表紙絵について・・・
『身体はトラウマを記録する』は、大変な名著/大著ですが、この表紙絵は、マチス晩年の切り絵作品、ジャズシリーズの「イカロス」という作品です。
現在、東京都美術館で開催されているマティス展(https://matisse2023.exhibit.jp/)でこの作品が展示されているので、行ってきました。「色彩の魔術師」と呼ばれたマティス。鮮やかで今も新しさを感じる作品は、人間の躍動する力や自由を表現しているように感じました。
先日、ある方が「自由は努力して勝ち取るもの」と話していました。本当にそうなのかもしれないな、と感じます。それは歴史のうえだけでなく、個人としてもそうなのでしょう。トラウマによる傷つき体験から逃れて自由になるために、私たちはじっと耐え忍ぶのではなく、努力していくことが必要なのです。それは、根底から自分をいたわるための努力です。スタート地点や到達地点は、決して一様でなく、他人と比較できるものでもなく、自分自身、個人の戦いです。私自身、トラウマ反応の深さによって、大きなマイナスからのスタートになっていると感じます。トラウマから自由になり、本当の意味で自分らしく、幸せを感じられる人生を歩んでいくために、日々少しずつでも努力を重ねて、残りの人生をできる限り自分らしく生きたいと思います。生きている限り、一日でも少しでも長く、そんな日々を過ごしたいですね。