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強調構文ラッシュ ! ━映画『日の名残り』より

前回noteに引き続き現在Netflixで観られる映画『日の名残り』(1993)からですが、以下はit is 〜 that(〜の部分が人の場合whoも可)...のいわゆる「強調構文」(分裂文)が効果的に、印象深く使われている台詞からの引用です。場面は女中頭ケントンが、執事スティーブンスの父親の最近の衰えを心配し強く危険を伝えようとしているシーン。残り1h49mあたりになります。

It was your farther who left the dustpan in the middle of the floor.
(ちり取りを床に置きっぱなしにしていたのはあなたのお父様だったし)

It is he who is leaving polish on the cutlery.
(食器磨きをカトラリーに忘れているのもお父様で)

It is he who confused Chinamen.
(中国人の人形を置き間違えたのもお父様なんです。)

You must recognize this before he commits a major error.
(お父様が重大な間違いをしてしまう前にあなたもこのことを認識しておかなくてはなりません!)

これはYour father left the dustpan in the middle of the floor. He is leaving polish on the cutlery. He confused Chinamen.のそれぞれ主語の部分をit is 〜that(who)で挟んで強調しているのですが、それを立て続けに3つ重ねることで一層切迫感を演出しています。

ちなみにこれはカズオ・イシグロの原作小説にはない台詞。確かに文字だけの小説ではくどくなりかねないから、俳優の身体を伴う映画ならではの迫力ある表現と言えそうです。

机上の単元別文法演習だけでは実際どんな場面で「強調構文」なんか使うんだ?となってしまいがちなので、こういう活きた実例に触れて体得していくのが大切ですね!

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