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【小説Re:01】『君らは選ばれし戦士だ!!』⑧天国と地獄編

地獄の門がゆっくり開いた。勇作が中に入ると門が閉じた。
魔人「ほぉー、ここに 三千年いたが、この門が開くの初めて見たぜ、オメェー名前何てんだ?」
勇作「勇作だ!」
魔人「ここに何しに来た」
勇作「妻を助けに来た」
魔人「妻? 名前は?」
勇作「千夏だ、どこにいる?」
魔人「あの女かな? ここに珍しく少し光ってたからな」
勇作「それだ、きっとそーだ、どこか教えてくれ」
魔人「お前、ここがどこかわかってるよな?」 「ここにはなぁ、いいやつなんざいねんだよ」
魔人が素早い動きで、勇作の頭めがけて爪を振りかざした。
勇作はとっさに避けたが、爪が肩を掠った。
魔人「ほー、なかなかやるな」
勇作は、2本の刀を抜いた。
勇作「千夏の居場所を教えてくれ」
魔人「俺様に勝ったら教えてやるよ」
勇作「俺はぐずぐずしてられないんだぁー」
魔人が右から爪で襲い掛かってきた。
勇作は、刀で爪を受け止め、もう一本の刀で魔人の心臓を貫いた。
魔人「いてーなオメェー」
 「俺たちの心臓は6個あるんだ、なんて教えねぇよ」
勇作「なるほどあと5つだな」
勇作は目を閉じた。
5つの心臓の場所がイメージできた。
勇作が5人になった。
5人の勇作が一斉に魔人の心臓に刀を差し込んだ。
魔人は、ウォーと叫びながら、ドロドロとしたヘドロになった。
勇作「しまったー! 死んじまったー」
 「くっそー、千夏っーどこだー!」
一匹の蝙蝠が飛んできた。まるで付いてこいと言ってるように右のほうへ飛んで行った。
勇作は蝙蝠を追った。
地獄の中は、暗闇で何も見えない、あっちこっちで、泣き声、恨み言、後悔、怒りの声が弱々しく聞こえてくる。
人の魂が薄青い炎となって浮遊していた。
地面は、泥濘で歩きにくい、吐き気がしそうな獣の腐敗臭がする。
蝙蝠がここだと言うように旋回している。
下には、弱々しく白く光る人がいた。
勇作「千夏ーっ! 」走った。
勇作は、千夏を抱き起した。
千夏は下を向いたまま「私のせい・・・」と繰り返し泣いていた。
勇作「千夏、俺だ勇作だよ」

その時、後ろから唸り声をあげて走ってくる数体の魔人が見えてきた。
さっきのとは違う、頭の左右に丸まった角、胸に大きな口に長い牙、まるで悪魔だ。
魔人「貴様死ねぇー」

爪が空を切り裂く音がした。
勇作は千夏と共に瞬間移動した。
魔人「くっ!」
勇作「エクスプローション!」と叫んだ。
闇の天空から強烈な電撃が、魔人たちを貫いた。
半径 5 キロ程度爆風で吹き飛んだ。
勇作たちは AT フィールドで守られていた。
勇作「千夏」
千夏「あなた誰?」
勇作「勇作だよ、記憶がないのか?」
 「俺と一緒にここを出よう」
千夏「駄目よ、私は勇作とゆうかを守れなかったの、だから私はここにいないといけないの」
勇作「そんなことはない!」
 「相手が強すぎたんだ、君のせいじゃないんだぁー!」 「ゆうかは生きてるんだぁー」
千夏「でも、私・・・」
勇作は千夏を抱きしめて、キスをした。
勇作「大丈夫だよ、俺がずっと一緒にいるよ」
二人は気を失った。

【天国】
千夏「勇作起きて」
勇作「うっ、うーん」
二人は、勇作がイメージした天国にいた。
勇作「どうして、ここにいるんだろう?」
千夏「うわー、綺麗ーっ」
アクア「お帰りなさい勇作さん」
 「初めまして千夏さん」
 「私は、女神のアクアです」
 「無事に戻られて本当によかったです」
勇作「ありがとうございます、アクア様」
 「どうしてここにいるんでしょう」
アクア「あなた方の魂は、清らかで清々しくて、地獄には相応しくないと判断されて、ここに戻されたそうですよ」
勇作「いったい誰の判断なのかな?」
アクア「地獄の魔王からゼウス様に連絡があったようです」
 「しかし、間一髪でした、あと少し遅かったら奥様は、魂になって魔人の餌になるところでした」
千夏が勇作に寄り添って手を握った。
ゼウス「勇作よ見事であった」
 「汝の魔力スキルはハイレベルに到達した、魔力を思うがままに操ることが出来るはずじゃ」
アクア「千夏さんもよく頑張りましたね」
 「私から回復魔法と爆裂魔法のスキルをプレゼントします、えいっ」
 「爆裂魔法は、1回で 3/4 の体力を消耗するので、いざという時だけ使ってね、大抵の敵は倒せるわ」
千夏「ありがとうございます!」
ゼウス「君らは、理由はともかくとして、掟を破った」「そこで、とても辛い試練を与えねばならないのじゃ」
勇作「ハイ」
ゼウス「で、君らの試練じゃが」
 「今から異世界に転生してもらう」
 「そこで、魔王も扱いに手古摺ってる、5人の大罪魔人がおってやりたい放題やっておる」
 「その者らを処分して 欲しいのじゃ」
勇作「はい、分かりました」
ゼウス「やつらは手強い、油断するでないぞ」
 「それが出来たら、罪は許そう、約束だ」
 「恐らく長い年月がかかるであろう」
 「その間は二人で幸せを見つけて仲良く暮らすんじゃ」 「でも、あくまで目的は異世界の平和だ、よいか」
勇作「はい、ゼウス様」
ゼウス「頼んだぞ、勇作、千夏」
アクア「お気をつけて」
二人の姿が光と共に消えた。

つづく

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