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【1分で読了!即興小説】フルーツ氷

【お題】


刹那の吐息


【本文】



氷漬けのフルーツが、今日でちょうど10才になるパンダのリンリンに振る舞われた。


相変わらず暑い日が続く。
飼育員のおれは、額の汗をぬぐいながら園内を見渡した。

やはり今日はリンリンの誕生日イベントがあるお陰なのか、少し客が多い気がする。


客が多いと、おれのやる気も少しは出てくる。
客が集まってきたのを見計らって、さらに追加のフルーツ氷を持ってきた。

観客からは拍手が沸き起こり、おれは嬉しくなった。


ご機嫌になったおれは、調子にのって、
バケツからホイホイとリンリンにフルーツ氷を投げていく。

そこで、一瞬、見覚えのある何かが見えた。




指輪だ。



なくしていた指輪だ。




フルーツ氷の中に大事な婚約指輪が入っていた。



それは私の手から離れる直前だったので、
ブレーキをかけることができず、指輪入りフルーツ氷はリンリンの元へ。





取り返そうとしたときにはすでに遅し。

リンリンは指輪入りフルーツ氷を美味しそうに頬張っていた。







数日後、指輪はリンリンの糞から、
無事に見つかった。


ハッピーウェディング。

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