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スマホ1つ で伊豆旅行!?未来に向けた次世代型サービス「Izuko」とは?!

みなさん、Izuko(イズコ)知ってますか?
スマホ1つで、あらゆる公共交通や観光施設が利用でき、利用者のデータを分析することで、少ない人数で事業を回せるようにしようという便利なサービスです。少子高齢化・人口減少社会の真っただ中にいる、伊豆の未来を見据えた次世代型のサービスでもあります。
この取り組みは観光型MaaS※と呼ばれ、Izukoは日本でも初めての取り組みとして注目を集めています。11月16日から3度目の実証実験が行われ、来年度の実装を目指して取り組みが続きます。このIzukoの総責任者である、東急(株)の森田創さんに、Izukoの魅力やこれからの伊豆・下田の未来について聞いてみました。

※MaaS(マース)とは、「Mobility as a Service」の略で交通機関による移動をサービスとして捉える新しい概念。スマートフォン等で、それぞれの需要や目的地に応じて、最適な交通手段が提示される。その際の乗り換え経路や料金が表示されるほか、予約やチケット購入もできるサービス。またそのことを可能にする交通体系や社会制度のことである。
それを観光サービスとも連動させたものが観光型MaaSであり、Izuko である。


Izukoとは?!

――早速ですが、そもそもIzuko とはどんなサービスなんですか?

スマホ1つで伊豆を自由に旅することができるサービスです。スマホの決済画面を見せれば電車、バスだけでなく、観光施設、宿泊施設、さらに観光体験も利用できます。


――Izuko を利用するメリットはなんですか?

一言で言うと「便利さと安さ」です。
事前に決済を済ませ、利用時は画面を見せるだけ。目的地までの移動と、そこでの目的行動(観光や宿泊)まで全てが完結します。決済方法もクレジットカードに加えて、モバイルSuicaや楽天Payでも可能です。
さらに、紙のチケットを購入するより、デジタルフリーパスという2日間有効の電車・バス乗り放題の商品も、観光施設のデジタルパスも、大幅にオトクです。観光施設では入場券や入場の待ち行列に並ばなくてもよく、ファストパスとしてもお使い頂けます。

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――Izuko によってどのようなことができるようになりますか?

2つあります。
カセットテープのA面B面に例えると、A面はスマホひとつで安く便利に旅ができるようになること。一方で、B面はIzuko の利用データが蓄積され、サービスの質の向上、省力化や効率化に活用できることです。
Izuko 利用者の移動や行動のデータを分析して、ニーズにあった商品やサービスのプロモーションが可能になります。また、少子高齢化社会で人手不足が問題となる中、今まで10人でやっていたことを7人で行うなど、無駄のない人員配置ができるようになります。


――便利に利用して終わりではなく、その後のサービスの質の向上にもつながるのですね。

そうです、プラスの循環が生まれます
Izuko で快適な伊豆観光を提供することで「Izukoっていいね」から、「伊豆いいね」につながり、利用者が増えていきます。そのデータが蓄積、分析されることで「お客さん目線の商品」を考えることができるようになります。サービスの省力化や効率化にもつながり、データに基づいたサービスの向上の連鎖からサスティナブルな伊豆をつくることができるのです

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――そんな未来に向けてですが、課題も多いのではないですか?

スマホを上手く利用できない人が多いことです。(ITリテラシーの低さ)
伊豆のお客さんはシニア層が多いので、そもそもスマホを使いこなせない人が多いことがわかりました。スマホを利用できないとIzukoは使えません。
さらに、お客さんだけでなく受け手の(観光関連)事業者にも同じことが言えます。もちろん事業者の方には使い方は覚えてもらっています。


――スマホが使えない人向けのサービスなどもありますか?

テレビのリモコンを使ったオンデマンド交通の配車サービスなども実験しています。全てをデジタル化するのではなく、アナログサービスも良いものは残していこうという考え方もあります。今後はデジタルとアナログの強みを最高の形で組み合わせることで、利用者にとっても快適で、事業者の省力化も図れるサービスの実現を目指すべきだと考えています

――「デジタルとアナログ、それぞれの強みを活かす」とても大事ですね。



――ITリテラシーの高さという意味では下田の取り組む「ワーケーションの推進」とは相性が良さそうですね。

首都圏から近く、大自然の中でゆったりと仕事ができる伊豆でのワーケーション需要はさらに高まると思います。世の中のリモート化が進んだことで、ITリテラシーも向上しています。スマホやPCを使いこなすことができるワーケーション利用者にとってもIzukoはとても相性が良いサービスになると思います。

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Izuko実証実験3 2020年11月16日〜2021年3月31日

――この11月から始まるIzuko (実証実験3)では商品の魅力がアップしたそうですが、どのように変わったのですか?

まず、サービスエリアが大幅に広がりました。これまでの東伊豆・中伊豆エリアから、西伊豆・駿河湾フェリー・静岡・富士山静岡空港までカバーできることになりました。観光商品の数も、昨年度のフェーズ2の6倍に増えました。下田市内のオンデマンド交通のエリアも3倍ほどに広がり、5つの宿泊施設も停留所に加わり、1泊2日の観光客のスムーズで効率的な観光周遊に寄与できると期待しています。

オススメの観光体験としては「朝獲れ金目鯛を好きなレシピで食べたい!」などです。

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――是非みなさんに利用していただきたいですね!

一度でも伊豆に来て、伊豆を好きになって欲しいです。


Izukoが目指す未来

――森田さんの考えるIzukoが目指す未来について教えてください。

Izuko を通じて最も取り組みたいのは、複数の事業者で利用・移動データを共有し、交通事業者、環境事業者、宿泊施設が相互に連携し、快適な観光サービスを作り出すことです。
そのためには、各事業者が観光客の快適な旅のために協力し合う風土と仕組みづくりも必要だと思います。


――私たち事業者も協力しながら努力していくことが必要ですね。

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――こんなにも伊豆や下田のためにプロジェクトを進められている森田さんの伊豆愛、下田愛の源はなんですか?

Izuko関連で下田の旧町内に滞在することが増え、下田の魅力がわかってきました。とても脱力できるというか、何気ない景色に癒されたりすることが増えました。伊豆や下田が好きになった分、この環境を残していきたいと思うようになりました。
人が少なくなっていく中でも、たくさんの人が伊豆に来てくれる仕組みを作りたいと思っています。

――ありがとうございました!


現在のIzuko は交通と観光を掛け合わせたサービスですが、そこで得られる利用・移動データは不動産や医療、その他多くの生活サービスと連携できる可能性があります。それぞれの分野で活用されることで、省力化やサービスの高度化にもつながり、地域の課題解決にもつながるでしょう。近年増え始めたテレワークやワーケーションとも相性がよいと言われているサービスなので、下田でも利用者の増加が期待されます。

皆さん、是非Izuko で伊豆を旅してみませんか??
便利で快適な旅を!

Izuko  

※2020年11月16日より実証実験フェーズ3がスタート。


著書:「MaaS戦記  -伊豆に未来の街を創る-」

Izuko立ち上げから実証実験まで、森田さん奮闘の様子は是非「MaaS戦記」でご確認ください!具体的な伊豆や下田の事業者や場所が出て来るので、地域を知っている方ほど引き込まれる内容になっています!


森田創(もりた・そう):東急 交通インフラ事業部 MaaS戦略担当課長。ノンフィクション作家としても活躍中。

ライター:温泉民宿 勝五郎 土屋尊司
写真・資料提供:森田創

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