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映画 Last Letter

コロナ療養中に観ました。岩井作品の良さが一杯詰まった作品。Love Letterとも繋がる手紙を軸にしたものです。

中山美穂と豊川悦司の2人が今作品にも出演していますが、藤井樹のお父さんと遠野未咲のお父さんは同じ人ですよ!と誰かに言いたい気持ちです。Last Letterを観てるはずなのにLove Letterを観てる?と不思議な気分になりました。

描かれてはいなかった、未咲が結婚してから辛い時間の事。映像では確かに観たくなかったですが、充分に台詞などから読み取る事が出来てしまいました。『あなたが結婚してくれてたら』『いつかきっと母を迎えに来てくれる』この言葉をどんな気持ちで鏡史郎は聴いたのか。

岩井作品の良さは余白のあるところだと思います。解釈の余地が残されていて、それが余韻として心地良い。決して謎としての余白ではなく、自分がもう一度観た時にまた違う解釈をしそうです。『あなたが結婚してくれてたら』と言った裕里は本音だと思います。でも100%かな?と思ってしまう過去を紡いだエピソード。


最後の卒業生代表の言葉は、今この歳になるとなかなか重い言葉です。だからと言って答えが用意されているわけでもない。人生の辛い時に向かい合う、中学卒業(映画では高校卒業)の可能性の大きさとの対比。辛い時はこれから必ず来るとも予言出来る内容で、それを学生時点の可能性が無限大の時と比較。卒業式のタイミングで学生時代を『あの時』と言い切ってしまう。

文庫本と映画とは、大きく異なる背景がありますが、そんな事はどうでも良く、同じだけの感動があります。

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