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介護をしている全ての人へ#76 ~ 家族会議

 父の治療方針について話し合った。父のことよりも、楽になりたい自分がいたことを思い出した。

2019年3月17日(日) 母の日記

 夫、トイレ介助なしで過ごす。とても良い傾向。
 インスリンの注射にも積極的。でも、手順を全く覚えていない。朝も昼も夜も30分ほども時間がかかる。やってあげたほうが楽。
 午前中に夫の治療について話し合うために次男が帰ってきた。
 午後は3人で、引っ越し準備を進める。和気あいあいとした雰囲気。でも、本当は引っ越しは嫌。
 夫、大河ドラマを見ずに、就寝。
 3人で夫の病気と治療について話をする。
 夫のすい臓癌はどんどん大きくなりつつあること、臓器や周辺のリンパ節への転移は無さそうなこと、そして先生は手術すれば延命できそうであること、何もしなければ、残された時間は半年から1年しかないことを確認した。
 長男が次男に、夫が連帯保証した債務は、1,400万円。お金を借りた本人、秋山氏は1円も返済せず、現在3,000万円近くに膨れ上がっていこと。弁護士さんは、夫の自己破産を進めようとしていることを説明した。
 二人の息子に、私はどうしたいのか尋ねられた。厳しい問い。でも、できることがあるならば、してあげたいと伝えると、次男はそれに賛同してくれた。
 長男は、破産者として父の人生を終わらせたくないという。認知症で何も分らないうちに腹を切られて、薬漬けにするのは嫌だという。
 このまま何もしないで、残った家族や叔父が相続放棄をすればいいと言う。
 次男は信じられないという顔。お兄ちゃんに向けた鋭い視線は死ぬまで忘れられそうもない。
 多数決で夫は積極的に治療することになった。お兄ちゃんは何も言わずに埼玉に戻ってしまった
 これが原因で仲のよい兄弟が争うような事にならないよう、心から祈る。

2019年3月17日(日) 私の日記

 父、治療決定。普通のこと。
 普通はそうする。

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