ミクロな視点で足元の社会課題に対して持続可能な形で貢献できる行動ができればいいのではと思えた。
日本に住んでいると貧困はあまりピンとこないテーマだし、ある程度の社会保障制度が整っているため日々生活できないほどの金銭的な貧困は他国と比べると少ないかもしれない。しかし、高齢者や障碍者、シングルマザーなど相対的に見て仕事したくても何らかの理由で仕事ができない人が依然として多く存在することは確かで、金銭的な意味での生活の貧困だけを注視するのではなく愛や人間関係、社会とのつながりといった大切なものが欠けている暮らしの貧困にも目を向けていければいいのかもしれない。

読んだ本
今日からできる!小さな会社のSDGs  《1章》
著者  村尾隆介


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