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ハナ肇とクレイジー・キャッツ - スーダラ伝説 - 1961

TVでのコメディ番組に出演していたお陰で、コントのイメージが強いのですが、元々は進駐軍のキャンプ周りをしていたジャズ・バンドで、その前にはバンド・ボーイとしての活動期間もありますし、実績はあるのです。

そして、彼らがいたから、ドリフターズも誕生したんだろうなって思います。

ザ・ドリフターズ 1966

ビジーフォーとかも、この流れで間違いないですね。

ビジーフォー(いそがしバンド) 1976

それぞれ、ちゃんと音楽の基礎というか、バッグボーンありきなんですよね。トークも出来て、コントも出来て、演奏も出来て、役者さんとしても通用する。

SMAPが目指したのも、このようなクレイジーキャッツ・スタイルで、目標としていたそうですね。でもかなり違うかなーww (ちなみに私はジャニーズ事務所大嫌い。新しい地図は応援しています)

「おとなの漫画」は私は見てないんだけど(さすがにそこまで年取ってない)。「シャボン玉ホリデー」は見てました。

「おとなの漫画」1959

「シャボン玉ホリデー」1965

ザ・ピーナッツの「おとっつぁん、おかゆが出来たわよ」は、ドリフのコントや「見ごろ食べごろ笑いごろ」でのキャンディーズ、志村けんさんのバカ殿とか、とんねるずのみなおかでの貧乏家の人々、その辺りまで受け継がれるお約束というか、コントのスタンダードになりました。

ニッポン無責任男とか、とにかくたくさんの流行語が彼らの歌とか、コントとか、映画のセリフから生まれました。
今だったら、流行語大賞たくさんとっていると思う。

リーダーのハナ肇さんはねー リトル・リチャードに似てたなあ<お顔が 役者さんとしても、存在感のある素晴らしい役者さんでした。かくし芸大会での銅像役がね。お約束で楽しかったww

ガチョーンで有名な谷さんも、単独でいろんなバラエティーで活躍してました。欽ちゃんの番組とかで探偵の格好して、ゲストが何から食べ始めるのか、それらを推理する番組「谷啓さん、大当たり〜♪」好きだったなあ。

犬塚さんは、名脇役として今でも活躍されてます。石田ひかりちゃん主演のドラマ「悪女(ワル)」での役が、私には印象的。

うん、植木等さんが目立つから。そっちがリーダーと間違える人もいますが、違います(植木さんは、おうちがお寺さんで僧侶の修行もされた方。クラシックの歌唱法も習われてたこともあったりする。小松政夫さんが、運転手兼付き人されてましたねー)

植木さんもやはり、個性的で味のある役者さんでした。

ちなみにリーダーのハナさんがドラム担当で、植木等さんはヴォーカルとギター担当。犬塚弘さんがベース。ガチョーンの谷啓さんはトロンボーン。安田伸さんがテナーサックス。石橋エータローさんと桜井センリさんがピアノ。

「アッと驚く為五郎」1969

そして、今は犬塚さんしか、御存命でないのよねっ

「スーダラ節」1961

コメディソングや、コメディ映画がメインではありますが、流行と時代を作った人たちだなあって、つくづく思います。

「無責任一代男」1962

ある意味では彼らの映画はミュージカルだと思うし、日本ならではのはちゃめちゃミュージカル。同じジャズ・ミュージカルでも「ポギーとベス」とはえらい違いww

「ハイ、それまでヨ」1962

そうですね~ この時代の日本映画には、なんでもアリといった、そういうチャンポンな良さがありました。小津安二郎や黒澤映画などのフィルモグラフィー的な傑作。

アートかつ、格調高い文芸作品もありながら、江戸末期の「ええじゃないか」ムーブメントみたいな、時代劇とミュージカルの融合だったり、日活の無国籍映画もロマンポルノもあるし…なんかこう、こだわりのない、とにかく楽しみましょうよ的な面白さ。

脚本とかはふざけた内容なのに、大道具とか小道具はしっかりしていて、音楽はしっかりしているし、役者さんの演技は本物だったりww

とにかく面白い時代でした。その時代を象徴する、アイコン的な存在が彼らだったかもしれません。

「クレージー キャッツ結成 10周年コンサート」

「馬鹿は死んでも治らない」1994

ちなみに、文明開化の頃より日本には、早々と西洋音楽(クラシック)は入ってきていて(鹿鳴館の接待で必要だったから)、声楽(オペラの三浦環さんなんかも有名ですね)の学校も出来て、浅草オペレッタに代表されるように、庶民の音楽としても聞かれるようになって、同時にジャズも入ってきていて…戦後の銀座とかがめちゃくちゃ有名ですけど…それ以前からジャズは普及していたんです。

戦後は戦後で、クレイジーキャッツみたいに米軍基地で鍛えられた人多いし(江利チエミさんもそうですね)。

だからね、意外と知られていないんですけど、日本のジャズはレベル高いんですよ。オリジナルのものも結構生まれています。


本場のものも、もちろん素晴らしいのは間違いないけど、日本で継承された、こういう日本人ならではのチャンポン・ジャズも、もっと評価されて欲しいなあ…


他blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2020/12/14 掲載記事より転載


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