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よりレベルの高いプレー環境を求めて留学先で大学編入を決断。一年早いドラフト指名は、さすがに想定外でしたが、可能性が広がりました。

海外挑戦アスリートインタビュー アメリカ大学編 Vol.003 

氏名:桃李理永
フリガナ:トウリリヨン
出身地:大阪府
出身校(出身チーム):セレッソ大阪U-18, U-23
留学先での所属大学:St. John’s university
                                            >> University of North Carolina, Charlotte
留学先での所属チーム:St. John's, FC Wichita, UNC Charlotte


Q.サッカーを始めたのはいつからですか?

5歳の時です。母に、地元のクラブチームに連れられて、始めました。小学生の頃から、クラブチームなどで、海外の選手のプレーに触れることが多かったので、気付いたら海外を意識するようになっていました。特に、僕が小学生の頃に多くのプロ選手が日本から海外に行くようになったので、その影響もあったように思います。また、所属していたセレッソでは、ジュニアからユースまでたくさんの海外遠征があるので、自然と意識するようになりました。

Q.セレッソ大阪のアカデミー時代はどのような選手だったのでしょう。

ジュニアからユースに昇格して、初めの一年は困難しかありませんでした。Bチームでプレーしていましたが、当時代表レベルの選手ばかりだったAチームに上がれる気配はほぼ0でした。レベルの高さに圧倒されて、何をすればいいのかすらわからない日々でしたが、常に自分のできる限りのことをして、努力し続ける日々でした。この期間が今の自分を作っていると強く感じます。改善するために、毎日居残り練習や様々な戦術を教えてくれた当時のコーチ陣にはとても感謝しています。

高二になっても初めはBチームが続きましたが、徐々にAチームの練習に入れるようになり、シーズン序盤のプレミアリーグのガンバ大阪U18戦で、突然Aチームのスタメンに抜擢されました。その試合に勝利し、そこからスタメンを勝ち取りました。サッカー人生の中でも1番と言っていいほど重要な一戦だったと思います。そのシーズン後にナイキ選抜(「NIKE NEXT HERO プロジェクト」の選抜チームでイングランド遠征)に選んでもらい、かなり自信もつき、自分のサッカー選手としての立ち位置を少し理解できた時期でもありました。この遠征は、自分がサッカー選手になるために、何が必要なのかということを考える上で大きく役立ちました。

高三になって、今年はユースチームで中心選手として、プレミアリーグ優勝を目指して頑張ろうと思っていました。すると、シーズン前にセレッソU23の監督とU18の監督から、二種登録決定を伝えられ、全く予想していなかった僕は非常に驚いたことを覚えています。この日から、ユースには参加せず、U23に帯同することが多くなりました。シーズン初めは途中出場が多かったですが、半ばからはスタメンで出ることが増え、ありがたいことに、多くの試合に出場させてもらいました。当時プレーしていた多くの選手が、今J1やJ2の主力としてプレーしているのを見ると、最高の環境をいただいていたのだと思います。夏休みにユースの活動に少しだけ戻り、クラブユース選手権にキャプテンとして帯同した時には、自分のプレーにかなり余裕ができていることに気付きました。シーズンの終わりには、トップチーム(J1)の合同練習にも参加させていただきました。プロのレベル、環境、生活を高校3年の間に肌で感じられたことは、僕のサッカー人生の考え方にダイレクトに影響しています。

Q.セレッソでの高い評価を受けながらも、アメリカの大学挑戦を決めたのですね。

アカデミーの選手として高校時代の目標はもちろん、セレッソのトップチームとプロ契約し、いつか海外でプレーすることでした。が、それが叶わなかったときに、サッカーでも学業面でもレベルの高い日本の大学に進学することを考え始めていた時、アメリカに行く、という友人の仲間の進路を聞いたのです。その時に、新たな挑戦とより激しい競争、セカンドキャリアのための英語を求めて、アメリカの大学サッカーを選択しました。

Q.留学前に不安だったことはありますか?英語力はすでにあったのでしょうか。

中学校までの基礎的な英語だけなので、アメリカでは全く通じないレベルの英語力しかありませんでした。ほぼ0と言ってもいいです笑。それでも不安はあまりありませんでした。
 
アメリカに行くと決めてから渡米する前は、どこに行く時も英語の教材を持ち歩いて、毎月資格テストを受けました。ありがたいことにNCAA D1(全米四年制大学体育協会1部)のセントジョーンズ大学が獲得希望を出してくれ、その交渉から出願手続きまでウィズユーのサポートを受けられたので、日本のプロよりもいい施設で高いレベルのサッカーができ、英語も学べるという貴重な環境を手に入れることができました。一年目の最初の学期は本当に何も分からなかったので困りましたが、対処法は勇気を出して聞きまくる、ひたすら日本人以外、できたらアジア人以外と喋り続けるだけですね。アメリカでの親友は全員、アジア人以外です。

実は、渡米後、大学入学前のサマーリーグで、人生初めての大きな怪我をしてしまいました。アメリカでは複雑骨折をふくめ2度怪我して、2度とも手術となり、そこから這い上がる経験もしています。

Q.ニューヨークでのセントジョーンズ大学での生活について教えて下さい。そしてこのチームを離れたのですよね?

(セントジョーンズの)サッカースタイルはフィジカル重視、個人戦術という感じです。サッカーの環境としては、人工芝ですが良いスタジアムやジム、何でもトップレベルのものが揃っています。キャンパスはニューヨーク(都市圏)のため驚くほどは大きくはありませんが、綺麗で、過ごしやすいです。
 
マンハッタンやブルックリンも近いので、いつでも遊びに行けます。買い物やカフェが好きな僕からすると、天国のような場所でした。勉強は、その人の英語のレベルにもよりますが、僕は二学期目以降は、努力すれば何とかなるという感じでした。例えるなら、毎試合ハットトリック取るよりかは、難しくはないです。
セントジョーンズでは、チームメイトとも仲良くなりニューヨークでの楽しい大学生活を送ることができていましたが、(プロ)サッカー選手になった時に、本当にトップレベルに到達できているか、そのプロのレベルで戦える選手になれるか、を考え続けていたときに、セントジョーンズを去り、新しい環境を求めることを決めました。僕の所属しているNCAA D1は、移籍先を先に決めることはできず、一定期間の間に、まずチームを去ると決めてセントジョーンズに伝達し、その後に新しいチームとコンタクトを取ることができます。
 
怪我でプレーできていない期間もあったのでリスクも大きかったですが、数多くの大学から連絡をもらうことができました。その中で、ノースカロライナ大学シャーロット校の話を聞き、オフィシャルビジット(公式訪問)に招待されました。ここで、コーチと良く話し、サッカースタイル、キャンパス、チームの雰囲気を見て、その場で即決しました。 編入してみて、シャーロットの環境がいいのはもちろん、サッカースタイルやコーチの考え方が自分のしたいサッカーと一致していて、毎日が学びで楽しいです。


Q.現在の毎日の過ごし方をシーズン中とオフシーズン中それぞれ教えてください。

 ✅シーズン中
  午前:授業
     練習まで友達と時間潰す
  14時:練習or ミーティング
     火木は16時半から筋トレ
   夜:友達と遊ぶ or宿題
  土日は、基本的に試合とリカバリー

 ✅オフシーズン
   午前:授業
     練習まで友達と時間潰す
  14時:練習or ミーティング
     火木は16時半から筋トレ
   夜:友達と遊ぶ or 宿題
  土日はオフ

Q.アメリカサッカーのレベル感やこれまでの戦績、感想などあればお願いします。

 サッカー環境と設備で言えば、アメリカのD1のトップカレッジと日本の大学は天と地の差です。選手も世界中から集まるので、かなりレベルは高いです。実際に日本の大学と試合してみなければ分からないですが、アメリカのトップ校は日本の大学のトップ校よりも強いと言えると思います。
 
そのような環境で、世界中に友達ができて英語が話せるようになり、1人でどこへでも行けるようになったことや、サッカーレベルが確実に向上したのは自分にとって財産です。2023年シーズンのAACカンファレンストーナメント(所属リーグ)で優勝できたのは今までのサッカー人生で一番の喜びでした。が、その後のNCAAトーナメント(全米大会)でクリムゾン大学に負けたことは一番悔しい経験になりました。クリムゾンが優勝したのでなおさらです。

Q.ご自身の考える今後の構想を教えてください。

少し前まで、来シーズンは個人としてもチームとしても良い成績を残して、ラウンド1ピック25位内でドラフトされることだと目標を持っていました。しかしながら、予期せず今シーズンのドラフトでラウンド3ピックされてとても驚いています。オーランド・シティSCに練習参加する機会をもらいながら大学の最終学年をプレーできるのは良いチャンスなので、自信を持って、自分の力を淡々と発揮していきます。僕が意識してるのは本当にそれだけです。
 
将来は、トッププロ選手になって、家族を試合に招待することを目指し、努力を続けます。


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