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フクシのミライ

少し自分なりの考えやら理解をメモ代わりにまとめてみます。
事実歴史と異なるところもあると思いますが、個人の主観だと思ってください。


ひとくちに『福祉』といってもピンからキリまであって(表現は失礼ですが)

人が生きていく上でのセーフティネットとしての『福祉』
社会の中での様々な”生きにくさ”へのフォローやケア、としての『福祉』
社会の中で”生きていくため”のサポートや教育をする『福祉』
社会の中の”居場所”としての『福祉』

僕の中ではこんなイメージで捉えています。
 
 
一番最初に「セーフティネット」として福祉は生まれました。
ここは文字通り生きるか死ぬか、という世界で、
・緊急性
・即効性
を求められていました。
  
 
そして、これは今も続いています。
豊かな時代になりはしたけれど、様々な理由で ”生きるか死ぬか”に追い込まれている人はたくさんいます。
 
 
ただ少し違うのは、昔は国全体が貧しかった中で、このセーフティネットは例えば働けたり、何かしら食っていく術に導いていくことで整っていく余地があった、ということ。
 

今は、高齢、障がい、児童に渡っていろんな問題と絡み合っているので、
時代は豊かなのに、すごく複雑な問題にカタチを変えています。
 
 
その次に生まれたのが「生きにくさ」へのフォロー。
これは、偏見や差別、いじめとかもそうでしょうか。
介護、障がい、児童福祉なんかはこのエリアなような気がします。
 
 
ここで求められているのは、
・権利
・擁護

で、緊急性はセーフティネットよりも少し下がりますが、重要度は時代とともに
上がってきました。
 
 
ここでは、少しずつ人の多様性と社会の構造との乖離や、ある意味道徳やモラルというものの破綻により社会の中でなんとも生きていきにくい状況にある人達の ”生きる”権利に何よりも重点をおいており、ある意味、一時的な社会との「隔離」をしてでも守らないといけない、そして、そういう「生きにくさ」はどんどん見えにくくなっていくので、窓口を設けたり、見つけるための仕組みを構築したり。
 

この辺りまでは、どちらかというと『法的な施策』誘導で進めていくことのほうが効果的だったんでしょうね。
 

さて、ここから少し福祉の「時代」の変化です。
これらに加えて、「社会の中で生きるための」福祉のカタチ。
 

この辺りが今僕のいるフィールドでしょうか。
 
 
ここで求められているものは、
・生き方の支援
・生活や就労の環境整備
・ある意味教育というか人を育てる的
 
という感覚やスキルだと思います。
 
 
これが就労支援やら、高齢者の社会参加やらですが、ここで僕達が頭の中のシフトチェンジを起こさないポイントは、「権利や擁護という守る」発想から、本人が環境に適応できるための攻めの支援というか、「前に進める」という、ある意味これまでの福祉的なスタンスから離れないといけない部分が生まれます。
 

同じ『福祉』という言葉ではあるけれど、そこに含まれる意味が変わってきているのが現代の福祉業界の在り方じゃないかと感じています。
 

そっからさらに社会の居場所、という概念が今とても重要なんだと思います。
 

社会の中で生きているんだけど、生きにくさもありながらそれでもなんとか生きているけれど、人のつながりが希薄になった現代社会の中で、「息を抜く」ということができる場所がもはや社会課題として必要性が増しています。
 

ここで求められるのは、
・安心
・心のケア
・社会共存

あたりが重要になると思います。
 

セーフティネットのフェーズからすると、福祉という考え方の振り幅は、現代ではとても大きくなりました。
時代の多様性に沿わせながら、求められるものも多様化しているということなんでしょう。
 

でも、今回のコロナ騒ぎにより、もしかしたら福祉のフェーズはまた増えるかもしれませんし、セーフティネットとしての機能を拡張しないといけなくなるのかもしれません。
 
 
改めて僕達福祉を生業としている者も、時代の動きを見ながら意識もアプローチも、自分たちの立ち位置もアップデートしていかないといけないんだな、ということを感じます。
 
 
 
 

 
…こんな記事を2年ほど前にどうやらFacebookに投稿してたみたいです。
 
 
あれから2年。
 
 
障がいがある方のための婚活支援、障害者の性に向き合うためのプロジェクトの立ち上げに始まり、地域の中の様々な団体に所属している福祉人達が寄り合いコミュニティを作って地域の福祉プラットフォームをつくろう、という助成金プロジェクトを仲間と立ち上げたり、全国各地で活躍してる福祉人と繋がり、「福祉の見える化」「福祉のエンタメ化」をコンセプトにYouTubeチャンネルを立ち上げてみたり…。
 
 
本業でも、引きこもりになっている当事者の支援を始めたり、地域の独居高齢者の方への生活支援的なことを始めたり。
 
 
いろんな事を始めました。
いろんなアクションが動き始めています。
 
 
それでもなお、この記事を読み返してなお、まるで今感じてるかのように思えてしまう。
 
 
自分の歩みが遅いのか、的外れなのか。
それともそれだけ時代の生きづらさが大きいのか。
 
 
分からないけれど、まだまだだなぁ、と改めて思います。
 
 
これからもっとエンジンのギアを上げてやらなきゃな、と襟を直す気持ちになります。
 
 
少し前のことを振り返ってみた話でした。

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