見出し画像

スピリチュアルにハマった友人の話⑥

>>⑤からの続き

A子から引っ越しの手伝いを頼まれる。
本当は1日だけだったのだが、また前日になって、もう1日手伝ってほしいとのこと。
引っ越しの前に、役所だとか買い物だとかの手続きがあるそうだ。

A子の受け入れ先から、引っ越し先まで車で1時間ちょっとかかる。
私の家からA子の場所までも1時間ほどかかる距離だ。引っ越し先は地元の隣なので割と近い。
たぶん、昼をまたいでの作業になると思ったので、あまり高いものは無理でも、ランチくらいゆっくり奢ってやろうかな、何食べようかな…などと考えていた。

11時前くらいにA子のところに着く。
1日目は、手続き関係だけなのでそんなに時間はかからないだろう。
移動時間の方が長い。
A子は明日運ぶ荷物の中で、大きめのバッグとビニール袋に入った衣類を車に乗せておいてほしいと、持ってきた。
そして、手続きのためにホームセンターへ。

ホームセンターになんの手続きがいるのか…と思っていたのだが、一人暮らしに必要なもの(炊飯器とかカーテンとか)の補助金のようなものがあるらしい。その見積もりだそうだ。
役所とホームセンター間を行ったり来たりが必要なので、役所に近いホームセンターで手続きしたいとのこと。

なるほど、なるほど。

車を出発させてしばらく・・・A子が「私のショートメッセージの調子が悪くって、●●(私)のスマホと繋がるかどうか試したいのだけど、いい?」とか聞いてきた。
私は何を言ってるのかよくわからず、「どうやって繋げるの?てか、ショップに行った方がいいんじゃないの?」と返していた。
A子から何やらショートメールが送られてきたのだが、何かヤバいと感じた私は、「ごめん、私、ショートメールって使わないから、たぶん、だいぶ前にアプリから消してる」と噓をついた。

A子は引き下がらない。
もう一度アプリを取れという。
つか、運転中だ。横に警察もいた。スマホを触れない。「ちょっとスマホ貸して」と言われたが、それは断った。

しぶしぶ、アプリをダウンロードし直した風に装うと、またメールが送られてくる。そして、そこに記載してある4桁のコードを教えろというのだ。

Information
次のコードは第三者と共有しないでください。
Appleサービスの支払いをキャリア決済にするには、次のコードを入力してください:
〇〇〇〇(4桁のコード)

ソフトバンクまとめて支払いの利用規約が適用されます。
http://~~~~~~

送られてきたショートメール

うん、これ絶対アカンやつ。教えたらいかんやつ。
iPhoneには支払いの項目にキャリア決済があり、スマホ料金と合わせて引き落としができるようになっているのだが、そこに、他人の電話番号を追加することができる。

この画面から電話番号を入力すると、上記の認証コードが送られてくるようだ

この機能は家族の支払いだったり、スマホ2台持ちだったりに使う機能かと思う。

いくら私がボーっとしているからと言っても一応、長らくiPhone愛用者だ。
今のご時世、パスワード、認証コード、ID…などは、めちゃくちゃ大事なことくらい分かっている。
そして、今のご時世、スマホにクレジットカードや銀行が紐づいているなんて当たり前。簡単に人に触らせていいものじゃないし、落としたり、紛失したりは本当に命取りになる。
個人情報以上に大事なものになってしまっている。

…それを嘘ついてまで自分のスマホと紐づけようとするなんて…。
どう考えても正気の沙汰じゃない。そしてしつこい。
信号で止まるたびにコードを教えろと言ってくる。私は、早く目的地に着いてくれ…と願いながら、「利用規約が付いてるから、読ませて!私、一応、経営者だから、こういうの、絶対、隅から隅まで読むようにしてるの!」と言って時間を稼いだりしていた。

同時に、頭の中ではぐるぐると考えていた…。私の決済にして、何に使うつもりだ…と。
アプリでの課金は分かる。借金も返せたりするのか?…というか、使ったら一発でバレるじゃないか…知らぬ存ぜぬで逃げ切れると思っているのか?
…これを運転中に。事故らなくてよかったとつくづく思う。

そして、目的地に到着。降りる前に、コードを…と言ってくるので、

私「いや、コレ、共有したらダメ的なこと書いてあるし、ダメでしょ。私のと繋げて、私が支払いとかになっても困るし」

A子「支払いとかそんなん使わないしー」

私「あなたが使わなくっても、スマホ落としたり、第三者に乗っ取られる可能性だってあるでしょ?その可能性が0でない以上できないわ。それと、自分自身がよくわかってないことをするのは怖いから無理。メールの調子が悪いならやっぱりショップ行こう。ついでだし、連れて行くよ?」

A子「ショップはいいや。」

私「そうなの?調子悪いんでしょ?コードは教えないし、この話は終わり。さ、さっさと用事済ませるよ!」

…と半ば強引に話を打ち切り、車を出た。
ホームセンターで、「トイレに行ってくる~」と言いながら、トイレに駆け込み、誰かに助けを求めたかった。食欲も消え失せ、変な汗と吐き気もしてくる…。
B美も仕事中だし…。とりあえず、B美に「夜、連絡ちょうだい」とラインだけした。

この時点で、心底疲れていた。帰りたい…。

>>その⑦に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?