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介護をしている全ての人へ#85 ~ 晴れ間

 在宅勤務2日目、少しだけ要領よく働くコツをつかんでいた様子。父の認知症は回復する病ではない筈だが、なんだかよい感じも記されている。
日記を読み返すのは、記憶を辿るだけではなく、新しい生き方の道標を探す作業のよう。

2019年3月26日(火) 母の日記

 長男、在宅勤務2日目。何かと心強い。仕事の合間に夫の紙パンツの交換や、汚れ物の洗濯をやってくれる。
 夫は朝から囲碁大会、世の中への興味を失っていた夫が最近は趣味のイベントに積極的に参加するようになった。危機は人を変える。囲碁の時は認知症が治ってしまったかのように目に生気が宿る。
 パソコンで上司や同僚のスケジュールを確認しながら病院に連れて行ってくれたり、買い物もしてくれる。小さいころから、何事につけても要領が悪くて、お人好しで損ばかりしていた息子が今は頼もしく見える。
 昼過ぎから膝の治療。やはり水が溜まっているという。病院でたまった水を抜いて、ヒアルロン酸を注入。脂汗がでるほど痛かったが、これで歩けるようになる。
 30日はかつらの手入れの後、東京見物歩けないようではつまらない。楽しみ。

2019年3月26日(火) 私の日記

 在宅勤務2日目、まだ仕事の進め方がつかみ切れていないが、下請業のような働き方になりそうな予感。ルーティンワークに加えて、割と面倒な資料制作が多くなりそう。予定外の打ち合わせはなくなった。本来の仕事には集中できそう。
 ずるい仕事の進め方も覚えた。同僚や呼び出しを受けそうな上司のスケジュールを見ながら、家事をかたずけるテクニックを早くも身に着けつつある。
 体調の良くない中、家事と父の介護を続けてきた母の苦労を知ることができた。父子の摩擦がどれほど面倒で気が滅入るものだったかも少し知ることができた。
 家族は仲良くが一番だ。なかなか納得いかないこともあるが、なるべく摩擦なく日常を送りたい。
 仕事以外の家事を進めながら、19時くらいまでだらだら仕事…メリハリがつけにくい。
 母の膝、だいぶ悪そう。水を抜き、ヒアルロン酸の注射。
 痛み止めの処方を受ける

在宅勤務、母は嬉しそうにしていた。


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