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こまつっ子の言葉の親 松居直先生

「松居直さん」と聞いても、「どなた?」となる人が多いと思う。しかし、「ぐりとぐら」、「うさこちゃん」を知らない人はいない。松居直さんは、それらの著名な絵本の編集者であり、こまつと深いご縁がある。
今回はそのことについて触れたい。

「残念ですが、音が聴こえている反応はありません。」という医師からの
告知。
聴覚に障害があると分かった息子の「言葉」を育てるための道のりは、2010年の、その時から始まった。関東圏に集中している聴覚障害の専門病院へ行くぞと意気込み、小松空港から東京へ向かった。そこで、ある医師から、聴覚障害児が言葉を育むには「童謡」と「絵本」が重要だと聞いた。
日本語を話せるようになるには、日本語特有のリズムを身につける必要が
あると。
親が子を抱きしめながら童謡を歌うことで、子に聴こえにくさがあっても、日本語のリズムは振動で伝わるのだと。
そして、美しい日本語で書かれた絵本の読み聞かせにも、同じ効果があるのだと。
そのためには、松居直さんが編集をされている福音館書店の本が最適であると。

「なるほど福音館書店の本が良いのだな」と頭の中をアップデートした私はこまつへ戻り、さっそく絵本館へ足を踏み入れた。すると驚いたことに、
掲示板には次のようなことが書かれていた。

『松居直先生と小松のご縁は、講演会を企画した2006年まで遡る。松居先生は金沢出身の身紀子夫人とともに来松された。まだシートがかけられたままの絵本館の建設現場を訪れ、市の理念や取組みに強い関心を持って下さった。以来、「空とこども絵本館」の活動を支え続けてくださっている。』

実は、絵本館は我が家のすぐ近所にあるのだが、松居先生のことも、こまつとの繋がりのことも、全く知らなかった。

福音館書店の本のラインナップは、上述したように、ぐりとぐら、うさこちゃん、だるまちゃんシリーズ、ももたろうなど、どこの家庭にも置いてあるものばかりである。
私見だが、福音館書店の絵本は何が素晴らしいかというと、子供の心と脳を発達させる要素が溢れていることだと思う。例えば2歳未満を対象とした絵本であれば、文章は理解しやすいように3語文までにおさえられている。また年齢に応じた繰り返し要素もあり、想像力を伸ばしてくれる。

12歳になった息子は松居先生のおかげで、こまつ弁も駆使する、こまつっ子へ成長した。
絵本館には多くの子供たちが来館しているので、松居先生は、こまつっ子の言葉の親と言えるだろう。こまつっ子が大人になり、子供を授かったら、また新たなこまつっ子が誕生するだろう。こうして、こまつの文化は末永く続いていくに違いない。松居先生のおかげで。


展示コーナーもありました
素敵な言葉です

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