見出し画像

『1・2の三四郎』 【1995年邦画/漫画】

実写映画
1・2の三四郎2

【感想】2024年7月13日

部活シリーズ 第15弾 『総合格闘部』

当時、漫画をむさぼり読みました。実写映画があったとは初耳。アニメ化されてないことも驚きです。
こうなると、漫画を読んだ人しかこの作品の面白さはわからないでしょう。
本作の高校時代、元ラグビー部 東三四郎、
レスリング部 西上 馬之助、元美術部兼空手部 南小路 虎吉の3人が柔道場確保のため異種格闘戦を繰り広げる。そして、何と無くマネージャーになった北条 志乃の4人で、波乱の部活動を楽しむ。当時、数多い学園ギャグ漫画の中で私が一番好きな爆笑作品でした。
卒業後は、三四郎と馬之助はプロレスラー兼保育士、北条志乃もひまわり保育園で三四郎たちと保母として仕事をする。
では、また。 

【作品情報】

『1・2の三四郎 』、小林まこと氏の漫画。1981年度(昭和56年度)、第5回講談社漫画賞少年部門受賞。続編『1・2の三四郎 2』『格闘探偵団』
1995年7月15日に実写映画公開。
市川徹監督。上映時間107分。

【あらすじ】

基本的にはコメディ漫画だが、高校編では「ラグビー」「柔道」、卒業後は「プロレス」と、物語はスポーツをベースにした展開となっており、ラグビーや柔道、プロレスの試合といったスポーツのシーンは非常に真面目に描かれている。

映画あらすじ

世界一のプロレスラーを目指して上京して来た東三四郎は、“新東京プロレス”の入門テストを受ける。そこでは、既に入門の決定していた期待の新星・五頭信の記者会見も行われていたが、乱入して来たアル中の桜五郎によって、記者会見はめちゃくちゃにされてしまった。彼は“新東京プロレス”代表の篠原に遺恨を持っていたのだ。桜一人に何人もの男たちが飛びかかっていくのを見たお調子者の三四郎は、桜の助太刀を買って出る。こうして桜と知り合いになった三四郎は、桜の経営する“ひまわり保育園”に転がり込み、保父をしながらプロレスのトレーニングを積むことになった。
すると、三四郎の高校時代の同級生で恋人(?)の北条志乃まで、三四郎を追って上京。おしかけマネージャーとして、“ひまわり保育園”に居座るのであった。三四郎のデビュー戦は、“ふるさとプロレス”に決定。屋台村の中心に設置された特設リングに上がった三四郎は、メジャーを引退しながらも、いまだにプロレスの魅力に取り憑かれているストロング栃木らに次々に捩伏せられていく。ベテラン・レスラーに全く歯の立たない三四郎。そんなある日、アメリカ遠征を終えて天草健太郎が“ふるさとプロレス”に帰って来た。皆の期待に違わずチャンピオン・ベルトを手中に収めて来た天草は、ギャラの値上げや待遇の改善を要求するなど、すっかりタカビーになって団長の大熊をがっかりさせる。それでも“ふるさとプロレス”の花形である天草のファイトに観客は興奮するのだった。そんな観客の喜びようを見た大熊は、天草-北尾戦を企画。ところが、スター選手は二人はいらないと天草が試合を放棄。試合を楽しみに来た観客に申し訳が立たない大熊は、自ら老体に鞭打って北尾に挑んでいくが、そのファイトで瀕死の重症を負ってしまう。天草の態度に怒りを爆発させた三四郎は、猛特訓を開始。三四郎の高校時代の友人で、今はスポーツ新聞社に勤める岩清水健太郎の協力もあって、天草も三四郎との試合を承諾せざるを得なくなる。いよいよ試合当日。満員の観客を前に、三四郎と天草は熱いファイトを繰り広げ、三四郎が勝利を収めるのだった。

【主要人物】

東三四郎=佐竹雅昭
北条志乃=田村英里子
桜五郎=六平直政
天草健太郎=高野拳磁
岩清水健太郎=坂上忍
小谷雪江=香坂みゆき
西上馬之助=軌保博光
南小路虎吉=森田崙

東 三四郎

本作の主人公。初登場当時16~17歳。天竜学園ラグビー部に所属し、持ち前の運動神経の良さで、同級生の飛鳥とともにラグビー部を背負って立つ存在であったが、練習中に部員が怪我を負った際にラグビー部を廃部から守るため、自ら濡れ衣をかぶり退部した過去を持つ。ラグビー部時代、試合中のアクシデントで頭部を負傷し、大流血となったが、その場で傷口を縫合し試合を続けた事があり、日本国外のラグビー誌にもエピソードとして紹介されている。
ラグビー部を退部後、柔道部に入部しようとするが、柔道部部長の大橋の退部で柔道部唯一の部員となってしまう。しかし、空いた道場を使うべく押しかけてきた馬之助や虎吉、さらには志乃まで巻き込んでの紆余曲折の末に総合格闘部を設立し、クラブ祭でのラグビー部とのラグビー特別試合やインターハイの柔道中部地区予選で活躍。高校3年の夏休みに新東京プロレスに入門すべく上京するが、入門テスト時に乱入してきた伝説の悪役レスラー・桜五郎に惹かれ、新東プロを蹴って桜五郎に弟子入り。以降、『ひまわり軍団』に所属することとなり、レスラーとして新東プロの巡業に参戦、若手戦線で五頭らと熱い戦いを繰り広げる。普段はひまわり軍団の仮の姿・横浜市鶴見区のひまわり保育園で保父として働き、夜や休日にレスラーとしてのトレーニングをしている。馬鹿力で、石頭で、スケベで、傍目からは自信過剰と思えるほどに自分の強さを裏付けとした自信に満ち溢れている。幼い頃より3度の飯よりプロレスが大好きで、ラグビーや柔道の試合でもプロレス技を相手に仕掛ける事が度々あった。プロデビュー後にショートタイツの尻に「闘魂」の2文字を入れるほどアントニオ猪木を敬愛しており、本人も猪木ばりのストロングスタイルのプロレスを標榜しているが、そのファイトスタイルは馬之助や観客からコミックショースタイルと揶揄される事もしばしば。普段は傲慢不遜とも思える言葉を発するが、志乃にシリアスな話をする時だけ、柄にもなく照れて呂律が回らなくなる。プロテインとアントンマテ茶を常用。口癖は「ウ〜シ」「ウッシャ〜〜〜」「〜なんだね」。得意技はブレーンバスター、バックドロップ(へそで投げるルー・テーズ式)、一撃で相手の戦意を削ぐ威力がある頭突き。

北条 志乃

三四郎の同級生で、本作のヒロイン。初登場当時16~17歳。転校初日に三四郎とぶつかるという青春漫画の王道のような出会いを果たすが、爽やかなシチュエーションはここまで。以降はギャグキャラとしてたびたび不幸な目に遭うようになる。酷い目に遭った場合、三四郎たちに慰められるが、大抵成功せずに子供のように「びぇ〜!」と泣き出すのが定番のオチであった。天竜学園転校前に在籍していた望月高校では生徒会長を務め、転入直後の実力テストでもいきなりトップを取るなど容姿端麗にして頭脳明晰だが、字がとてつもなく下手。成り行きで格闘部にマネージャーとして参加。クラブ祭でのラグビー部との特別試合にも途中まで参加していたが、運動能力は人並み以下である。ラグビー部との特別試合に向けて髪を切りに行った時に理髪店の落ち度でおかっぱ頭になり、以後ラグビー編終了までカツラを着用していた。続く柔道編ではすっかり髪が伸びており、亜星の好みに合わせてポニーテールにしていた時期もあった。
高校卒業後は親の反対を押し切り、三四郎たちと一緒にひまわり保育園で保母として働きながら、桜五郎の妻のコーキーとともにマネージャーや外国人レスラーの通訳としてひまわり軍団を支える。豊満なナイスボディの持ち主であるが(高校2年生時のスリーサイズはB88、W59、H90)、見方によっては太っているとも見えるのか、三四郎たちからは「笹ダンゴ女」呼ばわりされている。三四郎も目を剥くほどの大食いで、なおかつ少々痛んだものを食べても平気な顔をしており、アルコールも水ぐらいにしか感じない鉄の内臓の持ち主。料理は食べるだけでなく、作る方も得意である。いわゆる天然ボケであり、三四郎にインポの意味を真顔で聞いた後、意味も解らず五頭を「インポ」呼ばわりした。ダイエットのためにハイマンナンを常用。叫び声は「でぇ〜!」。

西上 馬之助

三四郎の悪友。大阪出身。天竜学園在学中は一人でレスリング部を背負っていた。大橋の退部で一時的に空室となった柔道部道場を狙い、紆余曲折の末に格闘部に合流。柔道のインターハイ予選では中堅を務め、レスリングの多彩な技を駆使して勝利した。小柄・軽量ながら、高校3年生時にはレスリングのバンタム級でインターハイを制覇するなど、抜群のレスリングテクニックとセンスを持っている。もともとはプロ志望ではなくオリンピックを目指していたが、高校卒業後は三四郎に付き合って桜五郎に弟子入りし、ひまわり軍団に加入。亡き父が大阪でお好み焼き屋を営んでいたことから、プロデビュー後のショートタイツの尻部分に「おこのみやき」と入れている。常識外れのことが多い三四郎の言動や行動に対し、横から「アホ」と突っ込むことが多いが、口では辛辣に扱いながらも互いの実力は認め合っている。プロレスデビュー戦の3人タッグマッチ3本勝負では、三四郎との仲間割れのために最終的に黒星となったものの、1本目に若手有望株の五頭からジャパニーズ・レッグロール・クラッチホールドでピンフォールを奪っており、その後の試合でもジュニアヘビー級の体格ながらも、多彩な技の数々で対戦相手を翻弄する。三四郎に負けず劣らずのスケベ。関西弁を喋り、自称は「ワイ」を使っている。レッドシューズ・ドゥーガンを尊敬しており、格闘部道場の壁面にポスターを貼っていた。

南小路 虎吉

三四郎の悪友。美術部に所属し漫画家を目指しているが、三四郎にも負けないほどの体躯を誇り、なぜか空手研究会にも籍がある。馬之助同様、空室となった柔道部道場を巡る混乱の末に格闘部に合流。クラブ祭の時の格闘部の応援看板は虎吉以外に絵を描ける者がいなかったため彼が描いたが、『キャンディ・キャンディ』を彷彿とさせる、異様に少女趣味の絵になってしまった。だが絵や漫画の才能は確かなもので、天竜学園在学中に雑誌社の漫画コンテストで佳作を取るほどの実力を持っている。美術部でただ一人の男子生徒で、美術部の女生徒からは「トンちゃん」と呼ばれている。高校卒業後も三四郎や馬之助と行動を共にし、ひまわり保育園で保父をしながら漫画家デビューすべく漫画を描き、さらにレスラーのトレーニングにも途中まで参加していた。もともと少女漫画チックなジャンルが得意だったが、三四郎たちに感化されたのか、物語後半ではそれまでのテクニックを捨ててまで戦いのドラマを描くようになった。得意技はコーラびん飛ばしとランニングネックブリーカードロップ。三四郎・馬之助同様のスケベである。出身は不明だが、言葉に九州訛りが入っており、自称は「ワシ」を使っている。

「部活」バックナンバー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?