ある男の魂の彷徨(伊勢正三とともに)その1 「君と歩いた青春」

伊勢正三というミュージシャンがいます。「かぐや姫」というフォークグループから「風」というフォークデュオを経てソロで活躍している稀代のミュージシャンです。若い人たちは知らないかもしれないけど、「なごり雪」とか「22才の別れ」などの曲は聴いたことがあるかもしれません。私のようなジジイにとってはレジェンドですが。

そのレジェンドの正やんこと伊勢正三の曲を聴いているうちに、一人の男の魂の彷徨とも言うべき物語が浮かんできました。言わば、一つ一つの曲という点を繋げていって物語という線が描かれた感じです。もちろん、これは私個人の解釈なので聴く人によっては「ちょっと違うよ」とか感じる場合もあるでしょう。それをも承知の上で暫く私の小旅行にお付き合いくだされば幸いです。

ということで、1回目の今日は、ある男が別れを決意するところから始まります。

「君と歩いた青春」

お聴きいただければお分かりでしょうが、ある地方の田舎から都会へと出てきた男女が別れるシーンの曲です。
ここでの田舎は正やんの出身地である大分県津久見市の小さな町としましょう。都会は東京でしょうね。

自然豊かな小さな町。いつも一緒に遊んでいる男の子達。転校してきた少女。そんなイメージが浮かびます。その少女に最初に声をかけたのが主人公の男です。やがて二人は成長し、惹かれ合い、東京へ出てきて暮らしはじめます。夜逃げ同然だったかもしれません。

でも、その暮らしはそんなに長く続かなかったのです。彼女は「故郷に帰りたい」と切り出しました。男は何度も引き止めましたが、彼女の決意が固く認めざるをえない、そんな状況です。

「君と歩いた青春」は「風」のサードアルバム「WINDLESS BLUE」(1976年)に収録されており、太田裕美や西城秀樹、岩崎宏美などによりカバーされている名曲です。

さて、こうして別れを決意した男の今後はどうなるのでしょうか?

淡月

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