見出し画像

スピリチュアルにハマった友人の話⑦

>>⑥からの続き

ホームセンターまでの長い道のりでの、A子のスマホ乗っ取ろう作戦。(?)
おかげで、私はすでに満身創痍だ。
そして、さらに疲れる原因となったのが、よく分からない音がしていること。

A子のスマホを見た時、手帳型のスマホカバーにはおびただしいほどのストラップがついていた…。
「コレはアレだ。スピリチュアルのやつだ」と即座に思った。
重くないんか…。

そして、ずっと鈴のような、仏壇のリンのような…いや、音叉か?のような、りーーーんりーーーーんと甲高い音がしている。
最初、「何の音??鈴かなんかついてるの?」
と聞いたら、「あ、ごめんごめん、私のスマホ」と。
音量を小さくしてくれたものの、ずーーーーーーっと流れている。
どうやら、スマホから音楽のように、ずっと流しているようだ。

調べてみると、音叉ヒーリングなるものもあるらしく、特定の周波数の音で脳や魂が癒される?浄化?されるそうだ。

へぇーーーーーすごいね!

うるせぇわ!

私にとっては癒されるどころか、ただただ、耳障りな音でしかなく、実に不愉快そのものだった。黒板やガラスをキィーーっとひっかいたのと同じくらい不愉快だった。
こんなんずっと聞いてたら、マジで頭おかしくなるわ!

…いや、たまにならいいのよ。例えば非日常的に、お寺や大自然の中での瞑想体験やヨガなんかに参加して、そこで流れてるとかなら、まだ癒されるのも分かる。
日々の雑踏の中で聞く、この音は雑音以外の何物でもない。しかも横からずっと。

そして、そんな音の中でのスマホ紐づけコード教えろ攻撃…。
洗脳しにかかってない??
私のHPは0になっていた。
もう帰りたい。

そんなこんなで何とか1日目を終え、夜にB美と電話。
私は、スマホの件で心底A子にがっかりしたし、私自身、相当A子に軽視されているなと思った。もう、友達とは言えない。

私は、誰かに何かするとき、極力「してあげた」とは思わないようにしている。自分の意志と善意だけで動き、見返りを求めないし、期待もしないことにしている。
見返りがなかったことで、「してあげたのに」と思いたくないからだ。
心理学的に言えば、「本当は見返りを求めている自分がいて、なかったことで傷つきたくない心理で、自分を守るための偽善だ」とか言われそうだが、偽善上等だし、情けは人の為ならず(自分の為)だと思い、恩は売りまくってなんぼと思っている。
何か力になりたいとか助けたいって気持ちは本当だけれど。

でも、仇で返される筋合いは全くない。
スマホの一件は、仇で返されているよなと思った。

B美はやっぱりよく考えていて、以前、「A子を家に絶対上げるな」と言った時も最悪のことを想定してのことだったようだ。
断固拒否だけしか言わなかったのは、あの時点では、A子の言動にまだ確証が持てなかったからだと言う。A子の状況の全容が見えたこと、今回のスマホの件で、B美が

「人はね、いくら仲良くしてて、古くからの友達でも、魔が差すってことがあるからね。切羽詰まってたらなおさら。人を疑わないのはあなたの良いところでもあるけれど、自分を守ることは大事だし、気を付けないとダメよ」

と諭してくれた。
確かに私は人を基本的に疑わないし、言っていることを直接的に受け取るようにしている。でも、それで、自分が被害を被る状態になるのはただのアホだよな…と改めて気づかされた。

そして、翌日はA子の引っ越しの手伝い。
もう、私は十分やったし、A子との関係はここまでにしようと決意していた。

>>その⑧に続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?