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Monochrome Diary 2024.1.1~2024.1.7

2024.1.1

2024年が始まった。
ここ数年は、個人的にはあまり良い年月ではなかった。
どうにもこうにも流れが悪く、瓦解していくような気分だった。
普段はあまり信じないけれど、弱ってくると「運気」を知りたくなる。
案の定、ここ数年は「停滞し耐え忍ぶ年」だった。
しかし、年が変われば、風向きも変わるはず。実際、2024年からは「少しづつ進み始める年」だそうだ。そう知ると、早く年が変わらないかとウズウズしていた。

毎年、年明けの瞬間は音楽を聴くことにしている。
その年の、始まりの音。

ASIAN KUNG-FU GENERATION 『解放区』
この曲の『解放区 Freedom』という歌詞に入るところの、一気に解き放たれる感覚が大好きだ。きっと今年はこれまでの耐え忍ぶ状況から、大きく解き放たれるはずだ。
この曲が始まりなら、今年を走り出していける気がする。

石川県の震災。
なにも元日に災害が起きなくてもとは思うが自然は待ってくれない。
自分が住んでいるところは、東日本大震災の被災地に入る。ニュースを見て状況が分かってくると当時を思い出し、どうか少しでも被害が大きくならないことを祈る。

2024.1.2

朝起きて、本を読む。
今読んでるのは、YMOの来歴を追っていく本。
昨年、坂本龍一が亡くなり、美しい音楽を作る人がまたいなくなったと物悲しさを感じた。それから、坂本龍一の自伝を読み、その世界観の根源を知ろうとした。その延長になる。今読み進んでるのはまだ結成から数年後までだが、様々な人達との関わり、音楽商業との関係や、その当時の反応など、少しづつ紐解いているようで面白い。

感化されたのか、PCでドラムを打ち込み、ギターを弾く。最近、ドラムのプラグインを買い、随分と音が良くなった。1つづつ打ち込んで調整していく毎に、音が積み上がっていく様は、初歩的だがとても楽しい。

2024.1.3

ゆっくりとコーヒーを飲む。
だらだらとしながら、打ち込んだドラムに合わせてギターやらベースやらを入れて、こねくり回して遊んでみた。
あれもこれもと思いつく限り詰め込んでいたらあっという間に1日が過ぎていった。
自分でも驚くほどに集中していたのは、きっとコーヒーのせい。何か集中して作業をする時はコーヒーを飲むことをスイッチにしている。それが何気なく飲んだ今でも作用したみたい。

ずっと興味があった「攻殻機動隊」のアニメシリーズを、昨年から順番に見ていたが、最新作まで追いついてしまった。サイバーパンク系のSFは、幼い頃はとても怖かったのに、今ではとても好きな世界観だ。
義体、脳殼、ネットの海。
近未来よりももっと今に隣接した世界がたまらなく、のめりこませる。
押井守監督作の「GHOST IN THE SHELL」の民謡声楽を合わせた曲も、「Stand Alone Complex」シリーズの菅野よう子の曲も、それぞれの作中の雰囲気に合わさり、感性が揺さぶられている。

2024.1.4

今日は待ちに待った1.4。
新日本プロレスの1年で1番大きな大会。
プロレスを見始めて真っ先に、この人を追いかけたいと思ったのが
Los Ingobernables de Japón 内藤哲也だ。
今回はその内藤哲也がメインイベントで登場するから、ずっとこの日を楽しみにしていた。

1人のプロレス選手を見ていくと、たくさんの選手との関わりが見えてくる。
昔からの仲だったり、裏切ったり、師弟だったり。
その複雑な絡み合いを知りながらみていくと、ただの肉弾戦ではなくなる。プロレスは大河ドラマだ。
今回の1.4東京ドーム大会も壮大な話がまた脈々と受け継がれまた続いて行くのだろうと思わされた。
中でもやはり、メインイベント。
SANADA 対 内藤哲也
試合の前から最後の展開まで見せられっぱなしで、数日頭から離れないだろう。

2024.1.5

金曜ロードショーで「千と千尋の神隠し」がやっていた。
「千と千尋の神隠し」は幼い頃から大好きで何回も見たことはあるが、物語の裏(湯屋とはなんなのか、カオナシは何者?など)に注目しがちだった。
今回は「映像研には手を出すな!」の作者大童澄瞳の実況を聞きながら見た。
映画としての、画角、作画、色の使い方などの話を聞くと、アニメーションがいかに、こだわりと深い思考を経て作られるかを考えさせられる。

2024.1.6

昨年の夏、ELLEGARDENのライブに行った。
ZOZOマリンスタジアムで真夏のお祭りとして行われたライブだ。
ずっと大好きなバンドだから、運良くチケットに当選し見ることができ、
夏の忘れられない思い出になった。

昨年末に、そのライブとAmazon Primeでのドキュメンタリーが収録されたDVDが発売された。ドキュメンタリーの中で、メンバー以外のコメントとして、矢野顕子が出ていた。

矢野顕子はELLEGARDENの「右手」をカバーしていたことを知った。
僕はもともとカバー曲が好きだ。カバー曲はいかにそのオリジナルの色も残しつつ、独自の新しい色で塗り替えていくかが見えてとても面白い。
矢野顕子が「右手」のカバーを聞くと、独自の世界に引き込まれていく感覚になる。同じ曲なのに違った印象を与える。その人が持つ色に自在に変わっていく音楽は、なんて自由なんだと感嘆した。
(Weezer「Say It Ain't So」もカバーされててかなり好き) 

2024.1.7

Netflixで「レオン」を見た。
「名作映画と言えば」で名前が出てくる有名作だが、今まで見たことがなかった。
初めのシーンで、ジャン・レノ演じるレオンのサングラスにテーブルの上が映るシーンがまず印象的だった。ただテーブルを写すだけではなく、雇い主のトニーの顔、レオンの顔、そしてサングラスに映る卓上が、「緻密な打ち合わせ」の印象をグッと引き立てるように思えた。

レオンのキャラクターに惹かれた。
殺し屋として、(片目を開けて)座って寝るシーンはその緊張感が生活にまで影響する、殺し屋としてのキャラクターを大きくする。
一方で、レオンはミルクをよく飲んでいた。
ここで思い出したのが「フード理論」。
物語の中で、登場人物と食べ物の関わり方から法則をみる理論だ。
1. 善人は、フードを美味しそうに食べる。
2. 正体不明者はフードを食べない。
3. 悪人は、フードを粗末に扱う。
という三原則からなる。
殺し屋は正体不明者もしくは悪人に映されるが、レオンの場合、子供っぽさを思わせるミルクをよく飲むキャラクターから自然と優しさを持つ人間だと思わせる。同じように、鉢植えの植物を友人(自己投影?)と称して大切にするのも、より人間らしさを思わせる。

マチルダとの関わりは、レオンの殺し屋として諦めていた部分を湧き上がらせた。背伸びしたい年頃のマチルダの愛情表現は、拙く、極端だけれど、それまで家庭環境も相まってか、これから共に生きるレオンに愛されたいと感じたのだろう。レオンも同居生活の中で心を開いていき、始めはギブアンドテイクだったかもしれないが、次第に信頼していく。

レオンが鉢植えに水をやりながら、次第にマチルダと水の掛け合いになり家中を走り回るシーンを思い返すと、ラストはあまりにせつない。

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